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我が国、エルザエルでは、天界と魔界が存在し、天使は人を守り、悪魔は人を傷つけるという思想がされていた。時にエルザエルに、神の子、天使の子が生まれた。そしてまた、同じく悪魔の子も生まれていた。神の子、天使の子は崇められ、悪魔の子は生まれたとたん殺されるのが当たり前だった。しかし、都暦1500年、特徴の無い悪魔の子が生まれた。その子供が今日までの歴史上、最後の悪魔の子である。
その悪魔の子の名に関しては、書類が発見されいるが、それは暗号で書かれており、今も解読するのが困難と言われている。しかし、今日まで解読されている部分よりその悪魔の子の素晴らしい勇士が見えてきた。その訳は、次のようなものだった。
―悪魔の子は、男だった。その者の名は―――――――――――。彼は自身が悪魔の子であることを悟り、自ら命を絶とうとした。しかし、彼の父――――――――――――――――が彼にこう言った。
「――――――、お前は悪魔の子なのだろう。しかし、お前には希望がある。お前は人間の姿をしている。つまり、見た目だけだが人だ。そして中身は悪魔。人と悪魔の中間であるお前ならば、今後一切悪魔の子が生まれないようにすることができるのではないか?」
――――は決意し、―――――・・・・
悪魔の子は父に諭され、何かをすることを決意したことがここから読み取れる。後の部分は損傷が激しかったりしていて、今も研究が進められている。勇敢な悪魔の子に、祈りを。
都暦2000年 サーガスティー・シャーク