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サポートキャラがいく《連載版》  作者: ラズベリル
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遅くなりました。いつもより少し長いです(笑)

その知らせを受けて思わず呟いていた。



「若いっていいわね…」



美由さんがいつものごとく生徒会室に行き、ひとりになり帰る準備をしているとき諜報部の貴也直属の配下で私の学園での手足となり動いてくれている三原優希がその知らせを持ってきた。


「沙耶様。大変です。真崎千代美様が美由様に接触しました。口論に発展しています」


「若いっていいわね」

ついつい呟いてしまった言葉に律儀に反応される。

「沙耶様も十分お若いと思いますが…」


そうだけど、前世の分があるからねぇ…。


いけない。いけない。

「そんなことより急ぐわよ。早く案内して」


優希に先導してもらい二人の元へと急ぐ。真崎千代美様とは年下わんここと九重朋樹君の婚約者である。高等部一年生の朋樹君より2歳下の中等部二年生。

他の攻略対象者の婚約者が皆高等部であるため今回のことに対して比較的大人な反応であったのだが、さすが中等部。純粋というか直情的というか…。ついつい呟いてしまうよね。

「若いわね」って。


しかしこれは典型的な悪役お嬢様対応だ。

下手したら、攻略対象者に憎まれる。

本人は正義感なんだろうけどね。恋は盲目状態の人に何を言っても無駄。

変に受け取られてしまう。

これは急がないと。

私は優希の後ろを令嬢らしくないスピードで追いかけた。



「幾人もの殿方を侍らせて、貴女どういうおつもりですの?」

私が到着すると教室から生徒会室までの途中の空き教室でヒロインと千代美様が対峙していた。

千代美様は一人で高等部へときたみたいで、そこは評価ポイントである。

ゾロゾロと取り巻きを引き連れて来ていたら、ヒロインは一人だから、一人に対して多数って周りにも心象がよくないもの。いかにも悪役ってなってしまう。


「侍らせてせているわけじゃないわ。同じ生徒会で頑張ってるだけよ。それより、貴女中等部でしょ?いきなり名乗りもせずに何なの?」良かった。まだ始まって間もないみたい。

生徒会室もかなり距離があるし、攻略対象者達の耳に入ったら話が大きくなるから、その前にかたをつけなきゃね。「私は九重朋樹様の婚約者の真崎千代美よ。婚約者のいる皆様を弄んで恥を知りなさい」


中坊だけど、しっかりお嬢様してるわね。

「私がいつ皆を弄んだの?なんて下品なのかしら?失礼よ」

負けじとヒロインがかえす。


まぁたしかに上品ではないな…。などと思っていると二人は睨み合いをはじめた。一気に一触即発の雰囲気が漂いはじめ周りの生徒達も凍りついたように動けなくなっていた。

そんな空気の中私だけがゆっくりと睨み合っている二人の元へと歩みをすすめる。


空気が動いている気配に二人が此方を見る。


「沙耶さん」

「沙耶姉様」

ほぼ二人同時に気づいた。


「お二人ともどうされたのですか?こんなところでにらめっこですの?ふふふ」

思いっきり空気読めてません発言をかます。とたんに場の雰囲気が変わりました。あきらかに周りの皆様がほっとした表情をされていますわ。

「沙耶お姉様、お姉様からもこの方に言って下さい」

千代美様が心強い味方を得たといった顔をされます。

しかし、ここは千代美様が年下なのですから、注意します。

「千代美様。婚約者という立場としてはおかしなことではありませんが、ここは学園です。貴女は後輩という立場です。

先輩に対する礼儀を守らなくては…」

この行動を止める者が周りにいないのはいけません。そろそろ良いブレーンを揃えた方がいいわ。この子はまだ若いから猪突猛進してしまう。真崎家に進言しなくては…。そんなことをツラツラ考えていたら千代美様が我に返ったようである。


「沙耶お姉様申し訳ありません。押しかける前にアポイトメントをとらなくてはいけませんでしたね」

素直さは大変素晴らしいと思いますが…

「千代美様。謝罪する相手が違いましてよ?」

私が促すと若干不満そうであるけれどちゃんとヒロインに向き直り頭を下げる。

そして中等部へと帰っていった。


「沙耶さん。貴女が来てくれて良かったわ。誤解も解けたみたいだし…」


優希に命じて他生徒をさり気なく室外に誘導させたため現在は私とヒロインとふたりだけになっている。

「美由さん…。千代美様だけではなく、皆様からそう見られてるとはお思いにはなりませんの?今回は学園内であったため千代美様には引いて頂きましたが…」

みなまで言わずともあなたの強張った表情を見れば理解していることは見て取れます。


「私は侍らせているとかそんなつもりじゃ…」

少し暗い表情のヒロイン。


どうしたのだろう。



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