闘技場開戦
「おおっ!これは!!」
スイングの声が響く。
「エレインの書いたトーナメントを発表致します!」
静まる闘技場。
「1回戦、初戦からまさかの同国対決!副頭領ランスロット様VSホルホ・ヘッツ!!」
オオオォー!
会場から歓声があがる。
そして、次々と発表が進んだ。
「2回戦、夜王ヴァンドラ・フューゼ様VSプロン!!」
「3回戦、イードルスVSマスクThe名無し!」
「4回戦、エテロVSモナ!トーナメントとなりますので以上8名から1人が決勝に進むことができます!!」
ワァァァ!!会場のボルテージがさらにあがる。
「続きまして5回戦、ロングソードVSアロンダイト!」
「6回戦、トール・アーサーVSダグダ・ツイスト!先代頭領と先代副頭領の対決だぁ!!!!」
「7回戦、ティラコVSカイル!」
「8回戦、シルビアVSアニル!これは1試合とも見逃せないぞ!!」
「俺は2回戦か。」
「私は最後ですね」
「モナは…4回戦…でも……」
ちらりとフューゼを見上げるモナ。
「どうした?」
「勝ち進んだら…フューゼと戦わないといけない…」
「ん?あぁ、そうだな。」
「フューゼ……」
不安そうな顔のモナを撫でるフューゼ。
「ふぁ…」
「組み分けが違ったとしてもお互い勝ち進んだらいずれは戦ってたんだ!もし戦う時は思い切りこい!強くなったんだろ?」
「……うん!フューゼ…モナが優勝する…!勝つ…!!」
「ははっ!その意気だ!」
「ヴァンドラ様」
「おっ、どうしたシルビア。」
「私も…決勝でヴァンドラ様にリベンジ致しますよ」
「リベンジ?」
「えぇ。ヴェグル洞窟の訓練では何も出来ずに負けましたので」
「…そういうことか。よし、シルビア!決勝で会おう!」
「……モナがフューゼを倒すから決勝の相手はモナだよ」
「はは!よしみんな思い切りこい!俺が勝ってやる!」
ニカリと笑むフューゼ。
「1回戦のランスロット様、ホルホを除いた出場者の皆様は自分の試合開始まで部屋に戻られても結構です。試合を観戦されたい場合は各国場所を設けていますのでそこでご観戦下さい!」
そうスイングが発表すると各国に1人名無しの男達が近寄り、案内を始めた。
「ヴァンドラ様はいかがされますか?」
「俺は2試合目っていうのもあるけど試合見たいしな。観戦するよ。」
「では、私もお傍にいます」
「モナも…」
名無しに説明し、観戦場所に案内されるヴァンドラ国出場者。
「少し上がった所で見やすいな!ありがとう!」
「ご満足いただけたようで何よりです。では、失礼致します。」
名無しの男は一礼して去っていく。
「1回戦はランスロットとホルホかぁ。勝った方が俺の2回戦の相手になるんだな。」
「まぁランスロットで決まりでしょう。ホルホは少しでもランスロットの戦い方を引き出してくれればいいのですが」
「うーん…確かに怪我もしてるだろうしホルホはすぐ負けちゃうかもしれないな。」
「スキルや魔法がわからない以上油断なされませぬようお願い致します。1回戦も勝つ前提で考えていてはいけませんよ」
「…そうだな。ありがとうシルビア!」
「いえ…出過ぎた進言でしたがお褒め頂き…光栄です」
頭をフューゼの方に傾けるシルビア。
その意図に気付き撫でるフューゼ。
真似するモナ。
「さぁ、各陣営への案内が終了したと報告がありましたので早速1試合目に参りましょう!」
真っ直ぐとホルホを見据えるランスロット。
ホルホは目を閉じ胸の前に剣を構えていた。
「怪我をしている事は承知していますが手は抜きません。」
剣を抜くランスロット。
「僕もギルドランドの戦士です。ここに立つ意味を理解しています。」
目を開き構え直すホルホ。
「ギルドランド副頭領ランスロット様VS戦士ホルホ!!試合開始です!!」
ドォン!と空砲が鳴らされ闘技場の戦いはその火蓋を切った。




