ヴェグルの前触れ
「あいつら2人で大丈夫なんだろうか。」
「なんじゃ?心配か?」
「魔鉱石を取るのは2人でも出来るのか?」
「アリスは魔鉱石に詳しく、小娘は万能じゃ。問題ないじゃろう」
「それならいいが……。」
「そんなことよりヴァンドラ、肩車するのじゃ」
両手を伸ばすリヴィア。
「あ……あぁ。」
リヴィアを抱き抱えて肩車するヴァンドラ。
「……モナ、調子はどうじゃ?戦えるか?」
「え?うん…。大丈夫だよ…」
「いきなりどうしたんだ?リヴィア。」
「ヴァンドラ、小娘らよりも私様達の方が大変だぞ」
「何?」
「道中ほぼ生き物もおらず、ここのいつもの様子を知らんお前達なら想像出来なくて無理もないが大量の生き物がこの洞窟には生息していた」
「それは聞いたが……。それが危険だってことか?」
「お前達の想像を超えていると思うぞ。さらに住処から追い出され気が立っている事は想像できる」
……そんなに多いのか?それで怒っていたら確かに危険だな。
「モナには悪いが1人では無理じゃ。私様とヴァンドラも力を振るわねばならん」
「……わかったよリヴィア。俺が必ず皆を守る。」
「……わかればいい。後は小娘らが帰ってくるまで待つだけじゃ」
「がるる!」
待機していたガルルグルに抱きつくモナ。
「さぁ、ガルルグルよ。モナを守りたければ着いてきて共に戦え」
リヴィアがそう言うと真意を理解したのか
ガルルグルは大きくひと吠えした。
「さぁいくぞヴァンドラ達よ。原生生物の大掃除じゃ」
「大掃除って……。そんなに倒していいものなのか?」
「奴らの繁殖力を舐めるな。それに完全に消し去るのは無理じゃ」
「そこまで言うか……。」
「気を引き締めろ。生きて帰りたいならな」




