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吸血鬼で始める異世界ハーレム  作者: 吉村 吉野
3/3

冒険者になろう

他の方の作品を読んでいたり、仕事の都合でこんなに期間が空いてしまいました。

申し訳ないです…

「ここは?」

 俺はこれまで変な真っ白な部屋にいたはずなんだが、気づいた林の中の少し開けた草原に大の字で寝転がっていた。

 時間は昼頃のようで明るい光が身体を照らしてくる。

 陽の光ってこんなに暖かかったのか…ってあれ?

「陽の光?俺は確か吸血鬼ヴァンパイヤと選択したはずなのに」

 普通吸血鬼に陽の光って弱点なんじゃないのか?

 とりあえず俺は周りの状況を把握する為に立ち上がり辺りを見回す事にした。するとちょうど俺の寝転がっていた時の足下に1枚のルーズリーフが落ちていた。しかもご丁寧な事に“ミカド君へ”なんて書いてある。

「あの自称神からか?」

 自分宛の手紙を読まないのもなんだか嫌な気分になるので読んでみると、


「ミカド君へ


  自称神、とは酷いじゃないか。正真正銘この世界の神様だよ?

 まぁこんな話は置いておいて、君について説明させてもらうよ。

 まず、君は吸血鬼を選んでいたようだから陽の光を浴びても消滅しない様にしておいた、なので君は存分に日光浴を楽しんでくれて構わない。

 次に、異世界へ行くのに何もわからないと不便だろうから面白い眼を渡しておくよ。これは気になった物や人、生き物などを注視とその詳細が分かる様になっている。後はこの世界の文字と言葉は全部わかるようにしておいたよ。

 最後に、注意事項だけど君の選んだ吸血鬼とはその世界ではかなり珍しいから色々気をつけておくように。

 これまでで質問はあるかい?」


 なんで、俺が自称神って言ったことがバレてんだよ⁉︎

 と、俺が内心で叫んでいるとルーズリーフの余白にゆっくり、じんわり滲み出てくるようにしかしはっきりと文字が書き込まれる。

「それはこの紙が全知の一端だからだよ、つまり全知全能の神である僕とつながっているから君の心がわかるんだ、なんて言ったって全てを知っているからこその全知全能だからね」

 なんでもありかよ…なんか疲れたし腹減った、色々あったから身体もダルい。

「それならそこから東に林を抜けてから北に2km位歩くと街があるから行ってみたら?」

 そうなのか?ありがたいナビ機能があるんだな

 そう思いながら何事もなく林を抜けると目の前を横切るように道があった。ちなみに方角も紙に教えてもらった。


 そんなこんなで特になんの苦労もせずに街まで辿り着いた。

「呆気なく街まで着いたな…こういうのって普通盗賊とかと出くわすものじゃないのか?」

 俺は呆気なく辿り着いた街の外壁の前でそうこぼしていた。

 外壁、そう外壁だ。人の背を余裕で超える高さの壁が聳え立っている。

 街は中々活気があるのか街に入るための門の前には人と馬車の列が出来ていた。列の中には元の世界のスラム街にいそうなボロ切れしか着ていないような幼い子供も居た。

 門には門番が付いていて2人で入街の為の列を捌いているようだ。

 列の前の人たちのやり取りを聞いていると

「どういう用件での立ち寄りだ?」

 という問いかけに、ある者は、

「行商のために参りました」

 と答え。またある者は、

「冒険者になりに来た」

 と答えている。

 そこで気になったのは先ほど行商で来たという男は入街料としていくらかは分からないが料金を支払っていたのに対して、冒険者になりに来たという男は入街料を支払っていなかったことだ。

 とりあえず列に並んでいると俺の番が来た。

「どういう用件での立ち寄りだ?」

 門番が聞いてきたが、俺には金がないので選択肢は一つしかない。

「冒険者になるために」


 という事で街の中である。門番に聞いたところこの街の名はアンガスというらしい。

 アンガスの街は外からは見えなかったが綺麗に整備されていて人が行き交っている。

「さて、どうやって冒険者になればいいんだ…?」

 何も知らない状態で列に並んでいた俺が悪いのかもしれないが、冒険者のなり方どころか冒険者がなんなのかすら知らないのでどうしようもない。

 冒険者になりに来る奴らがいるんだからこの街の何処かになる為の施設–小説やゲームに出てくる冒険者ギルドみたいなもの−が有るのだろうが…まぁ分からないものは聞けばいいか。

「で、冒険者についてと、なり方について教えてくれないか?」

 困った時は神様に相談だ。

「概ね君の想像通りだよ。冒険者は魔物モンスターを狩ったり、迷宮ダンジョンに潜って一攫千金を狙ったりする人間で、ギルドに登録すれば基本的に誰でもなれる。

 それよりもこんな街の入り口近くで紙に話しかけてると残念な子だと思われるよ?」

 現れた字を最後まで読んだ後に周りを見ると近くにいた人達が少し離れてこちらを見て何やらヒソヒソと話しているのが行き交う人の喧騒に紛れて聞こえてきた。

 …これからは人目につく場所ではやらないようにしよう。


 さっきの反省を活かして神の紙に頼らずに街を通り沿いに歩いていると広場が見えてきた。広場の中心には大きな噴水があり丁度街の中心になっているようだ。見渡してみるとこれまで歩いてきた道を合わせて8本の道がこの広場に繋がっている。この8本の道がこの街のメインストリートになるのだろう。それぞれの通りの入り口近くに標識が立っていて、これまできた道は市民通りというらしい。探してみるとギルド通りがあった。


 ギルド通りを歩いていると剣や斧、槍を飾っている武器屋や盾、兜、鎧を飾っている防具屋が並んでいて恰幅のいいおっさんや可愛げのある少女が呼び込みを行っていて市民通りとは違った賑やかさがある。

 そんな賑やかな通りを歩いていると通りの終わり、外壁の近くに一軒の大きな建物があるのが見えた。

 近づいて見てみると入り口の上に掲げてある看板に"冒険者ギルド"と書かれていた。


 冒険者ギルドはその大きさと入り口以外は他の建物と大した違いは無い。大きさは他の建物を2周り程大きくなっていて、入り口は他の建物は木製のドアなのに対してギルドだけウェスタンな酒場にあるような両方から押せるものだ。

 そんな酒場風の入り口を押して入ると、


 全然人がいなかった


 入って左手にある円形のテーブルは10卓以上あるにも関わらず2つのテーブルに1人ずつしか座っていないし右手にある受付であろうカウンターには1人も並ばずに奥で椅子に座っている受付嬢達も少し暇そうにしている。

 俺は5つある受付のうち歳の近そうなショートヘアーの可愛らしい受付嬢に近づくと彼方から話しかけてくれる。

「どのようなご用件でしょうか?」

 受付嬢はその可愛らしい見た目通りの声でにこやかに話しかけてくる。

「はい、冒険者になりに来ました」

「冒険者登録ですね、此方へどうぞ」

 受付嬢は立ち上がりカウンターから出てくると左にあったテーブルの奥側に続く扉を開く。


 扉の奥には水晶と水晶に繋がった装置が置いてある。

 気になって注視してみると、

『ステータス・クリスタル

  使用者の能力値を計測・表示する』

 と表示された。

「えっと、これは?」

「冒険者カード作成装置です、それでは水晶に手を翳して下さい」

 冒険者カードにステータスを表示するのだろうか?

 とりあえず言われた通りに手を翳すと水晶が光を発して文字が浮かび上がった。


『 シバ・ミカド 17歳 男 吸血鬼ヴァンパイヤ

  HP 15000/15000

  MP20000/20000

  力:600 魔力:error 賢さ:580 センス:error

  スキル

  血液操作ブラッド・コントロール誘惑チャーム

  魔法

  闇魔法・影魔法・鮮血魔法 』

 暫くすると、

「お疲れ様でした、もう結構ですよ」

 と言われたので手を戻すと、受付嬢が近づいてきて小さなカードのような物を差し出してくる。それを見ると、

『 シバ・ミカド 17歳 男

  HP15000/15000

  MP20000/20000』

 としか表示されていない。どうゆうことだ?

「ありがとうございます、えっと…」

 名前が分からないことを察してくれたのか教えてくれる。

「アリアといいます」

「ありがとうございます、アリアさん。ところで、さっきあの水晶に表示された文字ってなんだったんですか?」

「え、文字ですか?何のことでしょうか?」

「なら聞き方を変えますね、さっき隠したプレートは何ですか?」

「え、あの、その…」

 それきりアリアさんは黙って俯いてしまう、隠したかどうかなんて俺は本当は見ていないが、それはもう何かあると認めたようなものだ。

 俺は問い詰めるようにアリアさんとの距離を詰めてじっと彼女を見つめる。

 アリアさんは俯いていたが、此方をチラリと見て目が会うとハッとしたように息を呑み、顔をリンゴのように赤くしてヘナヘナと座り込んでしまった。

「えっ!ど、どうかしましたか?」

 なんで急にこんな事になってしまったのか分からず狼狽えてしまう。

「いえっ、なんでもないでしゅ!」

 アリアさんは顔を真っ赤に染め床に座り込んだままそう叫んだ。


「すいません、取り乱しました」

 アリアさんは未だ顔を赤く染めたまま立ち上がりそう告げた。

「先ほどの文字についての説明をさせてもらいたいので付いてきてくれませんか?」

 なぜ急に話してくれるようになったのか分からないが話してくれるのなら構わないので付いていく。

 受付のある部屋に戻り受付カウンターの横にある階段を昇って行くアリアさんを追って二階に上がり更に三階に上り一際大きな扉の前に来たところでアリアさんは立ち止まった。

「ギルド長、冒険者カード作成装置の文字を読み解ける方がいらっしゃったのでお連れしました」

 そう言った後アリアさんは扉を開けて入るように促してきた。









お読みいただきありがとうございます。

次回はパーティーを組みます!ついにパーティーですよ!

ゲームの時は縛りプレイとして魔法使いのみとかでやったりしました、作品ではどうするか決めていません。乞うご期待です!

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