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サキュバスの眷属になったと思ったら世界統一することになった。  作者: ちょび
第6章〜傭兵国家ギルドランド〜
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覚醒

すぐに体制を立て直すモナ。


「愚かなる者を遮断せよ!地獄炎壁(ヘルズルウォール)!」

モナが詠唱しながらクルネヴァに右手を向ける。


クルネヴァの節目の部分に直接地獄炎壁(ヘルズルウォール)

当てるモナ。


ギシャァァァ!!

クルネヴァも堪らず後退する。


「胴体……切れなかった……」


クルネヴァがすぐに両前脚を掲げ威嚇する。

そして飛びかかり前脚で突き刺そうとした。


早いけど……単調な軌道……!!

「ここっ…!!」

地獄鞭(ヘルズルウィップ)を振るモナ。


パァン!ジュバアァ!

クルネヴァの右前脚は爆ぜ落ち

欠けた脚から緑色の液体が滴る。


怯み少し後退したクルネヴァだったが

すぐに残った前脚でモナに襲いかかる。


「見える……!!」

モナが地獄鞭(ヘルズルウィップ)でまたも

迎撃し遂に左前脚も爆ぜ落ちた。


キチチチチチ……!!


しかし怯むことなく牙で襲いかかるクルネヴァ。


「……っ!」

間一髪。

ギリギリで躱すモナ。

ガチン!と牙同士が当たる音がはっきり聞こえる。


「危ない……!」

その時だった。

牙を躱したモナに糸が飛んでくる。


「あっ……!」

糸に捕まり倒れ込むモナ。

その身体にも糸を吹きかけられる。


「くぅ……っ!」

動けない……!!どうしよう……!


ギチチチチチチ……!

ゆっくりと近付き牙を向けるクルネヴァ。



動けない……!!食べられる……!!

……怖い…!怖い……!!





「ぁええぇ……!!」

顔を横に向け内臓を吐き出すモナ。


「な……!!どうしたんじゃ!?モナ!!」

クルネヴァの能力にあんなものは無かったはず!

いきなり臓物を撒き散らす……!?

揮発性の高い毒でも牙から出るようになったのか!?

私様の知らない間に

クルネヴァは進化していたのか……!?

これではもう……。


顔を歪ませ拳を握り込むリヴィア。


クルネヴァは突然の出来事に少し身を引いたが

モナの吐き出したものが内臓だと気付くと

にじりよってきた。


そして齧りつこうとする。


ガルルルルルルルァァ!!


その時洞窟に咆哮がこだました。


「何だ!?」

フューゼが鳴き声の方へ振り向くと

3匹のガルルグルが風の様に駆け抜けた。


グルルァ!!

1匹が勢いのままクルネヴァに体当たりを仕掛ける。


ギシャァァ!

突然の襲撃に反応できず

1mほど飛ばされるクルネヴァ。


2匹のガルルグルがモナの糸を噛み切ろうとする。


「がるる……!危ないよ……!」



ギシャァァァ!!

短くなった前脚を大きく掲げるクルネヴァ。

気を取られたガルルグルに対し

糸を吹きかけの動きを止める。

そしてそのまま前脚で叩きつけた。


「がるる…!!」

モナのせいで……!がるるが……!!


ルルァ……!!

ぐったりとするガルルグル。


グルルルルラァ!!

気付いた1匹がクルネヴァに飛びかかる。


しかし前脚で側面から叩きつけられ

壁へと吹き飛ばされる。


だめ……!!逃げて……!


グルルァ!!ルルルルルァ!!

最後の1匹はモナから離れず威嚇をしている。

が、意に介さずモナに近寄るクルネヴァ。


必死にもがくモナ。

だめ……!だめだよ……!!


グルァ!!

大きくガルルグルが叫んだ瞬間

両前脚で叩き付けるクルネヴァ。


ギャ……!!

短い鳴き声をあげぐったりとするガルルグル。


「がるる……!!がるる!!」


クルネヴァが倒れ込んだガルルグルを

前脚で掴もうとする。


「だめ……!!だめだよ…!!」


なんとかガルルグルを掴むと大きく

口を開くクルネヴァ。


「やめて……やめて…………」


クルネヴァが牙をガルルグルに刺そうとする。


「やめてーーー!!!」

モナが叫んだ瞬間に爆発したように

炎の魔力がモナから溢れ出し糸は焼き切れた。


ギチチチチチチ……!!

ガルルグルを捨てモナを見据えるクルネヴァ。


「あぁぁああぁぁぁ!!」

モナが叫び腕を思い切りクルネヴァに振るう。


その瞬間に洞窟は一気に赤くなり

緑の液体が飛散した。

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