奥へ奥へ
フューゼ一行は歩き続けていた。
「何もいないな……。」
しかし、クルネヴァ以降何も遭遇していなかった。
「本当に妙じゃな。ここまで生物がおらんのか」
「みんな引っ越しちゃったのかな?」
「流石にそれは無いじゃろう……」
「何があったのか…気になりますね」
「そんなに今の状態はひどいのか?」
「ひどいってレベルじゃないな。本来洞窟から出ない奴等は外にいて中にはクルネヴァ1匹のみ。けっこうな深さでこれだぞ?」
……元がわからないがかなりひどいみたいだな。
何かが棲みついたのか……。
それとも人為的なものか…。
「奥に何か原因があるのかも知れないな。警戒を怠るな、みんな。」
警戒しつつ歩き続ける一行。
しかし、奥に進むにつれ
ガルルグルの様子がおかしくなっていく。
「がるる…?どうしたの?」
ぐるるぅ……。
小さく低く鳴きながらたじろぐガルルグル。
「どうした?モナ。」
「がるるがなんだかおかしい……」
「ん……?本当だ。どうしたんだ?」
「洞窟の異変と関係あるのかもしれんな。奥に進みたくないみたいじゃ」
「……どうする?ここまできたら進むべきだと思うが…。」
「進もう。がるるたちはここで待ってくれる……。ね?がるる」
モナがガルルグルを撫でる。
ガルルグルもそれに応える。
「奥で原因を探ろう、フューゼ」




