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「美由さん…生徒会補佐の仕事は順調ですか?最近、前生徒会長の加賀条様が相談役として復帰されましたが…」
「加賀条さん素敵ね?やっぱり皆より年上だからか大人だし…すごくフェミニストだわ」
私のヒロインへの問いかけに待ってましたとばかりに食いついて話始めるヒロイン。
また自慢話が始まった。
「皆様素敵な方ばかりですけど、それぞれどこが魅力と美由さんは思います?」
ちょっと意地悪な質問だったかしら?
でも、あんなに欠点だらけの方達だから魅力がわからなくて…。
ゲームキャラだったら別によろしいと思うけれど…実際あんな方達がいたら周りの迷惑にしかならないと思うの。
ゲームだと素晴らしい絵師様と魅力ある声優様のおかげでかなり難ありな性格でも許せたってこともある。
難ありだから攻略に燃えるってことだと思う。
そういうことを考えていたら、ヒロインはと思ってしまって…。
で本人に聞いてみることにした。「そうねぇ…。宮脇康孝君は俺様なところがあるけど、私には俺様じゃなくて優しいし、あんなにカッコ良くて財閥の御曹司だとしょうがないと思うの。
高橋祐輔君は大企業の社長令息だから将来会社を背負わなくちゃいけないから思慮深くてクールなところが大人びて素敵だけれど、私を見る目が熱を帯びていてぞくぞくするわ。九重朋樹君は年下で何でも言うこと聞いてくれて可愛いの。可愛いっていうと拗ねちゃうんだけどそこも可愛いんだよね。こっちも次男だけど世界的企業の社長令息だから色々プレゼントしてくれるしね。
相談役の加賀条和樹さんは、大人だしフェミニストだしお家も代々政治家されているから名門だし素晴らしいと思うわ。
そんな皆に大事にされて私は幸せだわ。
皆私は特別だって言ってくれるけど、私は普通にしてるだけなのにね?」
「そうですか…」話を聞くと魅力は顔と家柄だと言っているように感じる。
最後には何気にそんな彼らに愛されている私ってすごいって言ってるよね?
やはりヒロインはこの世界をゲームと思っているようである。ヒロイン補正に頼ってしまったためヒロインが攻略を丁寧に時間をかけずにしてしまっているせいか、彼らの心の闇は取り去れていない。心の闇が取り去れていたら、ヒロインと二人でお互いを高めあえる関係になれていただろう。そうしたら、排除される恐れもなかったと思う。周りから祝福されるだろう。
現在、周りからの見られ方を見れば、ここがゲームではない現実の世界であるかわかるんじゃないか?
「今どの方がお好きなのですか?」
「皆好きだから誰って決められないわ。せれぞれに素敵なんですもの。ずっとこのままで仲良くしていけたら素晴らしいと思わない?もちろん応援してくれるよね?」
いくらサポートキャラでもこんな不実なことは応援することは出来ません。
彼らが排除されるのは自業自得。そしてヒロインも…。
「私達もいずれ大人になるのですから、いつまでも仲良しこよしは難しいと思いますわ」
その顔は不服そうですね?
しかし忠告はさせて頂きましたわ。あなたは気づかなかったようですが、これは決別の言葉です。
これにて私はあなたのサポートを止めさせていただきます。
きっとあなたはもう私のアドバイスを必要としないでしょう?
あなたがアドバイスを必要とした時、その時があなた方が斬罪される時です。
この話を最後にヒロインはますます生徒会室に入り浸るようになった。




