クルネヴァの壁
フューゼ達は入口に向け歩いていた。
ガルルグル達も薬が効いたのかモナの周りで
尻尾を振りながらついてきていた。
「まだ鳴命石の効果が切れてそんなに経ってないから何もいないな。」
「ヴァンドラ。油断しておらぬか?まだここはヴェグルの中層じゃ。せめて出口が見えるまでは油断するな」
「あ、あぁ。悪い。」
「まぁ常識無しで頼りないが私様が連れ添ってやるから安心しろ」
そう言って足を振るリヴィア。
「そ、その話しは今はいいだろ?」
「くくっ、青いな、ヴァンド…」
「どうした?リヴィ」
「エクシス!」
「ぐごぼぉ!?」
突然展開されたエクシスに顔を突っ込んでしまったヴァンドラ。
すぐに後ろにひく。
ヴァンドラの肩からリヴィアが飛び、
水球を殴りつけた。
「エクシス・クーゲ!」
「いきなりどうしたんだ!?」
形を変えた水球は正面に飛んでいき突然弾けた。
キシャアアアア!!
聞き覚えのある咆哮が響く。
「クルネヴァか!?」
「……危なかったな。正面をよくみてみるといい」
「ひっ……!」
モナが小さく悲鳴をあげる。
「……マジかよ。」
目をこらすと僅か5メートル程先の壁は蠢いており
さらに目をこらすとそれはクルネヴァの群れであった。
「彼奴等群れでの狩りも覚えたらしいな。気付かなければ纏めて喰われていたぞ」
リヴィアの放ったエクシス・クーゲによって穴が
空いた部分も別のクルネヴァによりすぐ埋められた。
「通す気は無いらしい。全滅させるか逃げ出すまで徹底的に痛めつけるか喰われるか……。さぁどうする?」
にやりと笑うリヴィア。
「モナ……食べられる気は無いよ……。地獄鞭!」
地獄鞭を手に持つモナ。
「ここまでの早さでこの量のクルネヴァが来るとは予想外だったが……。」
「仲間を傷つけさせはしない。守ってみせる!!」
フューゼも手に魔力を込め、炎の剣を手に取った。




