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むにむに

ハーレム統一…そういう道もあるのか…。


軽率な行動を注意されたばかりなのに

反省しない男フューゼ。


「結構真剣に考えてないですか?」

じっと見つめるシルビア。


「え!?…そ、そういえばヘルシャフトさんは男にも女にもなってたな。」


「突然どうされたんですか?」


「いや、今女の王も多いからハーレム統一できるって話ししてただろ?」


慌てるフューゼを見てジト目になるシルビア。

「…まぁ冗談混じりですがそういう道もあるとはお話致しました」


「なら男の王に対して女の姿で迫れば全ての王を攻略出来るんじゃないか!?」



少し間を置き口を開くシルビア。

「フューゼ様…これまで旅をしてきた中の反応を見る限りではご自分が仰ってる行動を取れるように思えません」


「い…今すぐは出来なくても血を流さず統一できるなら…!」


「男性に…いえ女性相手でも迫ることが出来るんですか?」


「ぐっ…!…あ!アリス!アリスはサキュバスだ!アリスにコツを聞く!」


がくりと肩を落とすシルビア。

「知識はあってもあの子は何事も未経験ですよ…」


「そ、そうだった…。」

同じく肩を落とすフューゼ。



「それに各国の王は簡単に色仕掛けにかからないと思いますよ。おまけに今から練習した付け焼き刃の誘惑なんて話にならないでしょう」


「まぁそうだよなぁ。下手すれば色仕掛けなんて1番警戒するよなぁ。……でも女の姿にはなれるのかな?」


先祖返り(リバック)頼りの知識ですが下腹部に魔力を込め理想の姿を想像すると姿を変えられるそうですよ」


「なんだとっ!?」

すぐに下腹部に魔力を込めるフューゼ。


理想の姿…理想の姿…!

ちっちゃくて可愛い感じの…!


にやけたフューゼを黒い霧が包む。

そして霧が晴れた。


「どうだ…っておぉ!!声も可愛くなってる!」

嬉しそうに自分の手や身体つきを確認するフューゼ。


背丈はモナと変わらないくらいになり

綺麗な赤髪からは小さな双角が

ちょこんと顔を出している。


「フューゼ様!?」

何となく感じていましたが

フューゼ様の趣味は…!!そんな!


「…おー」

とてとて近寄るモナ。


「モナ!大きくなったな!」


「違うよ。フューゼが小さくなったんだよ」


「そうか、そうだな!成功した!」

モナの頭を撫でるフューゼ。


「うーん…」

フューゼにくっつき抱きつくモナ。


「モ、モナ!?」


「マコと一緒にいた時みたい…ぽかぽかする」


「だ…抱きしめられるのは…!」

ヤバい!温かい!!

足にくっつかれたりする時とは大違いだ!!

身長近いとこうまで違うのか!?


顔を紅くするフューゼ。


「女の子同士だよ…?」


「そ…そうか!今は俺…女の子…!!」

モナと同じようにぎゅっとするフューゼ。


……これは…。

ドキドキもするんだが…。

心地いい…。人肌って…こんなにいいのか…。


「モ、モナー。そろそろフューゼ様から離れましょうね」

ニコリと作り笑いを浮かべるシルビア。


「……まだぎゅってしてたい」


「次の試合も始まりますし…ね?」


「…フューゼ、どうする?」

フューゼの目を至近距離で見つめるモナ。


「えっ!?えっと…!」


アワアワするフューゼに声をかけるシルビア。

「……モナが初戦勝ち上がったら次の試合の勝者と戦うんですよ?見ておいた方がいいです」


「そうか…!それは見ないといけないな!」

モナを抱きしめるのを止めたフューゼ。

離さないモナ。


「モナ…?」


「…うん、ありがとうフューゼ」

離れるモナ。


「じゃあ…モナは試合見逃さないように急ぐね」

観戦するため駆け出したモナ。


「じゃあ俺達も…」

「フューゼ様、そのお姿のまま行くつもりですか?」


「あ、そうか…。戻っておかないとな。」

下腹部に魔力を込めるフューゼ。

屈んでフューゼのお腹をつつくシルビア。


「ひゃ!な…何するんだシルビア。」

フューゼの魔力が途切れ黒い霧が霧散した。


「フューゼ様は…小さい女の子がお好みなのですか?」


「うぇ!?ま…まぁ好き…というか…」

ムッと顔を歪ませたあと

無言でお腹をむにむにつまむシルビア。


「ちょ…ちょっとくすぐったいって!!」


「…モナやリヴィアの事は好みでしょうが私やアリスはダメでしょうか…」

むにむにし続けるシルビア。


「そ、そんなことないさ!あくまで前の世界で見てたアニメとかではそういうタイプの子が可愛いって思ってただけで実際の女の子とは付き合った事ないんだ!」



「アニメ…というのは何の事だかよくわからないですが…今までお付き合いが無かった…であれば私やアリスでもリヴィアやモナに劣らずみ…魅力的だと思えますか…?」

顔を紅くするシルビア。

むにむにする手もしっとりとしている。


「あ、当たり前だろ!だからその、むにむにするの止めてくれ!」

必死な表情のフューゼ。


「し、失礼致しました」

ぱっと手を離すシルビア。


「た…助かった。途中から息ができなかったぞ!」

再度下腹部に魔力を込め霧に包まれたフューゼ。


「も、申し訳ございません。その、フューゼ様のお腹がとても柔らかくて気持ちよかったもので…」


「そうだろ?これはヴェグル洞窟でみたシルビアの身体を思い出しながら…」


「えっ?」


しまった…!!何言ってるんだ俺は!

シルビアに怒られる!

「す、姿が戻ったしモナに追いつかなきゃな!」

元の姿に戻り早足で試合場に向かうフューゼ。



フューゼ様が理想の姿を作る時

私の身体を参照に…!?


自分のお腹をふにふにするシルビア。


…フューゼ様をこうりゃ…理解する為には

まずフューゼ様の趣味嗜好を

理解する必要がありますね…!

あのお姿も可愛く…柔らかく…愛おしい…!


さらに自分をふにふにするシルビア。


ハッ!

私を参照していたということは

間接的に今フューゼ様に触れている…?

いや愛でている様なものでは…!?

これは思わぬ収穫ですね…!!



モナとフューゼが試合場に向かっている間

シルビアは恍惚な表情を浮かべ自分のお腹をふにふにしていた。

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