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選んだ絆

日本の読者の皆様、いつも応援ありがとうございます。

私は海外からこの物語を執筆しており、翻訳には非常に苦労しています。

もし物語の中に誤字脱字、不自然な日本語、あるいはストーリーの構成上の矛盾などがあれば,

ぜひ感想欄で教えていただけると嬉しいです。

皆様のアドバイスを糧にして、この物語をより良いものにしていきたいと思っています。

厳しいご指摘も大歓迎です!

それでは、第13話をお楽しみください。

「弟か……ふぅ」

自分の部屋で、ほとんど呟きに近い吐息が漏れた。

俺はベッドに倒れ込み、天井を、実体を見ることなく眺めていた。

あの知らせ……。

思っていた以上に、心が昂っていた。

正直に言えば……。

昂りすぎていた。

だが……。

ゆっくりと目を閉じる。

今、俺はここにいる。

かつて持てなかった家族とともに、新しい人生を築いている。

それでも、無視できないものがあった。

そこに居座り続ける、何か。

重く、沈殿するもの。

「エリザベス……」

天井に向けて手を伸ばす。もうそこにはない何かに、手が届くかのように。

指先をゆっくりと握りしめる。

……空虚だ。

彼女に再会するという夢。

あの日、霧散してしまった。

あの図書室で。

俺は眉をひそめた。

「……あのエネルギーは、一体何だったんだ?」

問いが、また戻ってくる。

いつものように。

答えのないまま。

強く、息を吐き出した。

「……十分だ」

体を起こす。

訓練の時間だ。

朝の空気は冷たく。

乾燥していた。

体を動かすには、最適だ。

訓練場に着くと、二人はすでにそこにいた。

ジャレッド。

そして、アズミ。

「遅いぞ、アリス」

父が、振り返ることなく言った。

俺は急ぐことなく、彼らの方へと歩いた。

「数秒の遅れだ」

「実戦なら、その数秒でお前は死んでいる」

「ここは戦場じゃない」

「我々は、常に戦場にいる」

答えなかった。

ただ、前へ進む。

アズミの側へ寄る。

彼女はよく俺たちの訓練に加わるが……。

常に、というわけではない。

ただ見守っている時もあれば、参戦する時もある。

そして、彼女が動く時……。

それは際立っていた。

身のこなしが、決定的に違う。

より、軽く。

より、洗練されている。

ジャレッドのような、力による直撃ではない。

だが、決して弱くもない。

それは……「精密」だ。

あらゆる動きが、実行される前に思考され尽くしているかのような。

「昨夜の知らせの後で、ちゃんと眠れたかしら?」

腕を伸ばすストレッチを止めずに、アズミが言った。

彼女を横目で見やる。

「……寝たよ」

「それだけじゃ答えになってないわね」

「それで十分だ」

アズミが小さく笑った。

「相変わらず、変な子」

「あんたの方は、相変わらず喋りすぎだ」

「少なくとも私は、世界の終わりでも解決しようとしてるみたいに、天井を睨み続けたりはしないわ」

答えなかった。

だが、それだけで彼女は満足げに微笑んだ。

「……心配なの?」

今度は少しトーンを落として、彼女が付け加えた。

俺は前を見据えた。

「いいや」

一呼吸置く。

「ただ……新しいことだからな」

アズミは深く頷いた。俺が口にした以上のことを察したようだった。

「まあ……」彼女は呟いた。「なら、慣れていくしかないわね」

「問題ないさ」

「……だといいけど」

「喋るのをやめろ」ジャレッドが二人の方を向き、話を遮った。「喋る体力があるなら、稽古に回せ」

俺は木剣を手に取った。

手に馴染む重さを感じる。

慣れ親しんだ、感覚。

「アズミ」ジャレッドが付け加えた。「今日は、お前も入れ」

彼女は微かに微笑んだ。

「望むところよ」

午後の間ずっと、俺たちは稽古場で打ち合いを続けた。稽古が終わる頃には、シズカがいつものように冷たい飲み物を用意してくれていた。

俺はアズミを探した。

何だかんだ言っても、彼女と話すのは嫌いじゃなかった。

アズミは低い岩に腰掛け、膝を抱えて地平線を眺めていた。微風に揺れる髪の隙間から、尖った耳の先が覗いている。普段、彼女が注意深く隠している場所だ。

彼女は俺の気配に気づいていないようだった。

あるいは……単に気にしていないだけか。

「そこで盗み聞きしてるつもり……? それとも、何か言う気があるの?」

振り返ることなく、彼女が言った。

俺は小さく鼻で笑った。

「『盗み聞き』には意図がいる。俺はただ通りかかっただけだ」

「……そう」

彼女のトーンは、全く信じていないことを物語っていた。

俺は急ぐことなく歩み寄り、彼女の隣に同じような姿勢で座った。

数秒間、沈黙が流れる。

気まずくはない。だが、軽くもなかった。

「……故郷が恋しいか?」

俺は最後に尋ねた。

遠回しな言い方はせず、真っ直ぐに。

アズミはすぐには答えなかった。

指先で、地面から拾い上げた小さな葉を弄んでいる。

「毎日よ」

ようやく、彼女が口を開いた。

声は震えていなかったが、決して強くもなかった。

「なら……どうして帰らないんだ?」

問いが、自然と口から出た。

そして言葉にした瞬間、それが思っていた以上に複雑な問題であることに気づいた。

アズミは微かに微笑んだ。

だが、それは幸せな笑みではなかった。

「そんなに単純な話じゃないのよ、アリス」

彼女が俺の方へ顔を向けた。

その瞳は……その瞬間、別人のようだった。

より深く。より、疲れ切っている。

「私の故郷は、もう私が戻りたい場所と同じではないの」

俺は眉をひそめた。

「意味がわからないな」

「以前は……両親がいて、仲間がいて、森があったわ」彼女は説明した。「でも今は……みんなが生きているかどうかもわからない。あそこがまだ安全かどうかも。それに……私がまだあそこに属しているのかも、わからないのよ」

俺は沈黙を守った。

それに対する論理的な回答を、持ち合わせていなかった。

「それにね」彼女は再び視線を逸らして続けた。「……ここでも、見つけたものがあるから」

「俺の家族のことか?」

彼女は静かに頷いた。

「お母様……お父様……シズカ……」

少しの間を置いて。

「……そして、あなた」

瞬きをする。それは予想外だった。

「勘違いしないで」彼女は少し意地悪な笑みを浮かべて付け加えた。「他の人たちよりは、少しだけマシだってことよ」

「そいつは光栄だな」

「どういたしまして」

再び沈黙が訪れた。

だが、今度の沈黙は先ほどとは違っていた。

より、距離が近い。

「……嫌われているのか?」

俺は唐突に尋ねた。

アズミは困惑したように俺を見た。

「誰に?」

「外の……人間たちにだ」

彼女の表情が変わった。

悲しみではない。より、冷ややかなものへ。

「……全員ではないわ」

「でも、多くはそうなんだな」

それは問いかけではなかった。

彼女は言葉で返さなかった。その必要もなかったからだ。

「……もし見つかったら」俺は続けた。「また、同じことをされるのか?」

アズミは俺の視線を受け止めた。

今度の彼女の瞳には、柔らかさなど微塵もなかった。

「ええ」

即答だった。

明白で、残酷な現実。

俺は無意識に拳を握りしめた。

「……なら、単純な話だ」

「単純?」

「ああ」俺は彼女を真っ直ぐに見据えて言った。「もし、奴らがまた手を出そうとするなら……」

一呼吸置く。迷いからではない。

次に何を言うべきか、正確に理解していたからだ。

「……成功させはしない」

アズミは沈黙したまま、俺を観察していた。

俺が本気かどうかを解読しようとするかのように。

「アリス……あなたは魔法が使えないのよ」

「知っている」

「あいつらは使えるわ」

「わかっている」

「それでも、そんなことが言えるの?」

「ああ」

皮肉も傲慢さもなかった。

そこにあるのは、ただ……「決定」事項。

アズミは一瞬視線を落とし、そして……。

今度は、心からの笑みを浮かべた。

「……変な子」

「よく言われる」

「頑固者」

「それもな」

「それでも……」

彼女は再び顔を上げた。

「……ありがとう」

俺は答えなかった。

「あなたはいつか、欠落を抱えながらも強い誰かになるでしょうね」彼女は続けた。「でも、それが私のためにすることではないこともわかっているわ」

彼女は短く言葉を切った。

「家族のため……特に、これから生まれてくる弟妹のためにそうなるのね」

俺は黙って彼女を見つめた。

「あなたを見ていると」彼女は付け加えた。「その決意……そして、その年齢にはそぐわない成熟を感じるわ」

俺は静かに息を吐いた。

「三歳の時に俺が経験したことを、誰もが通るわけじゃないからな」

一瞬、視線を逸らす。

「……死ぬ奴もいる」

一呼吸。

「あるいは、出所さえわからない傷を抱えたまま育つ奴も」

ゆっくりと手を握り込む。

「そして、俺たちのように……」

再び彼女を見た。

「ただ、進むしかない者もいる」

「障害を乗り越えて、ね」

「だがそれ以上に……」俺は少し声を落として付け加えた。「何があろうと、アズミ。あんたも俺の家族の一員だ」

躊躇うことなく、彼女の視線を射抜く。

「苗字は違っても……俺にとっては、あんたたちも『ヴァンクロフト』なんだ。シズカもな」

アズミはすぐには答えなかった。

射抜くような俺の視線を、確かめるように見つめ返している。

風が再び俺たちの間を吹き抜け、彼女の髪を揺らした。隠されていた耳が露わになっても、今度は隠そうとはしなかった。

彼女の指先が、服の布地の上で微かに震えた。

「……そんなこと、簡単に言わないで」

ようやく漏れた彼女の声には、拒絶する力など残っていなかった。

彼女は視線を落とす。

「家族になるっていうのは、口先だけで決まるものじゃないわ」

沈黙。

彼女は深く、息を吸い込んだ。

「それは……たった一度しか、失えないものなのよ」

そこにあったのは怒りでも拒絶でもなく、「恐怖」だった。

彼女はゆっくりと顔を上げた。その瞳からは、もう冷たさは消えていた。

「そして、一度失ってしまったら……」彼女は続けた。「二度と、そんなものを信じられるとは限らない」

俺は動かなかった。視線も逸らさない。

「なら、今信じなくていい」

アズミは驚いたように瞬きをした。

「今日信じろとは言わない。明日だってそうだ」

俺は軽く肩をすくめた。

「だが、俺はここにいる。変わらずにな」

一呼吸。

「だから……必要なだけ時間をかければいい」

再び沈黙が訪れた。

だが、今度の沈黙は……。

距離感ではなかった。

アズミは一瞬、目を閉じた。

そして目を開けた時……。

「ありがとう」とは言わなかった。

微笑みもしなかった。

だが、その表情は……。

和らいでいた。

ほんの、わずかに。

「本当に、変な子……」彼女は呟いた。

だが今度は……。

嘲笑うような響きはなかった。

アズミは立ち上がり、軽く服の埃を払った。

「行きましょう、お昼の時間よ。お母様、遅れると怖いわよ」

俺は口角を上げた。

「わかってる、今行くよ……」

急ぐことなく、二人で戻った。俺たちより先に、料理の匂いが迎えに来てくれた。

キッチンに入ると、シズカがすでに準備を整えていた。テーブルはいつものように完璧に整頓されている。母様はその隣で、盛り付けを終えるところだった。

「アリス、お帰りなさい。今日の訓練はどうだった?」母様が微笑みながら尋ねた。

「最高だったよ、母様……親父が今日はやりすぎだったけどな」俺は席に座り込みながら答えた。「それにアズミも手厳しかったし」

俺は彼女を見ずに指差した。

「不公平な戦いだったよ。俺のような無垢な魂に対して二人がかりなんて」

「無垢……?」アズミが片方の眉を上げた。

「完璧にな」

「そうね……無垢で、おまけにズル賢いわ」シズカが俺の前にグラスを置きながら付け加えた。

「『策士』と言ってくれ」俺は誇らしげに訂正した。

ジャレッドが自分の席から低く笑い声を漏らした。

「それで夜ぐっすり眠れるなら、好きに呼べばいい、息子よ」

「勝てればそれでいいんだ。それが重要だろ」

「死にかけてたじゃない」アズミが追い打ちをかける。

「些細なことだ」

俺はフォークを力強く握り、食事の準備を整えた。あの訓練の後だ、牛一頭でも食い尽くせる気分だった。

料理の塊を突き刺し……。

まさに口に運ぼうとした、その時――。

消えた。

俺は瞬きをした。

フォークは……空っぽだった。

「……」

ゆっくりと視線を落とす。

そこに、奴がいた。

エリガクだ。

テーブルの上に居座り。

俺の獲物を、口に咥えて。

「……またかよ」俺は呟いた。

猫は俺の視線を受け止めたまま……この上なく冷静に……咀嚼していた。

「おい! それは俺のだぞ!」

手を伸ばすが――。

遅すぎた。

奴は屈辱的なまでの敏捷さで後ろに飛び退き、俺の手の届かない場所に着地した。

「シズカ! またやってるぞ!」

「アリス様、自分の皿も守れないようでは……」ジャレッドは視線を上げることなく言った。「食べる資格はありませんな」

「本気で言ってるのか!?」

「生存競争の掟よ」アズミが明らかにこの状況を楽しみながら付け加えた。

「ただの猫だぞ!」

「そして、今のところ彼女の勝ちね」

俺は今度はもっと素早く、別の塊を口に運ぼうとした。

――失敗だ。

ぼやけた影が走り。

またしても――。

虚空。

顔を向けると、ちょうど奴が俺の食事を戦利品のように持ち去るのが見えた。

「……これはもう、個人的な恨みだ!」

数秒間の、馬鹿げたほど無意味な追走劇の後、俺は敗北を認めて足を止めた。

席に戻る。

沈黙。

皿の中身は……本来あるべき量よりも、怪しいほど減っていた。

「……」

俺は溜息を吐いた。

「いつか……絶対に勝ってやる」

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

最強の軍人だった俺が、まさかメス猫の一匹に食事を奪われるとは……エリガク、恐るべき敵です(笑)

さて、この物語を支えてくださる皆様を、これからは私の精鋭部隊**『シャドウ・コマンド (Shadow Commandos)』**と呼ばせてください。

もしエドゥアルド(アリス)の新たな任務を援護してくださるなら、ぜひ【☆☆☆☆☆】の評価やブックマークで、部隊の一員として力を貸してください!

次回の更新、作戦開始をお楽しみに!

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