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サキュバスの眷属になったと思ったら世界統一することになった。  作者: ちょび
第2章〜踏みしめる新世界〜
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VS門番シルフ

パァン!

風狼(ウィンドウルフ)がフューゼに襲いかかった。


「ははっ、肉の弾けるいい音がしたなぁ?」


シュパパパパ!

さらに弾けた狼は形を変えフューゼを切り刻む。


「さぁ、奴隷ちゃん達こっちへー…」

パァン!!!

一際大きな音を放ちフューゼが現れた。


「んなっ……テメェ何をしやがった…。確かに直撃したはず……。」


「確かに直撃したけども俺には効かなかった。それだけだ。」

ゆっくりとシルフへと歩み出すフューゼ。


「何言ってやがる名無し(ネームレス)風情が……!!“喉元を食い破れ!風狼(ウィンドウルフ)!!”」

ギュン!風狼(ウィンドウルフ)が素早く襲いかかる。


パァン!

フューゼにあたり弾けるが歩みを止めることも出来ない。


「それ、早いしかっこいいよね。スキルなのかな?それともさっきから同じ言葉繰り返してるから魔法なのかな?」


……ちぃぃっ!何だコイツは!

風狼(ウィンドウルフ)が全く効かねぇ!

どうする……!!とりあえずもう一回撃ってから……。

……ってアイツがいねぇ!


「失礼するよ。」

シルフが後ろを振り返るとそこにはフューゼが居た。


……早い!!いつの間に!やられる!!


ガブリと首に噛み付くフューゼ。



……情報無しか。

ということはスキルではないのかあれは。

魔法は噛んだだけじゃ使えないのかなぁ?


カパッ…シルフから離れるフューゼ。


「テ…テメェ……な、何をしやがった…!」

身体が……熱い……!!


「少しお前のスキルを調べようとしたんだが、スキルじゃなかったんだな。」


「はぁ…はぁ……スキル……?」

スキルを調べる?何を言ってんだコイツは……。

噛んだだけで調べようとしたって事は

何かしらのスキル持ちだったのか……迂闊だった。



「シルビアー!ちょっといいか?」


「お疲れ様です。トドメを刺せばよいのですか?」


「ち、違うぞ?ナイフはしまえ。あいつ噛んでみたんだがスキルはなかったんだ。」


「フッ、そうですか。モリナマコ以下ですね。」



「くっ……!」

コイツ名持ち(ネイヴァー)だったのか……!



「まぁ落ち着けシルビア。あいつの魔法かっこよくてな?あれ使えないかな?」


「属性こそ風ですが発動できる可能性はあるかと思われます。二等魔力程度の魔法なら詠唱破棄できるんじゃないですか?ヴァンドラ様なら」




ヴァンドラ様……?ヴァンドラだと!?

夜王ヴァンドラか!?

今は城に篭ってるんじゃなかったのか!?

夜王に俺なんかが勝てるわけがねぇ!

やらかした!グリーディアが危ない…!!



「前の魔法みたいにイメージしてみたらー?」


「おぉそうだな。ありがとうアリス」

風を集めるイメージ。

全てを切り裂くような力を内包して……

後はこの魔力を狼の形に……。

あ、狼っていっても犬みたいなもんだから

俺には甘えてくれたら嬉しいな……。


「って、おぉ出来た!少し大きいけど可愛いなこいつ。」



「シルフ!」

呼びかけにビクッとするシルフ。


「ありがとう。お前のおかげで風狼(ウィンドウルフ)できるようになったよ。」


シルフが見上げるとそこには2mほどの風の狼。


「違う……。」


「え?少し大きくなっちゃったけどダメかな?」


「そうじゃねぇ……それは風狼(ウィンドウルフ)じゃなくその最上位魔法嵐狼(ストームウルフ)だ。込められている魔力量と秘めた破壊力が違いすぎる……詠唱破棄でそれを……?」


「最上位…?じゃあこれ強いのか?というかシルフ、これが町中にいたら怖いか?」


「…パニックになるだろうな。」


しゅんとするフューゼ。

「そうか……連れ回したかったんだが周りが怖がるならやめとくか。じゃれてくれてかなり可愛かったからせっかくいっぱいだしたのになぁ。」


「なに……?」

気付けばそこにはフューゼにじゃれつく

嵐狼(ストームウルフ)の群れがいた。


「何をする気だ…そいつらで。」


「え?何もしないよ?可愛いからだしただけ。今から消すよー。」

ポンポンポンと嵐狼(ストームウルフ)を吸収していくフューゼ。



他国の奴がって事抜きにしても

嵐狼(ストームウルフ)を出せること自体おかしい。

なのに詠唱破棄、おまけに大量詠唱なんて

魔力がいくらいると思ってんだ。

あれ一匹出すのに

一等魔力持ちでも苦労するんだぞ…!

魔法が意思を持っているかのようにじゃれているのも聞いたことがねぇぞ……!


「ヴァンドラ様。その魔法で国ごと消すのではないのですか?」


「そんなつもりは無いって!可愛かっただろ?だからいっぱいだしてたらどうやら危ない魔法だったみたいでさぁ。」


「あの魔力量であればこの国を消せたかもしれませんよ。正直私も恥ずかしながら少し震えておりました。」


「え?そうなの?なら嵐狼(ストームウルフ)は封印かなぁ…。」


「えぇー?あのワンちゃん可愛かったのにー!」


「じゃ、じゃあ人がいないとこでたまにだすよ。」


「あ、シルフ一つ聞くけどここ、通っていいかな?もちろんさっきのは国に入ったら使わないよ!」



……どうする。

ここでこんな奴を国に入れてグリーディアは

大丈夫なのか?

だからといってここで断って嵐狼(ストームウルフ)

しかも群れでだされたらそれまでだ……。

どうすりゃいい……。


「入っていいんですか?ダメなんですか?早くして下さい」

厳しい口調のシルビア。


くっ……、こうなったら……。

「入ってもいい……ただ条件が1つある。」


「条件…?ふざけてますか?」


「まぁまぁ落ち着きなよシルビア。シルフ、話してくれ。」



「国の中で問題を起こさない…いや戦闘をしない事。それだけだ。それほどの魔力で暴れられては困るんだよ。」


「そんなことか!大丈夫!そんなつもりは毛頭ないから安心してくれ!」



「よしシルビア!アリス!許可がでたから行くぞー!」


歩き出す一行。

アリスとフューゼが門をくぐり遅れてシルビアが続く。

そしてシルフとのすれ違いざま


「…あなたはヴァンドラ様を命の恩人と崇めなさい」


「何だと?」


「ヴァンドラ様の命令さえなければあなたは私が細切れにしてあげていましたよ。というか今してあげようか?」


「……っ!」


「長生きしたければ相手の力量は解るようになりなさい。」



こうしてフューゼ達は

幻想都市グリーディアへと入国した。

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