止まらぬエテロ
「はぁ…はぁ…!」
「エテロ!止まらない!!モナも間一髪避け続けているが疲労が目に見えて溜まっている様子だ!!」
あれから何度も突進し続けるエテロ。
モナはなんとか直撃を避けていたが
所々に切り傷ができ、肩で息をしていた。
「動きが鈍ってきたな」
身を焦がしても表情を変えずに走り続けるエテロ。
「くぅ…!」
避けながら地獄鞭で打つモナ。
「まだ反撃をするその気概は褒めておこう」
地獄鞭が直撃するも
意に介さず大きく旋回し、モナに向け突進するエテロ。
「まだつっこんでくるの…!?」
避けるだけならできる…
けどモナの魔法があんまり効いてない…!
「何度も突進するオレを愚かだと思うか?」
走りながら問いかけるエテロ。
「え?」
「侵略者共はオレと対峙すると必ず笑うんだ。馬鹿だ愚かだと指をさしながらな」
突然の質問に一瞬たじろぐも
すぐに切り替え躱すモナ。
「そういう奴らは途中から笑わなくなるんだ。そして今のお前みたいな顔になる」
「今の…モナ?」
「あぁ。その余裕のない顔だ。そして奴らは“これ”になった」
牙でできた首飾りをじゃらりと鳴らすエテロ。
モナの背中をぞくりと悪寒が這う。
少し早いタイミングで回避するモナ。
「その隙は見逃さない。…母なる水よ、陸を制す鰭となれ。シュヴェール」
両足のくるぶし辺りに水魔法で出来た鰭を纏うエテロ。
「猪荒屍」
そのまま勢いを付けながら両手を広げ回転する。
足元の水魔法シュヴェールによりどんどんと加速する。
「技が違う…!」
高速回転しモナへ突っ込むエテロ。
モナの眼前に刃が迫る。




