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白銀の翼  作者: 烏丸
20/30

第20話 託された力

連合軍VS豪魔邪霊衆

現在の残り兵力

連合軍 12

豪魔邪霊衆 74


数的な差は縮まってはいないが 連合軍は敵の主力である幹部を2名倒していることから善戦していると言っていいだろう。



「おぉ!ロイ!!

早かったな!修行の成果はどうだ!?」



「バッチリ!」



バルボアの言葉にロイは満面の笑みで答えた。



「それは妖刀ですよね?

また貴方は物騒な力ばかり手に入れて…」



続いてレオが呆れ顔で百鬼爪刃を見つめながら心配そうに言葉を投げ掛ける。



「大丈夫だ!

もう黒いオーラも この妖刀も使いこなしてみせるよ!」



ロイのその今までと違う 自信に満ち溢れた表情と言葉でレオは理解する。

彼が想像以上に強く たくましくなって戻ってきたのだと。



「…もう心配はいらないようですね。」



「おぅよ!!」



レオの笑顔にロイも笑顔で応えたのだった。



―☆―

飛燕山 数時間前…



「よ~し。

今日はここまでにするか。いい感じになってきたんじゃない?」



「よく言うよ。

ずっと俺の負けっぱなしじゃねぇか。」



シバの褒め言葉にロイは少しふて腐れた表情で答える。


何度も実戦形式の手合わせを繰り返しているが ロイは未だにシバに一太刀も浴びせることが出来ないでいたのだ。



「そりゃ一応 英雄王だの剣聖だの言われてる立場だからね。

2日3日の修行で簡単に負けちゃったら 格好つかないでしょ。」



最もな意見であるが 極端に負けず嫌いのロイにとっては かなりの悔しさを感じずにはいられなかった。



「…それはそうと お友達のワンちゃんの姿が見えないけど どこか行ったのかい?」



シバは辺りを見回しながらロイに尋ねるが 当のロイも辺りを見回している。



「そういや いねぇな。

どこ行ったんだろ?」



二人がキョロキョロしていた その時…

疾風の如き速さでシュバルツが茂みから飛び出してきた。



「大変ダゾ!

町ニ情報ヲ集メニ 降リテイタンダガ 数日前 白銀ノ翼ト豪魔邪霊衆ガ激突シテ ソノ時ニ カイラス殿ガ殺サレテ魔導教典ガ奪ワレタラシイ!!」



珍しくかなり慌てた様子で話すシュバルツ。



「なんだって!?

じいさんが殺された…?」



ロイはショックを隠しきれないでいた。

自分の不在の最中の悲劇。

そして悲しみは怒りへと変わっていく。



「ソシテ今日マタ 豪魔邪霊衆ガ町ヲ襲撃シテ 白銀ノ翼ガ迎エ撃ツソウダ。

…ドウスル?」



シュバルツはロイの行動を待っていた。


そんな中 沈黙していたシバが口を開く。



「ロイ。

行ってこい!修行は終わった様なもんだ。

後は実戦で腕を磨け。」



シバの その言葉でロイの闘志は燃え上がる。



「わかった!

色々世話になったな師匠!また来るよ!」



「…あっ!ちょっと待った!」



素早く出発しようとしたロイを シバは慌てて引き止める。



「なんだよ?」



「これを君に授けよう。

持って行くといい。」



そう言ってシバが手渡した物は妖刀 百鬼爪刃であった。



「これは…

いいのかよ?」



「あぁ。

この妖刀も君なら使いこなせると思う。

それともう1つ…」



シバは右手を掲げる。



「来い!レムナント!!」



掲げた右手の上に突如 凄まじい光を放ちながら 高エネルギーの収集体が発生する。


その眩い光でロイが一瞬目を奪われた間に シバの右手には一本の剣が握られていた。



「…その剣は魔剣?」



「そうだ。

魔剣レムナント。

この前 俺が小屋の外で話していた相手がコイツだ。」



「そうか…

……は????」



淡々と話すシバの言葉にロイは耳を疑った。



「剣と話すって なんかの病気かアンタ。

そんなわけ…」



『おい!貴様!

どういうつもりだ?我をこの小僧に渡すだと?』



「!!!!」



まさかの剣から発せられた声にロイは驚愕の表情を浮かべている。


だがしかし この声は確かに あの時聞いた異様な声であった。

それに感じ取れる魔力もあの時のものだ。



「…な なんだよ その剣!?」



「だから魔剣レムナントだって言ってるでしょ?

魔界には魔物や魔道具みたいな人間には考えられない不思議な物がいっぱいあるんだ。

喋る剣があっても不思議じゃないでしょ。」



『えぇい!そんなことはどうでもいい!

どういうつもりかと聞いているんだ!!』



二人の会話に割って入るレムナント。



「どういうつもりもなにも 聞いたままの意味だよ。

彼なら君を十分に扱える筈だ。

それに彼の中には膨大な魔力が眠っている。

君にとっても悪い話しじゃないと思うけど?」



『そんなことを言って 厄介払いしたいだけではないのか?』



「あぁ それもある。」



『貴様っ!!!』



剣と会話をする 異様な光景にロイは呆然と立ち尽くしていた。



『…まぁいい。

貴様といても もう戦に出ることもないからな。』



「交渉成立だね。

ロイ!彼は魔力を食らって力を発揮する剣なんだ。だから与える魔力が大きければ大きい程 凄まじい力を発動させる。

仲良くするんだよ。

…よし!それじゃあ契約を始めようか。」



「契約???」



聞き慣れない言葉にロイは疑問符を浮かべる。



『この人間界には召喚師と呼ばれる 魔物を召喚できる人間がいるだろう。

其奴等は特定の魔物と契約を交わすことによって その魔物を召喚出来る様になるのだ。

それと同じ様に我と貴様で契約を交わし 貴様が好きな場所で我を召喚という形で呼ぶことが出来る様にする契約だ。

まぁ出てきてやるのは我の気が向いた時だけだがな。』



「そういうこと。

今は俺とレムナントが契約を結んでいるけど その契約者を君に変えるんだよ。」



レムナントとシバが説明をするが ロイはあまり理解出来ておらず 首を傾げていた。



『さっさとしろ小僧!

我は暇ではないのだ!!』



「いや すごい暇でしょ?」



『貴様っ!!!!』



次々に決められていく話に流石のロイも困惑していた。



「まぁ契約と言っても難しく考えることはないよ。

レムナントが契約の為の魔力を解放するから その時に《我 汝と契約を結ぶ》って言うだけさ。」



「…わ わかった。

始めてくれ。」



あまり理解は仕切れていなかったが やり方がわかったロイはとりあえず それを承諾したのだった。



『では始めるぞ小僧。』



レムナントが契約の為の魔力を解放し 剣全体から眩い光が放たれる。



「我 汝と契約を結ぶ。」



その言葉を呟いた瞬間 ロイとレムナントの間に紋章の様な光が放たれ レムナントの姿が消えた。



「……ん?これでいいのか?」



ロイは自分の体を探りながらシバに問いかける。



「うん。契約成立だよ。」



シバは満足気な表情で答えるが 全くの変化を感じられないロイは煮え切らない表情をしている。



『これからは我を存分に満足させろよ?小僧。』



「!!!!!」



急に頭の中で響く声に驚くロイ。



『フハハ!驚いたか!

我は今 魔界から貴様の脳内に語りかけておるのだ!

契約すればこんな芸当も可能になる!』



「え…なんか面倒くせぇ…」



『貴様っ!!!!!』



―☆―

決戦の地 現在


ロイの登場で戦局は傾くかと思われたが未だに時の操者 エリックの能力によって 白銀の翼のメンバーの動きは止められたままであった。

実質動けるのはロイ一人ということになる。



「くく…

俺の能力を解除しないかぎり他の奴等は身動き一つ取ることは出来ないぞ。

それとも貴様一人で我等を相手にするつもりか?」



エリックは勝ち誇った様に笑みを浮かべている。



「流石に一人じゃきついか…」



能力の解除方法が分からない以上 この状況を変える方法は見つからない。



「ロイ!この能力を解除するには奴の魔力を打ち消すしかない。

奴から皆に放たれている魔力の軌道を見極め こちらも魔力を含んだ攻撃をぶつけるんだ。」



突然かけられた声に振り向くと そこには何事もなかったかの様に動くジャガンの姿があった。

その手に持つ魔剣ダーク・エンペラーからは漆黒の炎が燃え上がっている。



「ジャガンさん!?

なんで??」



「馬鹿な!?なぜ貴様だけ動ける!!?」



ロイとエリックは同じ疑問をジャガンへとぶつけた。



「この魔剣ダーク・エンペラーの炎は全てを燃やす。

例えそれが魔力であろうと燃やすことは可能だ。

体の動きを止められても魔力を放つぐらいのことは出来る。

だが それには貴様に感づかれない様にする必要があったが ロイが現れたことによって 貴様の意識はロイへと移った。

隙が出来たので行動に移ったまでのこと。」



エリックにダーク・エンペラーを向けながら そう言い放つジャガン。

エリックは苦虫を噛み潰した様な表情になっていく。



「燃やせ!ダーク・エンペラー!!」



ダーク・エンペラーの刀身から漆黒の炎が散乱していく。



「有り難う御座います。

これでようやく動けますよ。」



「ふぅ~。

じっとしてるのは性に合わねぇ。」



「よぉし!反撃開始だ!!」



ダーク・エンペラーの炎によってエリックから放たれていた魔力が燃え尽くされた。


これによりレオ ゼクス バルボアと全員の体が解放されたのだ。



「おぉ!君はあの時の青年!

遂に来たのか!」



戦場に突然 身体中に細かい傷を作ったレオナルドが現れる。

あの魔導教典から放たれた魔法を辛くも逃れて姿を現したのだ。



「レオナルド殿!

帝都親衛騎士団は奇襲攻撃の後 撤退する約束だったはず!なぜここに!?」



バルボアが驚いた表情でレオナルドに叫んだ。



「部下達は撤退させた。

だが帝都親衛騎士団 団長の維持だ。ここは参戦させてもらうぞ。」



そう言い レオナルドは剣と盾を構える。



「ちぃっ!虫ケラ共が!

何人集まろうが同じ事!ここで全員死ね!!」



「待てっ!!」



攻撃を始めようとしたエリックをゲオルグが制す。



「あの剣士小僧…

ガルハイトのお気に入りは俺の獲物だ!」



ゲオルグの言葉にロイが反応する。



「ガルハイト…

お前 あいつの知り合いなのか?

居場所は知ってんのか!?」


「クク…

興味津々だな。

知っていたらどうする?この俺を倒して吐かせるか?」



「あぁ そうさせてもらう!

みんな!コイツは俺にやらせてくれ!!」



ロイは百鬼爪刃を構え 臨戦態勢に入る。



「じゃあ 黒い魔剣士は僕の獲物だよ♪」



続いてミカエルがジャガンの前に立ちはだかる。



「…いいだろう。

決着をつけようか。」



ジャガンもダーク・エンペラーを構えた。



「やれやれ…

二人共 勝手に話を進めますね。

仕方ない。残りの魔物と あのエリックという幹部は私達で倒しましょう。」



レオ バルボア レオナルドの3人がエリックと魔物の軍勢を迎え撃つ。


最終決戦の火蓋は切って落とされたのだった。



―☆―

レオ&バルボア&レオナルドVSエリック&魔物の軍勢



「俺と この数の魔物をたった3人で相手にするとは…

舐められたものだな。

行け!兵士共!!」



エリックの号令に呼応し 魔物の軍勢が雄叫びをあげながら3人に突撃を開始する。



「二人共!あのエリックという魔人の能力は厄介だ!

軍勢相手に少々酷だが 纏めて食らわない様に散るぞ!」



「了解!」



バルボアの作戦を承諾し 3人は散り散りに移動を開始していく。



『ライトニング・ボルト』



前方の魔人の集団に向けてレオが魔法を放つ。


放たれた凄まじい落雷が魔人の集団を一瞬で黒ずみに変えた。



「よし!いい調子です。」



しかし 流石に数が多い。

レオはすぐに魔物の集団に四方を囲まれてしまった。


数的にいくと一人頭20体以上は倒さないと軍勢を潰すことは出来ない。

更に後方には幹部のエリックが待ち構えている。

苦しい戦いになることは まず間違いない。



『スパーク』



四方から飛び掛かる魔物を レオの周囲に対流する電撃が防ぐ。



「ふぅ…

次から次へと 厄介ですね。」



レオは足を止めることなく移動を続ける。

魔法で纏めて多くの敵を倒せる位置を探っているのだ。



―☆―

一方のバルボアは順調に敵を薙ぎ倒していた。

どんどん前へ前へ進んでいく。

彼の目線の先には奥で構える一人の魔人。

つまり バルボアの狙いは幹部のエリックだ。



「鬱陶しい雑魚共が!

道を開けろぉっ!!!」



凄まじい闘志を剥き出しにバルボアは突き進んでいく。

彼の通った跡は豪快に切り裂かれた魔物の死骸が弾けたポップコーンの如く飛び交っていた。



「!!!!」



エリックまで後少しの距離で急に足を止めるバルボア。

その前には巨体の魔物が2体立ち塞がっていたのだ。


上位ランクの魔物 ベヒーモスが2体。



「ちっ!

貴様の番犬って訳か。」



「さっきまでの勢いはどうした?

単身で俺に向かって来たのは失敗だったな。」



エリックは笑みを浮かべて 腕を組みながら余裕の表情をしている。



「ハハハッ!

この感覚は久しぶりだ!血がたぎる!!」



しかしバルボアは臆することなく ベヒーモスに対して正面突破を試みる。



「グオォォォォ!!!」



腹の底から地を揺るがす雄叫びをあげながらベヒーモス2体が同時に動く。


1体はバルボアの頭目掛けて もう1体は胴体目掛けて その太い腕を振り下ろす。



「なんのこれしき!」



走り続けながら頭を目掛けた攻撃を上体だけでかわすと そのまま跳躍し 胴体を狙った腕に飛び乗り 腕の上を走り抜ける。



「うおぉぉぉっ!!!」



バルボアは腕の上で更に高く跳躍し ベヒーモスの頭を巨大な肉切り包丁で叩き割った。



「ガァァァ!!」



頭を割られたベヒーモスが苦痛の呻きを漏らす。


これに驚いたのはエリックだった。



「何者だ…!?」



「俺は白銀の翼のギルドマスター!バルボア・ヤンクマンだ!

部下達に情けない姿は見せられないんでな!貴様等如きには負けんぞ!!」



バルボアは肉切り包丁をエリックに向け 言い放つ。



「グオォォォ!!」



しかし その間に もう1体のベヒーモスがバルボアの背後から襲いかかる。


バルボアはいち早く反応し 体を捻って太い腕をかわす。


そのままの勢いでベヒーモスの腕に肉切り包丁を叩き付ける様にぶつけた。


大量の血飛沫を撒き散らしながらベヒーモスの腕が半分程まで切り裂かれる。



「さっさと寝てろ!ワンコロ!!」



バルボアはベヒーモスの頭部まで跳躍すると 固い拳をベヒーモスの顔面に叩き付けた。


殴られたベヒーモスは脳震盪を起こし グラリとその巨体をよろめかせ豪快に倒れ込んだ。



「さぁ!次はお前だ!」



「いいだろう。

格の違いというものを見せてやる。」



エリックがゆっくりとバルボアの元へ歩み寄る。


バルボアVSエリック。

強大な戦闘力を持った者同士が激突する。

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