中層での訓練
フューゼ達は奥へと歩を進めていき、遂に開けた場所へと到達した。
「よし、ここならいいだろう。」
「そうじゃな。…にしても道中ちびモナ1人で片付けてしまったからな。ちびモナ、疲れてないか?」
「大丈夫だよ…。クルネヴァ達、今日弱かった」
「確かにあやつらボロボロで息絶えだえの個体ばかりじゃったな。今日も一波乱ありそうじゃ」
ニヤリと笑うリヴィア。
「そうだな…。警戒してて損は無い。各自何かあればすぐ教えてくれ。」
「わかった…」
「じゃあ早速特訓だ!」
「ヴァンドラ、特訓は何をする気じゃ?ここらのクルネヴァやスグロナックを狩る気か?」
「あぁ、そうだ。」
「そうか。といっても手負いのクルネヴァや同等のスグロナックばかりでは経験として役に立たんじゃろ」
「…確かに今のモナには足りないかもな。」
「ちびモナに足りないということは私様達も到底足りない。スキルや魔法の練度を高めるためにそんなもの多く狩るのはヴァンドラの嫌いなただの殺戮じゃないのか?」
「確かにそうだな…。俺達は死体を重ねに来たわけじゃないからな…。」
顎に手を当て考えるフューゼ。
「そこでじゃ!」
2人の前に歩みくるりと回るリヴィア。
「私様が相手になってやろう。手合わせといこうじゃないか」
「なに?リヴィアと?」
「そうじゃ。強い魔物を求めて深層にいくより手っ取り早いじゃろ!」
「でも…リヴィアに本気は出せないよ」
「安心せいちびモナ。お前の攻撃じゃ私様は死なん」
挑発的な表情のリヴィア
「むっ…」
不満げな表情を浮かべるモナ
「悔しいか?ならその気持ちをぶつけてこい」
「……本当に本気でいいの?」
「殺す気でこい、ちびモナ」
人差し指をクイクイっと動かすリヴィア。
「……リヴィア、大好きだけど…」
「大好きなのは嬉しいがそれなら私様の厚意を受け入れろ」
「わかった…ころさないけど…本気で行く」
「余計な事考えるな。殺す気で構わん。どうせ殺せやしない」
ニヤリとするリヴィア。
……リヴィアは随分モナを煽るな…。
「わかった…。ころさないけど……ころす…!」
ボゥ!と音を立て地獄鞭を握るモナ。
「そうじゃ。こい、ただし力に踊らされてくれるなよ?ちびモナ」
「まずはリヴィアとモナで特訓だ。何かあれば俺が止める。いいな?」
「あぁ、構わん」
「うん…!」
「よし、なら始め!」




