全員がツンデレな世界 ー宿命の対決ー
二人の熱い戦いを楽しんで頂けると嬉しいです。
これはある国の話。二人の宿敵がいた。
方や最高の剣士、方や最強の戦士と並び称されていた。
誰かが言った
『どちらが強いんだろう……まぁどっちでもいいんだけどね……ちょっと気になっただけだし』
と……。
戦士
「お前が、あんな戯れ言を真に受けるとはな」
剣士
「ふっ、お前こそ……試してみたかったのだろう? お互いの力を」
戦士
「そ、そんなことはない……戯れ……戯れさ」
剣士
「お、俺も戯れだけどな……お前と手合わせしたかった訳じゃないからな」
戦士
「ふーん、本当かな?」
剣士
「ほ、本当だ」
戦士
「へー……じゃあ、おしゃべりは終わりにして、そろそろ始めますか……」
二人の間に緊張が走り、お互いが見つめ合う。
「モー」
唐突に泣き出した牛の声を合図に、二人は動き出した。
舌戦とは異なり、剣士が先制の攻撃を仕掛ける。
剣士
「くらえ! スーパースピードサンダーフォース」
戦士は《スーパースピードサンダーフォース》こと神速の雷撃の具合を確認するため、敢えて正面から受け止めた。
戦士
「くっ……中々やる……しかし、まだまだな」
剣士
「貴様、わざと受けたのか……」
戦士
「わ、わざと受けた訳じゃないからな……べ、別に、お前の成長とか気になってないからな……俺、タフだし……ただ、ちょっときいたかもね……」
剣士
「ふっ、お前ならそうしてくると思って、手加減したよ……直ぐ終わるのはつまらないし……本当は長く戦いたいわけじゃないからね」
「ふふ」
「ははは」
二人は、お互いを愛おしむように笑った。
剣士
「お前の技も見せてみろ。フェアじゃないし……俺も受け止めてやる……べ、別にお前の成長を見たいからじゃないからな」
戦士
「強がりを……」
剣士
「一緒の……状態がいいし……」
戦士
「……え?」
剣士
「な、何でもない! 早く攻撃してこい!」
戦士
「どうなっても、知らないんだから! くらえ、全身全霊渾身必殺一撃斬り!」
戦士は《全身全霊渾身必殺一撃斬り》を放とうとする刹那、一つの思いがよぎった。
『これは、決まる……戦いが終わっちゃう……やだ……もうちょっと戦っていたい……
でも真剣にやらないと剣士に失礼だし……剣士も、手加減したって言ってたし、俺も手加減しちゃおうかな……
うーん迷っちゃう、でも、でも剣士なら受けきって、戦いが続けられるかも。
えーどうしよう……もーいっちゃえ。剣士なら受けられる!
うん、そういう信頼がある!』
それは、一瞬にも満たない時間だったかもしれないかも…
剣士
「くっ! そ、そんな攻撃、見切れるんだからな!」
剣と剣が交わり、閃光が走る。
戦士
「……受けきったか……流石だな」
剣士
「はぁ、はぁ、はぁ……ギリギリ……だったかもね……」
次の瞬間、二人は再び笑った。
ちょっと、なんで笑ったのか意味が分からないけど……二人だけにしかわからない「何か」ってやつ……嫌いじゃないけど。
戦士
「い、今までのは、本気じゃないからね……」
剣士
「お、俺も! ここからが本番ね」
そう言うと、再び激しい攻防が始まった……
お互いの気持ちを確かめ合うような、そんな攻防……ちょっとキモい……
でも男の子っぽくて、なんか……憧れみたいな、そんな感情が生まれちゃうな。
戦いが終わり……二人は地面に座り込む。
剣士
「引き……分けかな……」
戦士
「そういうことにしとく」
剣士
「……か、勘違いしないで。次に戦うときは、もっとちゃんと倒すから」
戦士
「……また、闘おうね」
剣士
「……えっ?」
戦士
「ふふ……何でもない」
二人は再戦の約束をした。
二人の結末はどうなるんだろうか……べ、別に気になるわけじゃないんだからね。
― 完 ―
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
多分、僕は疲れてるんです…なんでこんな…




