杞憂
「クイーンハート、ありがとうございました。」
礼をするランスロット。
「気にするな。」
「ヴァンドラ様…帰還する前に追加で質問よろしいでしょうか。」
「なんだ?」
「ギルドランドにいらっしゃった理由を聞いてもよろしいでしょうか?」
「…ギルドランド王に少し話がしたくてな。」
「頭領に…?宣戦布告ですか?」
「それ案内してくれた奴にも言われたよ。」
笑うフューゼ。
「宣戦布告ではない。そこまでは伝えておく。」
「…わかりました。」
「まぁ武闘大会で優勝してお願いしてみろってことで参加することになったからよろしくな。」
手を出すフューゼ。
「そうでしたか。健闘をお祈り致します。」
そう言うと剣を抜くランスロット。
「なっ!?」
身構えるフューゼ。
「これは失礼致しました。剣を抜きましたがこれはギルドランドでの激励になります。」
言い終わると剣を高く掲げるランスロット。
「彼の者に敵を討ち滅ぼす力を。正しきを見誤らぬ眼を。猛る戦神の加護あれ。」
そう言い終わると剣を下ろすランスロット。
そのまま鞘に収める。
「勘違いしてすまない。ありがとう。」
「こちらも説明せずに申し訳ございませんでした。では失礼致します。」
船を降りるランスロット。
「…最後まで敵対することは無かったな。」
「え?」
きょとんとするホープ。
「モナが反応してたんだ。だから警戒してたんだが…。敢えて長めに相手したが襲ってきたりは無かったな…。」
「だから最初あんなに警戒してたっスね!」
「そういう事だ。まぁ今回は杞憂だったようだが。」
「俺達もホープにクイーンハート届けに来るのが本来の目的だったし戻るかな。」
船を降りようとするフューゼ。
モナがホープの元へ走りよる。
「どうしたっスか?」
「ホープ、がるる達みてくれてありがとう 」
そう言うとホープを撫でるモナ。
「わわわっ!どうしたっスか!?」
動揺するホープ。
「褒められるとき…フューゼにこれされたらもっと嬉しいから…」
「あ、ありがとっス!照れるんでもう大丈夫っス!」
「まだ…何日かあるけどよろしくね…」
「任せてほしいっス!」
ホープから離れるモナ。
フューゼに走りよる。
「ホープ、船を頼んだ。」
「再度任せれたっス!」
こうして船をあとにしフューゼとモナは月光牡丹へと歩を進めだした。




