いざヴェグル洞窟へ
「……ここか?」
フューゼ達は大きな洞窟の入口に着いていた。
「そうじゃ。小娘を呼ばんでいいのか?」
「今から呼ぶよ。従順なる我が眷属よ。我に呼応し姿を現せ、“イグニ・シルビア”!」
フューゼの正面が妖しく光る。
そしてシルビアが現れた。
「少し遅かったですね……って!?」
バッと後ろに飛び込みナイフを取り出すシルビア。
「ヴァンドラ様!ガルルグルです!!どうしてこんな所に……!」
「あぁ、こいつらは何故かモナに懐いているんだ。大丈夫だよ。」
「ガルルグルが……!?懐いてるんですか!?」
驚きガルルグルを見るシルビア。
「うん…みて、シルビア」
モナがガルルグルに手を差し出し
ガルルグルがその手を舐める。
「こんなこと……。モナ、熱くないのですか?」
「大丈夫だよ」
「火の属性をもつヴァンドラの魔力が流れているので耐久性があるのかもしれませんね……」
シルビアに近寄るモナ。
「シルビア」
モナがシルビアの服を引っ張る。
「どうしたの?モナ」
「これ……あげる」
モナが黄色の塊をシルビアに渡そうとする。
そして受け取るシルビア。
「何ですか?これ」
「ギルドスライム……。モナが倒したの。焼いてるから食べられるよ」
「ギルドスライム!?洞窟の外にいたのですか?」
「いっぱい倒したからたくさんあるよ…。アリスのバックに入ってる」
「……ありがとうモナ。頂きますね」
パクリと食べるシルビア。
「甘い……かと思いましたが少し酸味もありますね。これは美味しい……。モナ、ありがとう」
少し笑みをこぼすモナ。
「喜んでくれてよかった……」
「割り込んで悪いがシルビア、ホープは大丈夫そうか?」
「はい。道中で食べ物も買って渡しましたしそもそも船に食料もあります。ホープも問題無いとの事です」
「わかった、ありがとう。よしなら行くぞ!ヴェグル洞窟へ!」
フューゼ達はヴェグル洞窟へ足を踏み入れた。




