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サキュバスの眷属になったと思ったら世界統一することになった。  作者: ちょび
第3章〜幻想都市グリーディア〜
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幻想都市グリーディア

「……すごい賑わいだな!」


門をくぐったフューゼ達を待ち受けていたのは

大賑わいの大通り。


「奴隷商が盛んだっていうから暗いイメージだったんだがすごい明るいんだな。」


「えぇ。それこそ初期の頃は嫌々してる者も多かったですが今はこぞって奴隷になりたがる者ばかりですからね」


「奴隷になりたがる?」


「はい。元々グリーディアはエルフ達の集落。金銭的にはあまり豊かではなかったのです。今も奴隷商に携わってる者以外裕福な者はおらず、奴隷としてよい主人に買われるほうがいい暮らしができるのですよ」


「でも奴隷だろ?大変なんじゃないか?扱いとか酷そうだし。」


「仕事は大変でしょうが奴隷達は購入時点で何を行う奴隷なのか契約を交わして購入されます。そして奴隷取扱法という法律に基づき奴隷は定期的に検査を受け仕事内容についての確認もされます。なのでかなり酷い扱いをうける、というのはもうほぼないと思われますよ。法律破るとグリーディアで奴隷買えなくなりますし」


「そうなのか。奴隷の法律何かもあるんだな、……ってアリスどうした?」


不満気なアリス。

「むー。最近フュゼ様私を頼ってくれない」


「え?そんなことないぞ!ただそのこういった知識はシルビアのスキルも相まって確認しやすいからさ。」


「こら、アリス。ヴァンドラ様を困らせないで」


「うぅ……」


「困ってなんかないぞ!俺はいつもアリスの明るさに助けられてるしこれからも頼むよ、アリス。」


「……えへへ///ありがとうフュゼ様!私頑張るね!」


フューゼ達が話しながら歩いていると

ニコニコした男が声をかけてきた。

「ちょっと、ちょっとそこのお兄さん!少しだけ話しを聞いてくれないかい?」


素通りするフューゼ達。


「ちょちょちょ、少しだけ聞いてくれよ!」


「んあ?俺達に言ってたのか?」


「他に誰がいるってんだ!お兄さん!1つだけ話があるんだ!」


「なんだ?」


「ちょっとこっちに来てくれ。」

そう言ってテントに誘い入れる男。


「ヴァンドラ様!」


「大丈夫!話をするだけだから嬢ちゃん達は待っててな。」




テントの中に入ったフューゼと男。


「へへっ、ありがとよ!話し聞いてくれて!お兄さん可愛い女の子2人も連れてるよな?」

そう言ってアリスとシルビアを指さす男。


「あぁー……えーっと商品じゃないぞ?」


「そうなのかい?んじゃ交渉だ!俺の持ってるこいつとどっちか1人交換しねぇかい?」

男が指さす先には耳の長い美人が座っていた。


「交換って……。」


「まぁまぁ聞きねぃお兄さん!こいつはエルフ族。さらには専門は性奴隷ときたもんだ!お兄さんもあんな格好の奴隷買ってるって事は結構好きなんだろ?こいつはどんな事でもできるぜ?」


「な、何?こんな美人がどんな事も……?」


「そうさ!何でもできるぞ!それを1対1交換なんてこんな好条件ないぞー?契約書も俺が手続きしてやるし…どうだ?」


「ははっ、少しは気にはなるけど俺はあいつらと離れる気は無いんだ。他を当たってくれ。」

そう言ってテントから去ろうとするフューゼ。


「ちょちょちょちょっと待ってくれよ!わかった!お兄さんの気持ちはわかったぜ!」


「あぁ……それなら行っていいか?」


「いやーその愛情に負けた!負けたぜ!だから今回のこの話、金貨5枚でどうだろうか?3人の奴隷とのウハウハライフが金貨5枚で手に入るぞ?」


「金貨5枚?」


「おうそうさ!相場と比べりゃ相当お得だぜ。どうだ?」



うーん……金貨の価値もわからないし俺はもってないんだよなぁ。

どうやって断わろう。


「兄さん、やめといた方がいいッスよ。」


フューゼが悩んでいると後ろから声がした。


「え?誰だ?」


「……あっ!!このクソガキ!!また入ってきやがったな!!」


フューゼが後ろを振り返るとそこには耳の長い小さな少年がいた。


「お兄さん、あのエルフ見た目どう見えてるか知らないッスけど120歳くらいの年寄りッスよ。金貨どころか銀貨の価値もないッス。」


「そうなのか?」


「うん!オイラもエルフッスから!すぐわかるッス!だけど他の種族からしたらエルフ族は若く見られがちッスからそれを利用して騙そうとする奴があいつなんス!」


「何度も何度も商売の邪魔しやがって……。ぶっ殺してやる!」


エルフの少年に向かう男に立ち塞がるフューゼ。


「兄ちゃん。邪魔すると怪我するぜ?」


「……俺に免じて許してくれないかな?」

右手を出すフューゼ。


風の狼を作るイメージだけだと嵐狼(ストームウルフ)になっちゃうから小さく……小さく……。


シュウ!

右手に風で出来た狼が現れた。


「んなっ……!これは!風狼(ウィンドウルフ)!」


「こいつは少し食いしん坊でね?常に腹を空かせてるんだ。」

まぁ餌なんていらないんだけど。


「お、落ち着けよ兄ちゃん!へへっ、おれは立ち去る。それでいいだろう?俺のこのエルフ好きにしていいからよ…!」


「どうしようか……な!」

フューゼが大きく声を出すと風狼 (ウィンドウルフ)もガウッと力強く吠えた。


「ひ、ひぃぃ!!」

男はテントから一目散に逃げ出した。



戦ってないからシルフとの約束もセーフだよな!

嵐狼(ストームウルフ)も出してないし。


シュン!風狼(ウィンドウルフ)を消したフューゼ。



「大丈夫か?エルフ君。」


「あ、大丈夫ッス!助かりました!そんな事より兄さんあのエルフどうするんスか?」


「ひっ……!こ、殺さないで! 」

怯える美人なエルフ。


「大丈夫だよ。殺さない。とりあえず付いてきてくれるかな?」

美人エルフの手を取り立ち上がらせたフューゼ。


そのまま手を引きテントを出た。



「……ヴァンドラ様?その女のエルフは何ですか?」


「あ、いや店主が置いて帰ってね。そんな事よりシルビア、アリス、金貨って持ってるか?」


「まぁ持ち合わせてますが…」


「持ってるよー!」


「悪いが1枚くれないか?」


「元々は先代ヘルシャフト様から引き継いだものですし…構いませんが…」


「1枚でいいのー?」


アリスとシルビアがそれぞれ1枚ずつ金貨をフューゼに渡す。



「おぉ、2人ともくれるのか!ありがとう!じゃあエルフのお姉さん、これをどうぞ。」


そのままエルフの奴隷に金貨を渡すフューゼ。



「わ、私を購入して頂けるのですか?」


「いや、違うよ。嫌な思いをさせてしまったからね。これで足りるかわからないけど自由にしてくれ。」


ぽかーんとするフューゼ以外一同。


「あり、ありがとう……!ありがとうございます…!ヴァンドラ様……!!貴方の事は決して忘れはしません…!何もお返しできませんがいつか必ず…!必ず……!!」


「ははっ、気にしないで。喜んで貰えてよかったよ。」


「本当に……ありがとうございます……!!」

泣きながら礼を言い立ち去るエルフ。



「ヴァンドラ様……!!」


「シルビア、金貨ありがとな。何とかしてちゃんと返すから。」


「あのエルフを購入する…ということであればまだしも何も無しで金貨を2枚渡すとはどういうおつもりですか?」


「え?そんなに金貨ってすごい価値があるの?」


「兄さん何も知らないんスか?」


「フュゼ様は外について詳しくなくてね。でも私は怒ってないよ!なんかかっこよかった!さすがフュゼ様!!」


「オイラも感動したッス。あのエルフに何も求めず金貨を2枚も渡すなんて……かっこよすぎるッス!!」



「ありがとうお前ら。…ちなみにだが金貨ってどのくらいの価値があるんだ?」


「とにかくすごい価値ッスね。」


「そうそう。それをぽーんと渡すなんて!かっこいい!」



……この2人の説明じゃ全くわからないな。もしかしてかなり価値があったのか?


「シルビア…。」


「……わかりやすくいうと私達が1か月贅沢な食事をしたり店によってはその店の物全て買えるでしょうね」


「えーと……2枚で?」


「1枚です 」


これはシルビア怒るわけだ。

1枚でかなりの価値があるんだな……。今度から金貨は気をつけよう。


「まぁ、いいですよ。私もそこまで怒ってないです。元々ヴァンドラ様の金貨ですしね。今度からは相談して欲しいですが」


「ありがとな、今度からはちゃんと相談するよ。」




「兄さん、ちょっといいっスか?」


「あ、君もありがとね。助かったよ。」


「あ、いえいえとんでもないッス。オイラ兄さんに感動したッス。よければ何か力になりたいッス!兄さん達はグリーディアに何をお求めッスか?」


「うーん。そうだなぁ…。腕っぷしというか戦いが得意な奴とか欲しいかな…。まぁそれよりもここの王と少し話をしたいけど。」


「戦いが得意なのは探せばいるッスけど王と話すには他国の王からの特使であったりこの国の偉い人から推薦してもらうしかないっスね、基本会えないッス。」


「そうなのか!特使といえば特使かもしれないが…。」


「勅命書とかあるッスか?」


「それは無いな……。」


「ふふふっ、まぁ安心して欲しいッス!オイラこう見えても実は王の家系なんスよ!」


「ええ!?君が!?」


「いいリアクションッスね!時間帯的に今王は食事後くらいだと思うッス。だから場所多分わかるッスよ! 」



「場所まで把握してるのか!?すごいな!それで紹介というか案内してくれるのか?」


「もちろんッス!さぁついてくるッスよー!」



こうしてフューゼ達は自称王家系のエルフ少年に付いていくことになった。

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