疲労と出口
「…あれ以降襲われてないな。」
「まぁガルルグルを3匹も従えていれば同族とその餌は襲ってこんじゃろ」
「ガルルグルとギルドスライムしか見かけてないな。もうクルネヴァとか他の生物はいないのか?」
「いやクルネヴァは私様達が大多数を殺ったから恐れて隠れたのじゃろう。あとヴェグルの強き者どもでイードルスから逃れた個体がいたとしても暫くは身を隠すじゃろう」
「そうか……。」
イードルス…只の商人じゃない。今の所は敵対してないが……。
「フューゼ、リヴィア……。出口見えたよ…」
モナが指さす方からは光が漏れていた。
「おぉ、本当だ。後は2人を待つだけだな。」
「クルネヴァも居らんし仮にギルドスライムやガルルグルに襲われても小娘らなら大丈夫じゃろ。」
「そうだな。とりあえず出口まで行ってそこで待つか。」
「……私様は疲れた。肩車」
「……わかったよ。」
肩車本当に気に入ったんだな……。
リヴィアを肩車するフューゼ。
「……私様は疲れた。だから少し寝かせろ」
頭にぎゅうとしがみつくリヴィア。
「え?そこで寝るのか?」
「あぁ、不服か?」
「いや、不服ではないけど……。」
「じゃあ寝かせろ。……眠いんじゃ今は」
またもぎゅうとしがみつくリヴィア。
ヴェグルではかなり助けてくれたからな。魔力をかなり使ったのかもな……。
「ありがとな、リヴィア。」
しかし返事はない。
「……リヴィア?」
「フューゼ…」
フューゼの服を引っ張るモナ。
「どうした?モナ。」
「リヴィア…もう寝てる」
「マジか!早いな!」
「あんまり動くとおきちゃうよ」
「……そうだな。よし、モナ出口で俺らも休憩しよう」
「うん、ありがとうフューゼ」
こうして眠ったリヴィアのよだれでべちゃべちゃになりながらもフューゼはモナと出口にたどり着いた。




