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サキュバスの眷属になったと思ったら世界統一することになった。  作者: ちょび
第6章〜傭兵国家ギルドランド〜
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スクラダスの商人

フューゼ達が奥に進んでいくと鍋が1つ置いてあった。


「これか……?鳴命石(クライクライク)を作っていた鍋は?」

普通の鍋だな……。大きさも普通だ……。


「……流石に小さすぎる。クルネヴァを生かしたままこんな鍋に入れられるほど小さくできるか?ガルルグルでも無理じゃ」


「まぁそうだよな……。」

切った一部を入れるだけならまだしも

生きたままってなると無理だよな……。


その時だった。

「おやおや?もう気づかれてしまいましたか……。」

声に振り返ると仮面を着けた身長の高い男が立っていた。


「いつの間に……!!貴様、何者だ!」

ナイフを抜くシルビア。


「私はイードルス。スクラダスの商人ですよ。」


「スクラダス……?」


「おっと失礼、旧スクラダス領ですね。」


「どういうことだ……?」

ちらりとシルビアを見るフューゼ。


「今は詳細な説明は省きますがスクラダスという国はボルシエオン帝国の近くにあったのですが帝国が各国に宣戦布告した段階で自ら降伏し属国となった国です」


「なるほどな。イードルス…こんな所で何をしてるんだ?」


「魔鉱石を採取しています。ここには純度の高い魔鉱石が多いので。」

両手を広げるイードルス。


「では、私からも質問ですが貴方達は私を排除しに来たのですか?」


「排除…?」


「えぇ。ここの洞窟はギルドランドの方々にとっては神聖な所だと理解しております。」


「いや、俺達はギルドランドの奴らじゃないぞ。ここには特訓に来ていただけだ。」


「そうでしたか!いやはや、勘違いして申し訳ございませんでした。」

明るい口調で話すイードルス。


鳴命石(クライクライク)を作ったのはお前か?」


「えぇ。鳴命石(クライクライク)をご存知だとは博識ですね。」


「……クルネヴァやガルルグル、その他の生物も鳴命石(クライクライク)にしたのか?」


「はい。ここの洞窟は生き物の種類が多く大変でしたので生息数の多いものは鳴命石(クライクライク)に致しました。」


「……なに?生息数の多いもの?」


「少ないものにまで手間をかけてはいられませんので誠に申し訳ない事ですが絶滅させました。」


「なんじゃと……!?絶滅……!?」

驚きを隠せないリヴィア。


「えぇ。個体数が少ないものは強いものばかりで大変骨が折れる作業でした。」


「ラティルゴラゴも倒したというのか?1人で」


「はい。私の知る限りでは3体生息していると調べていたので探し出しました。」


「ラティルゴラゴ……?」


「おや、貴方はご存知では無いのですね。ラティルゴラゴとは、この洞窟の深部に生息する外皮が岩等で包まれた珍しい生物です。口を開けば直径2メートルはある岩を吐きつけてくるんですよ!」


「シルビア、ラティルゴラゴは強いのか?」


「……ラティルゴラゴは所謂ここの主。1人で3体も倒す事自体が異常です」


「主だと……!?」


「お褒め頂き光栄です。後は先程から気になっているのですが貴方達は全員名持ち(ネイヴァー)なのですか?」


「…あぁ、そうだな。」


「素晴らしいですね!」

両手を広げるイードルス。


「是非とも貴方の御名前をお伺いしたい。」

フューゼに片手を伸ばすイードルス。


「ヴァンドラ・フューゼだ。」


「ヴァンドラ……そう仰いましたか?失礼ですが夜王様でしょうか?」


「そうなるな。」


「おぉ、お会いできて光栄です夜王ヴァンドラ様。」

差し出していた手を胸に当て深く礼をするイードルス。


「私は目的をほぼ達成致しましたのですぐに立ち去ります。後は夜王様の御自由にお使い下さい。」


「何だと?」


「もちろんお手間はかけません。鳴命石(クライクライク)は私が責任を持って処分致します。もし、夜王様が奥の魔鉱石に少しでも興味があるのならば早めに確認して頂く事を進言致します。」

体制を戻すイードルス。


「では、今後何かご入用があれば是非とも私に何なりと申し付け下さいませ。珍しい物も多数取り扱っておりますゆえ。」


「待て、イードルス。話はまだ…」

「遮るようで申し訳ございませんが少し今は都合が悪いので失礼致します。」

そう言い終わると同時にパァン!と

何かが弾けるような音が響き、イードルスは

フューゼ達の前から消えた。


「消えた……!?」


鳴命石(クライクライク)を小さな容量で作ったりすぐに消え去ったのは魔法かスキルか……まだわからんな」


「何だったんだあいつは……。」


「わからんが間違いなく手練。それもかなりのな」


「そうだな……。」

まさかこんな所であんな奴に会うなんてな……。

敵対しなかったものの危険だったな……。


「ヴァンドラ様……どうされますか?あの者の話を鵜呑みにするならば鳴命石(クライクライク)を回収した場合洞窟外の生物は徐々にここへと戻ってくる事になります。」


「そうだな……、クルネヴァが何体も来ても厄介だ。ここまで来たから魔鉱石を確認だけして戻ろう。」


「であれば、私とアリスにお任せ下さい。奥にある魔鉱石を確認し、有用なものは回収して参ります。」


「大丈夫なのか?」


「道中やイードルスの話等から考えるに現在は奥も危険は少ないかと思われます。迅速に確認、回収の出来る少人数で行う事が適切かと」


「アリスはそれで大丈夫なのか?」


「魔鉱石には自信があるよ!任せて!」


「わかった。信じよう。ならシルビア、アリスは魔鉱石の確認回収を頼む。危険だと判断した場合や時間がかかりそうな場合は速やかに帰還してくれ。」


「かしこまりました。」

「うん!わかったよ!」


「俺とリヴィア、モナはここから洞窟外へ進み始める。入口付近で待っているからそこで合流しよう。」

こうしてフューゼ達は2手に別れ移動を始めた。

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