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サキュバスの眷属になったと思ったら世界統一することになった。  作者: ちょび
第6章〜傭兵国家ギルドランド〜
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地獄箱

「ほれ、魔素水じゃ」

モナに小瓶を渡すリヴィア。


「……ありがとう」

小瓶を受け取り口に魔素水を運ぶモナ。


「2人とも無茶しすぎだぞ…。」

ポンと頭を撫でるフューゼ。


「ヴァンドラ様!!」

そこに息を切らせ走ってきたシルビア。


「おぉ、シルビアお帰り。」


「ただいま戻りました…!それより何か大きな音が…!」

洞窟に空いた大きな穴を見つけたシルビア。


「こ、これは何があったのですか?」


「リヴィアとモナで戦闘訓練をしていてな。その際に出来たものだ。」


「戦闘訓練にしてはいささか派手な気がしますが…」


「あぁ、殺す気でこいとちびモナには言っておいたからな。炎の壁に四方八方から迫られた時は驚いたぞ」

笑うリヴィア。


「四方八方から炎の壁…?モナ貴方…」


地獄箱(ヘルズルボックス)……使った」

俯き答えるモナ。


「戦闘訓練で使うような魔法じゃないですよ…!?」


「………ごめんなさい」


「こら小娘、ちびモナを責めるな。私様が殺す気で来いと焚き付けたのじゃ」


「だからといって…」


「もー!シルビー待ってよー!」

小走りでアリスが走ってくる。


「アリスもお帰り。大丈夫だったか?」


「フュゼ様ありがとうー!大丈夫だよ!命玉もちゃんと回収したよー!」

にかっと笑うアリス。


「シルビーどうしたの?そんな顔して」


「…モナとリヴィアが戦闘訓練を行ったらしいけど…モナが地獄箱(ヘルズルボックス)を使ったらしいのよ…」


「ありゃま!リヴィアちゃんは大丈夫なの?」

リヴィアを探すアリス。


「私様なら大丈夫じゃ」


「元気そうだね!…モナちゃーん!」

モナに駆け寄るアリス。


「モナちゃん、戦闘訓練お疲れ様!どうだった?」


「ありがとう………リヴィア…つよかった」


「リヴィアちゃんは海神竜だからね〜。そりゃ強いよ」

ふふふっと笑うアリス。


「モナちゃん地獄箱(ヘルズルボックス)使ったって本当?」


「……うん」


「あれ結構危ない魔法だってわかってた?」


「…………うん」


「そっかそっか、じゃあどうして使ったのかな?」


「…モナの攻撃……どれも通じなかった…。リヴィアが殺す気で来い……って言ってたから…」


「そうなんだねぇ。リヴィアちゃんが死んじゃうかもってわかってた?」


「……わかってた…けど……」

涙を浮かべるモナ。


「わかってたんだね!ならいいんじゃない?」

笑いながら言うアリス。


「アリス貴方何を言ってるの!?」

慌てるシルビア。


「だって何をしたかわかってたんだし、実際にはリヴィアちゃん生きてるし問題ないでしょ?」


「でももしリヴィアに何かあったら…!」


「それも承知の上で使ったってことでしょ?モナちゃん」


「……」

無言で涙を堪えるモナ。


「あっ、ごめんね?意地悪言ってるわけじゃなくてリヴィアちゃんが死ぬかもしれない魔法だってわかってたんでしょ?」


こくりと頷くモナ。


「リヴィアちゃんもモナちゃんに殺す気でこいって言ってたんだよね?」

リヴィアを見つめるアリス。


「あぁ。そうじゃ」


「なら私達がそこまでとやかく言わないでいいんじゃないかな?」


「…死んだら取り返しがつかないのよ?」


「もちろんそれはそうなんだけど…フュゼ様も見てたんだし…。」

ちらりとフューゼを見るアリス。


「そうじゃな。その地獄箱(ヘルズルボックス)とやらもヴァンドラが危険だと教えてくれたぞ?だから私様はそれ相応の対処ができたのじゃ」


「シルビア、ちょっといいか?」

シルビアに声をかけるフューゼ。


「はい…」


「シルビアの言う事はもっともだと思うし、地獄箱(ヘルズルボックス)は危険だ。だけど今回リヴィアは無事だった。次回以降戦闘訓練での地獄箱(ヘルズルボックス)は禁止、これでどうだ?」


「そうですね…」


「それに…途中で止めなかった俺に全責任がある。悪かった。」

頭を下げるフューゼ。


「…!?お、おやめ下さいヴァンドラ様!!わかりました!次回以降禁止!それで大丈夫です!」


頭をあげるフューゼ。

「ありがとうシルビア。モナもいいな?」


「うん…ごめんなさい」


「リヴィアも何か考えがあったんだろうが煽りすぎだぞ。」


「なんじゃ…モナの実力を発揮させようとしたまでじゃ」


「それは嬉しいんだが戦闘訓練なんだ。程々にな。」


「時間もない。程々じゃ間に合わんじゃろ」


「確かにそう言われればそうなんだが…。」


「まぁいい。先程の技は禁止、モナが理解したようじゃから問題なかろう」


「…そうだな。」


「リヴィア貴方…!」

リヴィアに詰め寄ろうとするシルビア。

「そう言えば!私様に何かがあればどうこう言っておったが…」

シルビアにニヤリと振り向くリヴィア。


「小娘、私様の心配をしておったのか?」


「んなっ……!」

みるみるうちに赤くなるシルビア。


「ククッ!私様も心配されるようじゃまだまだじゃなぁ?」


「ぐっ…!心配など…!!」


「小娘は何に関しても正直になるべきじゃなぁ?」

スタスタとシルビアに近づくリヴィア。


「何を…!」


「ネモーネ!」

リヴィアが水の触手を展開し、シルビアに絡ませる。


「ひぅぅ…!?///」


「くくくっ!あはは!いい姿じゃ!」

さらに触手を絡ませるリヴィア。


「何やってるんだあの2人は…。」


「シルビーあれ多分好きだから大丈夫だよフュゼ様」

ニコリとするアリス。


「えっ!?」


「さぁモナちゃんも元気だして!!ご飯でも食べようよ!」

そう言ってバッグを漁り出すアリス。


何はともあれ、リヴィアとモナの戦闘訓練はリヴィアの圧倒的力の差で幕を閉じた。

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