ヴァンドラ流、炎剣焔剣
「エクシス・ヴォーア!!」
リヴィアが水球を殴る度に水の弾丸がクルネヴァを襲う。
グルルルァ!!
エクシス・ヴォーアと共に駆けるガルルグル。
ギチチチャチャ!!
不快な音を撒き散らしガルルグルを狙うクルネヴァ。
「さがって!がるる!」
グォン!
モナの指示に従い身を翻すガルルグル。
「一気に決める……!地獄鞭!」
ガルルグルの後ろから地獄鞭を構え飛び込むモナ。
「……下がれ!!モナ!!」
「……っ!?」
リヴィアの声が響き、それに反応したモナが後ろに飛び退く。
その瞬間だった。
ギシャシャシャシャシャ!!
まるで刃物がすれ違うかのような音が
けたたましく響き渡る。
「……っ!!」
青ざめるモナ。
「何だあれ!?」
「クルネヴァの鋭利な前脚じゃな。それを各個体で振り回すことによって刃物の壁のようなものを作っておる……」
「なるほどな……。俺に任せろ……!」
魔力を込め炎の剣を輝かせるフューゼ。
「炎剣壱の型、 “ 焔剣”!」
フューゼが一閃すると多数の前脚が焼き切れ、
周囲に異臭が漂った。
ギシャァァアア!!
苦しむクルネヴァ。
「よし、やったな。」
「ヴァンドラよ……」
「ん?どうしたリヴィア。上手くいったろ?」
「なんじゃ今のは……?」
「俺が手を出すのはまずかったか……?」
「いや、そうではない。今の技じゃ」
「あぁ、オリジナルの技だよ。強いだろ?」
「なんじゃ!炎剣壱の型、焔剣って!炎剣で焔剣だと!?ほぼ一緒ではないか!」
「お、おう。ダメか?」
「ダメとか以前に意味がわからんわ!それに壱の型ってなんじゃ!他の型もあるのか!?」
「い、いや無いけど……。」
「じゃあなんで壱の型なんじゃ!それに単なる横薙ぎだったではないか!」
「ま、まぁ基本的な攻撃っていうか……かっこよくない?壱の型〜みたいなの……。」
「……」
黙り込むリヴィア。
ギシャシャシャァァアア!!
クルネヴァの壁から1匹が飛び出した。
「あぶない……!!フューゼ…!リヴィア…!」
ゴォッ!
クルネヴァが近づいた瞬間一瞬で焼き切られる。
「……今のは何じゃ?」
「……焔剣、改かな。」
「くくっ!流石私様の惚れた男じゃ。名付けセンスが冴えているのぅ?」
小馬鹿にしたような表情のリヴィア。
「わ、悪かったな。」
「いや面白い。その技はこの世界においてもうその名じゃ。思い切り叫び続けるがいい」
「片手間で……クルネヴァを……やっぱりすごい…けど……」
モナは唇をかみしめ、ぎゅうと地獄鞭を握りこんだ。




