異世界行きになりました
1話から読んでくださった方も、今回が初めましての方も、多くある作品の中からこの作品を選んでいただき、ありがとうございます。
「…ッ、此処は?」
おかしいクリックした後の事が思い出せない。
辺りを見渡すと白、白、白と白だらけの意味不明かつ摩訶不思議な部屋だった。
何故、摩訶不思議なのかと言うと、全く距離感が掴めないのだ。
壁もある、天井もある、しかしどれ位の位置にあるのか、近いようにも遠いようにも見える。
「ヤッホ〜、初めまして〜」
突然後ろから声を掛けられ驚き振り返る。
そこに居たのは、歳は15歳位で身長が160センチあるかないかといったくらいの少年だった。
「お前誰だよ?」
「いや〜可哀想に。仲が良かった女子に告白したのに一瞬で振られるなんてね〜」
「お前誰なんだよッ‼︎」
そいつの無神経な言葉に俺は切れて掴みかかろうとした。
だが、俺の手が触れる瞬間そいつは消えて、その次の瞬間には既に俺の後ろに居た。
「ふざけんなよ‼︎」
俺はまた掴みかかろうとする、そいつが消える、また現れる。
それが何十回も続いた結果…
白い部屋には、息を切らして倒れている俺と、そんな俺を見下ろしているそいつが居た。
「神の話くらい最後まで聴いてよ〜」
見下ろしたままそいつは言う。
こいつが何なのか、俺が考えいた可能性は3つあった。
1つ目 パソコンをいじったまま寝落ちしている夢落ちの可能性。
2つ目 俺の頭がイカれた可能性。
3つ目 ゲームの中に入ってしまった可能性。
常識的に考えれば1つ目が一番可能性が高い、よって俺は自分の頰をつねる。
イテェ…
「夢かと思った?これは紛れも無い現実だよ〜?」
痛みもあって俺は正常の筈だ。
よって結果は1つ、認めるしか無いみたいだ。
俺は異世界に来てしまったらしい
「落ち着いた〜?これでやっと話が出来るよ。
ようこそ、夢が溢れるユートピア“アルフィリア”へ、ミカドは吸血鬼としてやってきたみたいだね、外から来る人は珍しいから特別サービスしてあげるよ」
「ちょっと待て、もしかしてあれか?俺があのゲームに入力したのがそのまま反映されてるのか?」
「正解その通り」
「元の世界には…」
「戻れる訳無いよね」
神様はにっこりと笑って言う。
「そこをどうにか」
「ならない」
なんてこった…
「サービスって言ったのは少しだけ僕の力いわゆる神の力をあげるということだよ」
呆然としている俺に神は言う。
「とりあえず適当に渡しておくから、頑張ってね」
その言葉の後、俺の意識は闇へと沈んでいった。
「本当に頑張ってね、君が最後の希望なんだ」
人のいなくなった白い空間に一柱の神の声が小さく響いた。
未だにヒロインすら出てこないことに焦っております、次話で出てくる予定なのでよろしくお願いします。