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遅くなりました。
「美由…。喉は渇いてないか?英国王室御用達の紅茶があるぞ」
「美由さん、宮内庁御用達のこちらの玉露の方が素晴らしいですよ」
宮脇様が紅茶をすすめれば、負けじと対抗して祐輔様が玉露をすすめる。
「紅茶に合わせてTホテルのケーキもあるぞ」
「玉露にはこの老舗の生菓子ですよ。素晴らしい組み合わせです」
さっきから次から次へと会長と副会長がヒロインに甲斐甲斐しい。
それを見せつけられる私。もう帰っていいですか?いいよね?
ここは生徒会室。
会長に続いて副会長を落としたヒロインはあれから生徒会室に入り浸っている。
最初は一人では心細かったのだろう。
招かれたからといっても部外者であるヒロインは行きにくかったらしく私を誘った。
まぁ、他の攻略対象者もいるから動向が探れると思って一緒に来たけれど…。
もう何度も来ているからヒロイン様これからは一人できてくださいよ。
最近は自分がチヤホヤされている所を私に見せつけて優越感に浸っているであろう感じが見え見えです。
少し会長と副会長をひいて見ていた書記や会計も仲間入りしてきています。順調ですね。逆ハー計画。
生徒会役員が攻略対象者であるが現在の書記は攻略対象者ではない。
私達が二年生になった時一年生が書記として生徒会入りする。その彼が攻略対象者である。現在二年生の書記である九重基宏の弟である九重朋樹…年下わんこ。よくある設定だね。ぶっちゃけ攻略対象者よりお兄様の方が素敵だと思うんだけどね。わんこ属性好き多いからね。何故二年生の彼が書記で一年生の宮脇様が会長か?
一言でいうとこの学園で一番の家柄だから。
因みに副会長は二年生である。
もう一人会計は一年生で有村郁。
顔は整っているんだけど無口で強面キャラ。
攻略対象者ではない九重様はヒロインは可愛いとは思っているらしいが仕事の邪魔になっているせいかさめた目で目の前のやり取りを見ていた。
最初は歓迎してたのにね。さすがにこれだけ入り浸れられるとね…。
会長と副会長には苦言を呈しているけど、もう諦めているみたい。自分が役員引退までの我慢と思ってるんだって。
本人から聞いた話だよ。
サポートキャラになったからか話を聞き出すのがうまくなってびっくりです。
何故かペラペラと話してくれます。
これはサポートキャラの特殊能力なのね。
情報収集におおいに役立ってます。
ということでもう教室に帰っていいですか?




