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白銀の翼  作者: 烏丸
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第21話 漆黒の魔剣士VS死神

対峙する黒き魔剣士 ジャガンと死神 ミカエル。

二人が放出する強大な魔力によって 周りの空間がグニャリと歪んで見える。



「ハハッ♪

今回は全力で相手しようかなぁ~♪」



ミカエルは魔鎌ソウルイーターを取り出し 楽しそうに微笑んでいた。



「そうしたほうがいい。

俺は端から遊ぶ気はない。」



ジャガンがゆっくりダーク・エンペラーを構えると 刀身から凄まじい勢いの黒炎が噴き上げられていく。


その光景にミカエルは目を丸くして 口笛を鳴らす。



「最初から そんなに飛ばしちゃうんだ。

…仕方ないなぁ。流石に僕も本気出さないと黒焦げになっちゃうよ♪」



相変わらずの楽しそうな表情ではあるが ソウルイーターを低く構え 膨大な魔力を放出させていることから 彼が本気だということは明白だった。



「それじゃあ いくよ~♪」



楽しげな声をあげた直後 ミカエルの姿が消える。

ミカエルの立っていた位置に砂埃が舞い上がっていることから 瞬間移動等の特殊能力ではなく 凄まじい速度の光速移動だと判断出来る。


ジャガンは素早く迎撃態勢を取るが それよりも速くミカエルの大鎌がジャガンの左肩を斬り裂いた。



「ぐっ……!!」



苦痛の呻きを漏らしながら後退するジャガン。


しかしソウルイーターの効力は斬った者の魂を喰らうもの。

少しかすっただけでも致命傷となるのだ。


ジャガンは全身の力が抜け バランスを崩して地に転がる。



「アハハッ!

油断しちゃあ駄目じゃないか♪

それとも その程度のものだったのかな?」



ミカエルは満足そうに笑顔を浮かべながらソウルイーターの刃に付着した血を舐め取った。



「!!!!!」



その刹那 ミカエルの表情が変わる。



「これ…

そうか お兄さんもそうなんだ。」



何かを納得した様に薄気味悪い笑みを浮かべるミカエル。


ジャガンはその光景を無表情で見つめていた。



「…だからどうした?

貴様には関係のないことだっ!!」



強く大地を蹴って ジャガンは前進する。

その速度は徐々に速まり ジャガンの姿が途中で消えた。



ガキィン!!



衝突する金属音。

ジャガンの放った一撃は辛うじてミカエルに防がれる。



「目には目を。歯には歯をだ。」



「へぇ~♪

僕と同じくらい速く動けるんだ。

でも おかしいなぁ。少しとはいえソウルイーターに魂を喰われた筈なのに。」



ミカエルは不思議そうにジャガンを見つめていた。


本来少しでも魂を削られれば暫くは動くことさえ出来ない筈なのだ。

しかしジャガンは動く所かミカエルと同等の光速移動で一撃を放ったのだった。



「それだけ もの凄い精神力を持ってるんだね。

流石 僕が見込んだだけのことはあるよ。」



しかし ミカエルは動揺することなく 寧ろ嬉しそうに話す。


近年 稀に見る好敵手。

ミカエルの鼓動は高まっていた。



(強い精神力か…

フッ…こっちは少しでも気を抜けば意識が飛びそうだと言うのに。)



平気なふりを見せているが ジャガンの体はかなりのダメージを負っていたのだった。



(長期戦に持ち込まれれれば 圧倒的に不利になる。

ペース配分を考えず 最初から全力でやらねば 勝機は見出だせないな。)



再び地を蹴ったジャガンは一気に間合いを詰め ミカエルに怒涛の連撃を繰り出す。



「わっ!わっ!

危ないなぁ!」



ミカエルはジャガンの素早い連撃に対し ソウルイーターを上手く操って攻撃を防ぎ続ける。


しかしミカエルも防戦一方という訳ではなかった。

隙を見つけては お返しとばかりに連撃を繰り出す。


正に一進一退の攻防。

両者一歩も引かない闘いが繰り広げられていた。



「ハッ!」



このままでは埒があかないと悟ったジャガンは地を蹴り ミカエルから距離を取る。


しかし ミカエルはそれを許さず追撃へと移った。



「せっかく楽しくなってきたのに止めないでよ!」



尚も手を休めないミカエルの連撃はジャガンを苦しめていく。


ソウルイーターの一撃を既に喰らっているジャガンにとって 次の傷は敗北を意味することになるのだ。



「ダーク・エンペラー!!」



ジャガンの叫びと共にダーク・エンペラーから黒炎が噴き上がる。


放たれた黒炎がジャガンの身を包む様に広がり ジャガンとミカエルの間に壁となって燃え上がった。



「熱っ!!!

くそぉ…邪魔な炎だな!」



凄まじい熱気にミカエルは堪らず距離を取った。


ジャガンがダーク・エンペラーをミカエルに向けると 揺らめく黒炎が動き ミカエルを追撃する。



「あぁ!もうっ!!」



苛立ちを見せながら黒炎から逃げるミカエル。

ダーク・エンペラーから放たれた黒炎はまるで龍の様に動き 執拗にミカエルを追い続けた。



「黒爆・龍火閃!」



動き続けた黒炎が突如 爆発を巻き起こす。


広範囲の爆発により 流石のミカエルも避けることが出来ずに爆風に飲み込まれていく。



「ふぅ…」



爆炎に飲み込まれたミカエルの姿を確認したジャガンはダーク・エンペラーを下ろし 溜め息をついた。


あの技をまともに喰らって生き延びる者はいない。


…そう思った矢先のことだった。

爆風により漂っていた煙幕が一瞬で掻き消されたのだ。


突然の異常事態にジャガンはダーク・エンペラーを構え直し 警戒する。



「あぁ~ビックリした♪」



煙幕が掻き消された中心部。

そこに爆炎に飲み込まれた筈のミカエルの姿があった。


ミカエルの周りには球体状の魔法障壁が展開されていた。

この術を即座に発動し ジャガンの技を防いでいたのだ。



「くっ…!!」



身構えていたジャガンはガクッと崩れ 地面に片膝をつける。

既に体は限界を越えていた。



「あれれ?もう動けないの?

折角楽しくなってきたとこなのに残念。

仕方ないな。すぐに楽にしてあげるよ。」



邪悪な笑みを浮かべたミカエルはソウルイーターを高く掲げる。



「バイバイ♪」



『ヘル・フレイム』



仕留めに掛かったミカエルに対し ジャガンは地獄の業火を撃ち放つ。


しかし寸前の所でミカエルは身を捻ってかわして見せた。



「まだ足掻いてくれるんだ。

でも…

まともに闘えないんじゃ鬱陶しいだけだよ!」



怒りの形相で疾走するミカエル。

ジャガンとの間合いは一瞬で詰められる。


万事休す。

この状態でミカエルの攻撃を防ぐ術は 今のジャガンには皆無である。


だがジャガンの瞳はまだ闘志を燃やしていた。



「来い!ケルベロス!!」



ジャガンが右手を上に掲げると そこに魔方陣が現れ 赤い眩い光を放つ。


ソウルイーターの刃がジャガンの額に触れるギリギリの所で魔方陣から黒い体の三つ首の犬が現れた。


伝説級の魔物。

地獄の番犬 ケルベロスだ。


ケルベロスは魔方陣から飛び出すと即座に ソウルイーターに食らい付く。



「召喚魔法!?」



危機を感じたミカエルは なんとかケルベロスを振り払い 後方に退避する。



「…まさか そんな隠し玉を持っていたとはね。」



ケルベロスは低く喉を鳴らしながら その巨大で屈強な体でジャガンの周りを守る様に回っている。

その鋭い6つの眼光はミカエルを捕らえていた。



「よくやった ケルベロス。

すまないが暫く頼むぞ。

俺は回復に専念する。」



そう言ってジャガンは魔力を治癒力に回し 体力と精神力の回復に入る。


託されたケルベロスは 立ち止まり 身を低く構えて防御から攻撃態勢へと移り変わる。



「犬っコロが僕の相手?

ふざけ…!!!」



ミカエルが話し終える前にケルベロスが突撃する。


ケルベロスの三つの首から剥き出しにされた鋭い牙をミカエルは間一髪 ソウルイーターを横に構えてギリギリの所で止めた。


圧倒的な突進力によって ミカエルの立っていた地面が抉れ 徐々に押され始めていく。



「くっ…!

仕付けのなってない犬だなっ!!」



ミカエルがケルベロスの牙を押さえながら 中央の顔に蹴りを放った。


蹴られたケルベロスは鮮血を撒き散らしながら 巨体を後方に吹き飛ばされる。

しかし直ぐ様 地面に踏み止まり態勢を整えると 再びミカエルへと突撃していく。



「ぐぅっ!!」



その巨体からは想像も出来ないスピードでケルベロスが食らい付く。


流石のミカエルも捌ききれずにケルベロスの左頭部の牙が彼の右脇腹を抉った。



「あぁ!もう!!

鬱陶しいよ!!」



ミカエルは苛立ちを見せながらケルベロスの左頭部に右手を当てた。



『ダーク・ボム』



ミカエルの放った爆炎魔法がケルベロスの左頭部を吹き飛ばす。


その衝撃で一瞬 後退ったケルベロスの隙をミカエルが見逃す筈はない。



「スピリッツ・マーチ!!」



異様な光を放ったソウルイーターを振り下ろすと ソウルイーターから無数の光の弾が放たれた。



「ギャインッ!!」



その無数の光の弾を喰らったケルベロスは呻きを漏らしながら 後方へ飛ばされる。

今度はダメージが大きかったのか 踏み止まれずに地面を豪快に転がっていった。



「なかなかの威力でしょ?

これはソウルイーターが食らった魂を弾丸として放つ技さ。」



得意気に話すミカエル。


生物の魂の重みは計り知れない。

それを弾丸として放つということは威力は想像を絶するものであろう。


ミカエルはケルベロスに止めを刺す為にゆっくりと歩を進めていく。


そこで異変に気付いた。



「どこだ!?」



先程まで座り込んでいたジャガンの姿が消えていたのだ。


ミカエルは辺りを見回すがジャガンの姿はない。



「逃げやがったな!!」



「誰がだ?」



ミカエルの憤怒の表情が驚愕へ変わる。


突如 上空から飛来したジャガンがミカエルにダーク・エンペラーを振り下ろした。

なんとか身を翻し 避けたミカエルだったが 間に合わずに彼の右腕が根本から断ち斬られる。



「ぐぉっ…!しまった!!」



ミカエルは右手でソウルイーターを握っていた為に 不様にもソウルイーターは右腕ごと地面に転がっていたのだ。



「勝負ありだな。」



ジャガンはダーク・エンペラーの切っ先をミカエルの首に突き付け 勝ち名乗りをあげた。



「う…うぅ…」



今にも泣き出しそうなミカエルの表情にジャガンは困惑した。

その顔は子供が泣きべそをかいてる様にしか見えなかったのだ。



「…ちっ!

行け!次に悪さをすれば 容赦はしない!」



ジャガンは背中にダーク・エンペラーを収めると そのまま歩き出していく。


残されたミカエルは悔しそうに歯を食い縛りながら自分の右腕とソウルイーターを抱え 静かに闇の空間へと姿を消していったのだった。



―☆―

ジャガンVSミカエル

勝者 ジャガン

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