モナとガルルグル
「モナ、腕大丈夫か?」
「うん……。血が少し出たけど……平気」
腕をフューゼに見せるモナ。
「2つだけ小さな傷が付いて血が出てるが……。これだけか?」
「モナちゃん凄いよね!ほとんど怪我してないみたい!薬だけ塗っておくね!」
バックから瓶を取り出し緑の液体をモナの怪我に
塗るアリス。
「何だそれ?」
「薬草を混沌輝石と水で煮詰めた薬だよ!すっごく早く治るんだから!」
「へぇー!便利な物なんだな!」
「なんだか…あったかい……」
「その薬はねー、塗るともちもちっ!てなったあと温かくなるんだよー!」
アリスの言葉を聞いて薬を触るモナ。
「おぉ……!もちもち…!ぽかぽか……!!」
「気持ちいいでしょー!」
楽しそうなアリスとモナ。
「リヴィア…聞いていいか?」
「どうした?ヴァンドラ」
「ガルルグルに噛まれても大して怪我しないのか?」
「馬鹿言え。普通の人間なら骨は噛み砕かれ肉は焼け落ちてるぞ。モナの身体どうなっとるんじゃ」
「……やはり異常なのか。」
「といっても悪い事では無いんじゃないか?病気になった時手術が出来んかもしれんがな」
「確かに……。心配だな。」
「冗談だ…。ヴァンドラ、そんなこと心配してどうする?取り敢えずモナは仕上げれば戦闘向きだと私様は思うぞ?」
「そ、そうだな。ヴェグル洞窟に急ごう。……モナ!もう大丈夫か?」
くるりと振り向くモナ。
「うん…。もう平気。みて、治った」
薬を摘み降ってみせるモナ。
塗っていた箇所は綺麗になっていた。
「……すごいな。」
「フューゼ、いこう?」
「よし、そうだな。進むぞ!」
歩み出そうとするフューゼ達。
……ルルァル…。
前に立ち塞がる3匹のガルルグル。
「ガルルグル……!また出たのか!」
「……1匹じゃなくガルルグルも群れで逃げているのかもしれんな」
ずいと1歩前に出るモナ。
「大丈夫……。愚かなる者に躾を与えよ。地獄鞭……!」
ゴオッと音を立て地獄鞭がモナの手に現れる。
グルァル……!グルァ……!
モナが近付くたびに小さく唸るガルルグル達。
「…………もしかして」
モナが地獄鞭を解除する。
そしてそのままガルルグル達に近付いていく。
「モナちゃん!危ないよ!」
「大丈夫……」
そのままガルルグル達の前に立つモナ。
モナ……!?何をしてるんだ!?
モナが手をガルルグル達に差し出す。
その瞬間ガルルグル達が
大きく口を開きモナに駆け寄る。
「モナ!!!くそ!!」
モナに駆け寄るフューゼ。
「……これは…」
驚くリヴィア。
「みて、フューゼ」
ガルルグル達はモナの手を炎の舌で舐めていた。
「何が起こってる……?熱くないのか?」
「うん…大丈夫だよ」
「リヴィア…どうなってるんだ?」
「わからん……が、同族で群れるガルルグルが炎を操り、さらに自分達より強者であるモナに屈したのか……?」
「そうなのか?」
「……わからん!私様にもわからん事はある!」
ぷいと上を向くリヴィア。
「……モナ、行けるか?」
「うん……。行こうフューゼ」
フューゼ達はヴェグル洞窟に向け進み始めたが
ガルルグル達もモナに付いて来ていた。