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サキュバスの眷属になったと思ったら世界統一することになった。  作者: ちょび
第6章〜傭兵国家ギルドランド〜
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ガルルグル邂逅

「さっきの魔物といい何かあったんスか?」


「あぁ。ホープ、ガルルグルって知ってるか?」


「ガルルグル…!?凶暴な魔物ってことなら知ってるッスけど…。」


「そいつについて話しがあるんだが…。」

事情を説明するフューゼ。



「…つまりさっきまで下にいたあの魔物がガルルグルで、本来はヴェグル洞窟ってとこにしかいないはずが何故か付いてきてしまった…。ギルドランドの住民はガルルグルを敵としてみなすから国内にいれられない…。そういうことッスか?」

顎に手を当て思慮するホープ。


「だいたいそんな感じだな。」


「事情はわかったッスけどそのガルルグルはどこいったんスか?」


「ここだよ…」

地獄拷牢(ヘルズルトーズン)を持ったモナがホープの後ろから話しかける。


「おわぁっ!!びっくりするじゃないッスか!…ってこれは何ッスか?」

まじまじと地獄拷牢(ヘルズルトーズン)を見つめるホープ。


地獄拷牢(ヘルズルトーズン)だよ…」


地獄拷牢(ヘルズルトーズン)?」


魔法道具(マジックアイテム)だよー!その中にガルルグル達がはいってるんだよー!」

ぴょんとモナの横に現れ説明するアリス。


「こんな小さな箱にあの量の魔物が入ってるッスか!?いやーすごい魔法道具(マジックアイテム)ッスね!」


「モナちゃん、さっき簡単に使い方教えたけどガルルグル達呼べそう?」


「やってみる…」

地獄拷牢(ヘルズルトーズン)を掲げるモナ。


「おいで…!がるる!」

ガルァッ!

その瞬間1匹のガルルグルが飛び出す。


「おぉ!!すご…ってあっつ!熱いッスよ!!」

目の前をガルルグルが通過したホープが慌てる。


「ん?ホープは熱いのか?」


「あ、当たり前ッスよ!熱いッスよ!」


「みんな大丈夫そうだからホープも大丈夫かと思ってたよ。」


「え?姐さん達大丈夫なんスか?」

シルビアとアリスをみるホープ。


「私達は問題無いです」

アリスに視線をうつしたシルビアが答える。


「モナも大丈夫だよ」


「ま、マジッスか?リヴィアの姐さんは…?」


「私様が魔物畜生如きの炎に焼かれると思うか?」


「お、思わないッス。じゃあオイラだけ熱いんスね…。」


「…ホープ、預かっておいてもらえるか?」


「正直ちょっと自信ないッス…。」

肩を落とすホープ。


「大丈夫だよ…」

ホープに声をかけるモナ。

そしてガルルグルへ歩み寄る。


「がるる、ホープは仲間。もやしちゃだめだよ」

ガルルグルを真っ直ぐ見つめながら話しかけるモナ。


ガルルグルはそれに答えるようにガウッと吠えると身体の炎が弱まった。


「おぉっ!?すごいッス!」

ガルルグルに近寄るホープ。


「…これなら大丈夫ッスよ!ありがとうッス!モナ!ガルルグル!」


「どういたしまして…。えらいよがるる」

ガルルグルを撫でるモナ。



…ガルルグルって賢いな…。

伝えたいことすぐ理解してるのか?

「なぁシルビア、ガルルグルすごい懐いてるしモナの言ってることすぐ理解するけど賢いのか?」


「懐くこと自体は前例が無いのでお答え出来ませんがガルルグルは群れで生活する魔物なので多少は賢いと思われますがここまでとは…」


「シルビアにとっても予想外って事か。」


「申し訳ございません…」

しょんぼりするシルビア。


「いやいや!気にしないで大丈夫だ。」

シルビアの頭をポンと撫でるフューゼ。

顔を赤らめるシルビア。


「ホープ、俺らが帰ってくるまで管理出来そうか?」


「任せて下さいッス!その地獄拷牢(ヘルズルトーズン)からガルルグルだしておくなら船内の使ってない牢屋があったと思うんスけどそこでいいッスか?」


「シルビアが見つけたところだったな。使っていいぞ。」


「了解ッス!後はエサは何になるんスか?」


「それならこれだよー!」

アリスがバッグから黄色い物体を取り出す。


「な、なんなんスかこれ…。」


「ギルドスライムだよ!」


「ギルドスライム!あの珍味の!」

そういうと少しつまむホープ。


「少しだけ食べてみてもいいッスか?」


あ、ホープギルドスライム食べる気だな?

「ホープ、それ新鮮だし食べてもいいけど狩りたてだぞ。洗わなくていいのか?」

リヴィアに目配せするフューゼ。


「……!そうじゃぞホープ。私様が洗ってやろうか?」


「いいんスか?優しいッスね!」


「ふふふ…気にするな」

にやけながら水魔法でギルドスライムの欠片を洗うリヴィア。


「ありがとうッス!じゃあいただくッス!」

ひょいと口に投げ込むホープ。

その瞬間に吐き出す。


「ぶほぉあ!!にが…いや酸っぱ…!?何より生臭すぎるッスよ…!!」

その様子を見て爆笑するフューゼとリヴィア。


「ギルドスライムはな、水につけたらめちゃくちゃ不味くなるんだよ。」


「な、なんでじゃあ洗ったんスか!」


「くくくっ!ヴァンドラもそれを喰らったからな。お前にも味わわせたかったんじゃろ」

満足そうなリヴィア。


「ひどいッスよー!!」


「悪かったな。帰ってくる時に土産でも持ってくるから許してくれ!乾燥させたらギルドスライムも食べていいぞ!」


それを聞き口元が緩むホープ。

「…しょうがないッスね!許すッス!」



「よし、じゃあガルルグルは任せたぞホープ。」


「あいあいさー!任されたッスよー!」

こうしてフューゼはガルルグルと地獄拷牢(ヘルズルトーズン)をホープに預け、海流船を後にした。

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