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サキュバスの眷属になったと思ったら世界統一することになった。  作者: ちょび
第6章〜傭兵国家ギルドランド〜
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予期せぬ出会い

一方アリス、シルビアはヴェグル洞窟に探索に来ていた。


「始めシルビーがヴェグル洞窟にいきたーいなんて言い出した時はどうしようかと思ったよー」

ニコニコしながらシルビアに話しかけるアリス。


「そんなアホみたいな言い方してないわよ」

呆れた表情のシルビア。


「えぇー?まぁでも魔鉱石を集めに行きたいなんてシルビー真面目だねぇ」

シルビアの頬をつつくアリス。


「や、やめろ!アンタが言ってたショッピングよりも有益で安全だからよ!」

アリスの指を避けようとするシルビア。

健闘むなしくまたも頬をつつかれる。


「ショッピングより安全ー?ヴェグル洞窟がー?」

アリスの指を掴み頬から離すシルビア。


「そうよ!ギルドランドでは私達ヴァンドラは嫌われてる。どこぞのバカみたいにまた決闘を挑んでくるやつがいるかもしれない」

ガザガサと蠢き2人の様子を伺う影。


「どこぞのバカ…?あーホルホ君だっけ?大怪我してたけど生きてるのかなぁ?」


「さぁ?でも決闘挑まれたら大変でしょ?断れないし」

シルビアの背後から飛びかかる影。

その刹那にナイフで一閃し斬り伏せるシルビア。


幼体と思われるクルネヴァが悶えていた。


「…ここの魔物は至極単純に命を狙いに来るだけ。逃げることもできるしこちらの方が楽よ」


「おぉー!かっくぃー!」

拍手するアリス。

口元が緩むシルビア。


「リヴィアちゃんも来ればよかったのにねー」


「リヴィアが残りたいって言ったのよ。無理に連れていく必要は無いわ」


「そんなもんかなぁ…。そういえばシルビー、フュゼ様に気軽に喋ってって言われてるんだからいつもこんな感じで話せばいいのに」


「アンタは軽々しすぎ…。恐れ多くて私にはまだ無理。先祖代々ヴァンドラ様にはお仕えしてるわけだし先代までと違いすぎるわ…。」

ふぅとため息をつくシルビア。


「とりあえず今日はヴァンドラ様に休養するよう言われているから怪我だけはしないようにしなきゃいけないわ」


「そうだね、怒られちゃうかも」


「魔鉱石は最奥だし無理だと判断したら何も取れなくても帰るわよ」


「りょーかい!」

さらに歩みを進める2人。

突然ハッとするアリス。

小声でシルビアに声をかける。


「シルビー…待って、誰かいる」

「え?」

岩陰に身を潜め前方を確認する2人。

そこには男3人に囲まれ壁際に追い詰められている女が1人。


「何だかまずそうな雰囲気だね」

耳を澄ませる2人。


「オイ姉ちゃん!その大切そうに隠してるもんさっさと出せよ!」

ヘラヘラと笑いながらにじり寄る男。


「嫌…!来ないで!」


「それ以上逃げらんねぇぞ?兄貴が怒る前にさっさと渡しちまいな!怪我ですまねぇぞ?」

もう1人も女に近づいていく。


「洞窟の奥から大切そうにもって出てきたんだ。魔鉱石とみて間違いねぇ。よこしな!」

声を張り上げる男。


「嫌です…!それに魔鉱石なんかじゃ…!」


「面倒だ…こうすりゃはえぇ。」

一際大きな男が女の手を掴み壁に押し付ける。


「シルビー、あの女の子危ないよ」

「……もう少し様子を見る」



「痛い…!」

手からぼとりと落ちる何か。


「オイ、確認しろ。」

女を押さえつけたまま指示を出す大男。


「なんだぁこりゃあ?」

1人が確認するも要領を得ない様子。


「あ、兄貴!こりゃ魔鉱石じゃねぇ!」


「なに……?」

女を投げ捨て落ちたものを確認する大男。

倒れる女。


「こりゃあトリモドキじゃねえか…!」


「トリモドキ…?何ですそりゃ。」


「簡単に言やあ茸が全身に生えている鳥だ。醜悪な見た目で鳴き声も汚い。茸のせいで飛ぶのも下手。おまけに全身毒に侵されて食うことも出来ねぇゴミみてぇな生き物だ。鳥としての価値がねぇからトリモドキって名前なんだ」


「兄貴は博識だなぁ…。よくみりゃ確かに顔も潰れて気持ちわりぃな。」

ギュゥゥゥと弱々しく鳴くトリモドキ。


「気色悪ぃなぁ……!なんでこんなもん大切そうにもってやがったんだ!!」

ガン!と壁を蹴りつける大男。


「その子は大切な家族なの…!手を出さないで!」

トリモドキに駆け寄る女。


「シルビー、トリモドキって知ってる?」

「トリモドキ…家族……」

アリスの問いには返事をせず考え込むシルビア。


「…オイ、おめぇらこの女抑えろ。」


「よしきた兄貴!」


「嫌!!やめて!!!」

抵抗するも男2人に抑え込まれる女。


「こんな価値もねぇゴミは俺が片付けてやるよ。」

にやりとしたあと腰にさげていた手斧を持つ大男。


「何しようとしてるの!!やめて!!!」


「俺ぁ価値のねぇ物が嫌いなんだ…!」

手斧を振り上げる大男。


「シルビ…!あれ?」

アリスがシルビアに声をかけようとするとそこにシルビアの姿は無かった。


視線を元に戻すと男たちに向け駆けるシルビア。

「シルビー!」


ガギィン!

回転しながら斬りかかり手斧を弾くシルビア。

「んなっ!?」

勢いそのまま回転し大男の腕を連続で斬りつけるシルビア。


「ぐぉぉ!?」

ガシャアンと音を立て地に落ちる手斧。


「兄貴!!」


「なんだぁ!?てめぇ…!!」

斬られた手を庇いながら声を荒らげる大男。


「下衆に名乗る名はない」

ギロリと睨みつけるシルビア。


「シルビー大丈夫かな…」

心配そうに見つめるアリス。


「ふざけやがって…おめぇら!!」

大男の号令で武器を構える男達。


「命の価値を貴様が決めるな。彼女にとってそのトリモドキは大切な存在であることがわからないのか」


「こんなゴミが大切だと!?笑わせるな!このイカレ女を殺せ!」

大男が声を張ると男達が武器をかかげシルビアに襲いかかってきた。



「そこの女…良い事を言うな。」



別の声が聞こえたと思うと大男と2人の男は斬られ地に伏していた。

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