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サキュバスの眷属になったと思ったら世界統一することになった。  作者: ちょび
第6章〜傭兵国家ギルドランド〜
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ヴェグル洞窟

多くの生き物がひしめき合うヴェグル洞窟。

奥には多様な魔鉱石が存在し、その魔鉱石や

溢れ出る魔素を求め魔物や人族に限らず

多くの種族が奥へ奥へと向かう。

力無き者は拒絶されるその洞窟を

フューゼ達は進んでいた。


「ヴェグル洞窟は整備されていないんだな。少し進むたびにどんどん暗くなるな。」


「ギルドランドの民にとってヴェグル洞窟は神聖な土地ですし弱者の為に整備する。という考えはないですからね、ギルドランドは。多くのギルドランド国民はある程度までは夜目が利くそうですよ」


「すごいなギルドランド。俺はまだ大丈夫だがみんな見えてるか?」


「私は大丈夫だよー!」


「……同じく私も大丈夫です。アリスと私は暗い環境には強いのでご心配されないで結構ですよ」


「そうか。サキュバスと元エンプーサだから夜は得意だって言ってたな。他のみんなはどうだ?」


「まだ見えてるけど……暗い」


「大丈夫そうか?」


「この子達が明るいから……」

そう言ってガルルグルを撫でるモナ。

クルルルルと甘えて喉を鳴らすガルルグル。


「獣人属は夜目が利くはずですが半獣人属ですからねモナは。ガルルグルが居ないと見えないかもしれないですね」


「なるほどな……。」

モナの事は気に止めておくべきだな。

俺やアリス、シルビアと見えている世界が

違う可能性が高いのか。


「リヴィアはどうだ?」



「…………この程度問題ない」

少し間を置いて返事するリヴィア。


「どうした?大丈夫か?何かあったのか?」


「目は大丈夫じゃ。じゃが何かあったかだと?わからんのかヴァンドラ」


「なんだ……?」


「ヴァンドラ様、リヴィアは拗ねているのですよ」


「拗ねてる?」


「はい。ヴァンドラ様の肩から降ろされて拗ねているのです。」


「あー……そういう事か。」

何となく怒ってる気はしてたが拗ねてたのか。

前肩車した後もこうだったな確か。


「うるさい!」

とてとて走ってくるリヴィア。


あ……これはまた始まるぞ。


「元はと言えば小娘!お前のせいだぞ!ヴァンドラに召喚されたと思ったら私様をすぐに降ろしおって!」


「ヴェグル洞窟までの道中肩に乗っていただけでもおかしな事ですがヴェグル洞窟内までそのままだなんて何考えてるんですか」


……やっぱり始まった。


「ヴァンドラが乗せてくれたんじゃ!お前に関係無いだろう! 」


「関係あります。私はヴァンドラ様を守る者ですので」


「小娘何ぞにヴァンドラは守られる必要は無いし私様が常に近くにいるから大丈夫じゃ!」


「こんなに足場が悪い所でリヴィアの体重をヴァンドラ様にかけること自体が危険です」


「何を……!!私様より何倍も重いくせに……!」


「まぁ貴方より圧倒的に身長高いですからね」


「ぐぅ……!!何で私様がこんなに低い目線で歩かねばならんのだ!!」


「小さいからでしょう?簡単な事です」


「……もう許さんぞ小娘!ネモーネ!」

水の触手がシルビアを捕らえる。


でたぞ!伝家の宝刀ネモーネ!


「くぅ……!///リヴィア……!またこれを……!!」


「私様を馬鹿にした罰じゃ。皆に辱めを見せてやれ」

にやにやするリヴィア。


「くぁ……//くっ……!!」

ネモーネに身体をまさぐられるシルビア。


毎度毎度シルビアには本当に悪いんだが……。

眼福です。




「そろそろやめてやれー、リヴィア。」


「ふん、ヴァンドラに感謝しておけ、小娘」


「くぅあ……!!」

ネモーネがシルビアから離れていく。

そしてぺたりと座り込むシルビア。


「リヴィア……!いつか覚えておきなさい 」


「知らんな。もう忘れたわ」

くくっ!と笑うリヴィア。


「シルビー大丈夫?」

手を差し伸べるアリス。


「アリス……大丈夫よ。ありがとう」

その手を取り立ち上がるシルビア。


「あれ毎回されてるけど避けられないの?」

一瞬動きが止まるシルビア。


「……結構早くてね。いきなりされると難しいわ」


「そっかー…。でもでもリヴィアちゃんのネモーネってエクシスっていう大きな水魔法からだすのが本来のものなんだよね?前に見たエクシス・ネモーネと比べるととっても細いし抜けられないの?」


「ナ……ナイフだと切れないのよ水だから……」

目が泳ぐシルビア。


「シルビー魔法使えるでしょ?フュゼ様みたいに炎で解除したらいいんじゃない?」


「あの……えと…そのね、私が受けてリヴィアが満足すればもうそこで終わりでしょ?皆の事を考えて敢えて受けているの。それだけ。はい、終わり!この話終わり!」

早歩きで進み出すシルビア。


「あっ!待ってよシルビー!!」


……アリスは天然なのかわざとなのかわからないが

いいもの見れた……。


「ヴァンドラ、なぁにきしょい顔でにやにやしとるんじゃ」


「うぉっ!?リヴィア!してないぞ!そんな顔!」


「水に映して見せてやろうか?」


「い、いや遠慮しとくよ。それよりヴェグル洞窟って生き物が多いんじゃなかったのか?全然見ないが……。」


「そうか?残念じゃ。……ヴェグル洞窟については異変じゃな。本来ならばこのくらいの深さだとガルルグル等の群れが居るべき場所じゃ。ガルルグル程度までの生き物は逃げたか死んだのかもしれんな」


「何があったんだ……。」


「それはわからん。だがガルルグル等より上の存在。つまり捕食者達は餌が無いことに気付くと求めてどんどん奥から出てくるじゃろうな」


「危険な生物が近くにいるかもしれないのか。」


「そうじゃ。状況によってはさらにその上の捕食者…さらにさらに……とどんどん出てきているかもしれんな」


「……ギルドランドに報告しに戻るか?」


「任せるが上手く使えばいい経験なるぞ?モナにとっても、私様達にとっても」


「危険だが……価値はあるということか。」


「上手く行けば奥の魔鉱石も持ち帰れるやもしれんし魔素の濃い場所にいけば何か力が目覚めるかもしれんぞ?」


「……なるほどな。」

恐らく相当危険なはずだ……。どうする……。


「それにな、ヴァンドラ、魔物畜生共に恐れていてはいつまでたってもボルシエオン帝国に勝つ事は出来んぞ。奴等はそれ以上に強く、恐ろしいからな」


「ボルシエオン帝国……べロウズ…!」

そうだ。俺はボルシエオン帝国を

倒さなくちゃいけない。

その為にはべロウズも倒さないといけない。

ボルシエオンにもしべロウズと同じくらい、

もしくはそれ以上強い奴が居たらこのままじゃ

勝つことなんてできない……。


モナと同じように俺も……

いや、皆で強くならないといけない……!


「進もうか、リヴィア。」


「そうじゃなヴァンドラ。それが正しい。」



「きゃあああー!!」

その時先行していたアリスの声が響く。


「アリス!?」


「ヴァンドラ、さっそくなにか来たみたいじゃな」


「あぁ!行くぞ!!」

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