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第二章 邂逅

 違う世界へ飛び込んだ私の好奇心はあっという間に後悔へと姿を変えた。


 天界から飛び降りた瞬間はまだ良かった。澄んだ上空を引力に身を任せて突き抜ける感覚には、今までにない爽快と興奮が折り重なっていた。人間がわざわざ飛行機を飛ばしてまで高所へ行き、担いだパラシュートに命運を託して飛び降りる気持ちにも、そのときはなんとなく共感を差し向けることができた。

 ところが人間の活動圏内へと近付くにつれ、なんとも形容しがたい重さをその身にはっきりと感じはじめた。

 特に顕著なのは大気の粘度だった。飛翔の一切の邪魔をしない天界の大気とはまるで異なり、ここの大気は身体に吸い付くようにべたべたとまとわりつき、離れるという配慮を知らないらしい。

 その強烈な抵抗に私の両翼はまたたく間にしょげかえり、ただでさえ慣れているとはいえない飛翔の難度を、それこそ桁違いに跳ね上げた。はばたくたびに黒いススのような不快な何かが羽と羽の間に挟まり、翼の輝きを無遠慮にくすませる感覚もそれに拍車をかけた。

 ここまで勝手が異なる初めての空で、不格好ながらも墜落せずに浮いていられる飛翔センスだけは自画自賛したいところではあったが、役目を終えた木の葉のようにひらりひらりと上下左右を入れ替えながら自由落下に近い有様で宙を下っていては、いざ任務を果たさんと意気込んだところで私の気概の足を拙い技量が引っ張ることは明白であった。

 人間界における飛翔への慣れという思ってもいなかった最優先事項が食い込んだこともあり、それなりに空を飛び回れるようになったという自信を携えていざ対象者に接触しようと決心したのは、結局正午から――私の凝り性のせいでもあるが――随分と時間を過ごした後になってしまった。


 勤務先を上空からのぞくと既に対象者はいなかった。

 対面した際にどのような反応をされるか確実にはわからない以上、人間との接触は無関係の人影がないところで済ませることが望ましい。そこで、勤務先から帰宅するところを空から追跡し、建物の隙間にできた寂しい裏路地を通り抜けるタイミングで接触しようと考えていた。そこなら人目はなく、多少の話し声がしたところで表通りの人間に気付かれることもなく都合が良い。

 そのような完璧な計画をたてていたはずだが、想定外の時間を空中飛行の修練に費やしてしまったことで開幕から躓いてしまった。

 できれば当初から予定していたランデブーポイントを逃したくない。

 というよりも、その裏路地を通り抜けると対象者の住む自宅は間近だ。

 セールスや勧誘といった類いの訪問ですら人間は警戒するという。それが、天使を自称するような存在が玄関を叩いたというのなら、にべもなく追い返されるか、無視を決め込まれるか、警察でも呼ばれるか。

 だから、出だしが肝心なんだ。人智を超越するものが現れたと一撃の元に理解させて、訝しむ余地を相手に与えないことだ。そのためにも、可能な限りインパクトのある初対面を果たさなければならない。


 私は裏路地の上空まで直接向かった。

 建物から伸びる幾重もの光が歩道を照らして輝かせる表通りとは対照的に、はめ込まれた幾つかの窓からぽつぽつと明かりが漏れている程度の裏通りは、天界から下調べしたときよりもかなり薄暗く見える。

 ぶんぶんと唸るエアコンの室外機やコンクリートの壁を伝う雨どいから零れた排水が地面を所々湿らせながら、僅かばかりの人工の光によっててらてらと輝き、蠢く。

 上空からのぞき込んだ暗い一本筋はおぞましい生き物の口内のようにも感じられた。

 目下に広がる無機物の集合体は、……お前は一時の衝動に身を任せて間違いを犯してはいないかと、……余計な火遊びにうつつを抜かしてはいないかと、無言で問うているように思えたが、それとはまた別の観点を持つとするならば、……ここがお前の生涯におけるひとつの分岐だぞと、……覚悟が決まらないのであれば遅くはないから引き返した方がいいぞと、親切に忠告してくれているようにもまた思えた。

 案の定、裏路地の中程には既に人影がある。

 所々が擦れて色の剥げた茶色のオーバーコートを羽織る後ろ姿は、勤務先の鮮やかな青色の制服を着たそれとはまるで印象が異なるが、くたびれて覇気のない背中は目的の人物に相違ないという事実を如実に語っていた。

 そう分析している間にも後ろ姿は速度を落とすことなく歩を進めてゆく。


 ……心の準備をする余裕が欲しかったが、仕方がない。


 私はそっと対象者の背後まで高度を下げ、すっと息を吸い、声をかけた。

桜庭(サクラバ)ヒカル。西暦1993年5月5日生まれで間違いないですね」

 対象者は歩みを止め、ゆっくりとこちらを振り返った。

「私はエミエル・ストロベリーフィールド。あなたの寿命を止めにきました」


 ……しまった。思いっきり言い間違えた。

 ……寿命を止めにきたのではなく、寿命の供給を停止したことを告げにきたのに。


 厳かな雰囲気を出そうとしていつの日か講義で学んだ天使のポーズ――翼を広げて空中で静止して斜め四十五度の角度で両手を下へ降ろしつつ手のひらを相手の方へ向けて微笑む構え(これが人間にとって神秘的に見えるらしい)――までしたというのに。

 長めの真っ黒な前髪の間からのぞく対象者の目は、今まで観察してきた中で一番大きく開いて、そうして私の瞳を正面に捉えてまばたきひとつしなかった。無精ヒゲが点々と散らばる口元はほんの少しだけ開いては無言で閉じ、次に声に出すべき内容を探しているように見えた。

 思えば、こんなに間近で対象者の顔を眺めたのは初めてのことだった。

 天界から頻繁に様子を見ていたので初対面という気はしないが。


「……し、死神……?」

 長い沈黙の後、対象者はそんな疑問をまず言葉にした。

 そう思われても仕方がないのは完全に私の言い間違いのせいではある。

 が、寿命を奪いにきたなどと勘違いされることには納得できず、「違います! 天使です!!」と食い気味に訂正した。


 ……いやいや、そうじゃあないだろう。


 こっちから説明するまでもなく、一目見た瞬間に天使がやってきたと本能的に納得してもらうのが本来の目的だったはずだ。

 これではまるで、天使だから信じてくれと私から言い出しているように思われてしまうのではないか。そして、一度そう捉えられてしまえば、この後の人間の常識では理解しがたい話もまずは斜に構えて聞かれてしまい、片っ端から切り捨てられて聞く耳を持たれない可能性がある。

 そういう意味では自分は天使なのだと言い張る変人だと思われるよりも、まだ死神か何かの類だと思われた方が幾らかマシなような気はした。

 だけど、こいつは自分を殺しにきたんだと勘違いされたまま話を進めるのはやはり……


「そうか。天使か」

「……! そうです、天使です! 決して寿命を奪いにきたわけではないです!」

 だよな、と小さな呟きが聞こえた。

 死神ではないと聞いて安堵したのか、向かい合う相手の口角は少し上を向いているようにも見えた。そして実に幸運なことに、どうやら目の前にいる私という存在が、彼の属する世界から見て超常のものなのだという事実を、程度はどうあれ理解してくれたと思える。

「合ってるよ。たぶん俺がその桜庭ヒカルだ」

 対象者……桜庭ヒカルは、存外落ち着いた調子で私の質問に答えた。

 彼の声も初めてこの耳で実際に聞いたが、天界から観察してきた中で勝手に想像して補完していた声質と偶然にもほとんど一致していた。

 年齢25歳……

 身長178cm……

 未婚……

 この路地を出たすぐ先のアパートの一階で一人暮らし……

 自宅最寄りのレンタルビデオ店でのアルバイトで生計を立てている……

 いつもくたびれた古着を着ている……

 なかなかひげを剃らない……

 出不精……

 無口……

 天界から観察していた範囲で知っていることを本人確認も兼ねて告げると、「よく知っているんだな」と苦笑しながらヒカルはそれらの全てを肯定した。

「過去が見えたりするのか? それとも誰かに教えてもらったとか」

「天界から観察していたからです。天使の眼はとても優れているので大抵のことは見てきました」

 人間の眼とは外見こそ違わないが、天使の眼はそれを超越した機能を有している。

 天界から人間界をのぞきこんで蟻の行列が何匹で構成されているか数えることができる視力もあれば、集中して一点を見つめることで障害物の向こう側を透視する能力も、口元を凝視して同音異義語を識別する能力もある。

 なので、人間にとって俯瞰視点では直接見えないような物事も天使であれば見ることができる。たとえば勤務先でどんな仕事をしているのかということも、自宅で何をしているのかということも。


 そこまで説明して……少し前のことをつい思い返してしまった。

 布団で横になるもなかなか寝付けないのか、三日前のヒカルは夜更けにもかかわらず枕もとの携帯電話を適当に弄ったり、それを放り出して無理に目を閉じたり、かと思ったらまた携帯電話の待ち受け画面を意味もなくぼおっと見つめたりしていた。

 奇しくも、その時の私もまた昼寝のし過ぎが祟ったがために上手く寝付けず、よって然したる理由も目的もなく彼の姿を視界の内に収めて時間を潰していた。

 ヒカルの無為な退屈しのぎの繰り返しが二十分か三十分ほど続き、さすがにこれ以上眺め続けることに対する馬鹿らしさを私が感じ始めたそのとき、彼は布団から身体を外に出して立ち上がった。

 ヒカルは壁際の本棚の上に無造作に置かれていたティッシュの箱から二、三枚を引き抜いてから再び布団の上へ身を投げ出して、そうして……


「それで?」

「……いや、それだけです」

「……おい、ひょっとして三日前の夜も覗いていたりするのか」

 三日前どころか、私は三年前からヒカルの担当をしているのだ。

 そう返すと、ヒカルはばつの悪そうな表情でひょいと目線を足元へと逸らした。

 彼の身長を考えると少し細いようにも見える脚の片方はつま先で意味のない模様をとんとんと描き、それとは逆に割合筋肉質な両腕はコートのポケットに突っ込まれて空気を弄んでいた。

「いや……なんていうかあれだ、なんとなくそういう気分になったというか……」

 ひょっとして怒ってるのか、という質問には無言を返した。

 別に怒っているわけではない。天使には全くもって関係のないことだ。人間界の観察対象が何をしていようとも天界では誰しもが他人事で済ませる。

 ただ、実際にこうして面と向かって話をすることになった以上、私はなんとなく気まずい……それだけだ。


「とにかくっ、伝えることがあって私は天界から降りてきたんです」

 話題を変えるために切り出すと、「あぁ、聞かせてくれ」とヒカルが視線を再びこちらに向けた。

 想定していた滑り出しではなかったが、これでようやく本題に入れそうだ。

「あなたの寿命の供給ラインを停止したことを伝えにきたんです」

「それっぽいことはさっき聞いたよ。あの言葉通りに捉えればいいのか」

「いえ、寿命を止めにきたんじゃなくて、寿命の供給を止めたと言いたかったんです」

「何が違うんだ」

「人間の寿命は工場から常に供給されて後付けされるんですが、そのために必要な供給ラインに備わっているバルブを閉じたのでこれ以上寿命が延びなくなったんです」

「……わかるように説明してくれ」

 ヒカルの表情を正面にして私は態度を改めざるを得なかった。

 彼の反応が物語るように、人間には工場の存在も、寿命の後付けという概念もないのから先の説明では到底満足に理解してもらえるわけがない。というよりも、本来ならば天使や天界についてまずは話さなければならないだろう。


 ……さて、どこから説明すべきか。

 ……幸運にも天使と天界の存在くらいは朧気ながら信じてくれているらしい。

 ……それならば。


「天使たちは天界で人間の寿命を作っているんです。こう、命の水みたいな感じの」

「寿命ってのは液体なのか」

「たとえです。それで、その寿命はつつーっと天界から管を通って人間の口まで届くんです」

「その管がさっき言ってた寿命の供給ラインってやつか」

「そうです。そして寿命を飲み込んだ人間は、そのぶんだけ今の寿命が延びます」

「それが寿命の後付けって意味、か……つまりは輸血だな」

「……?」

「血液パックが工場とやらで、血液が寿命、点滴チューブが寿命供給ライン」

 その手当をしてくれる看護師が天使ってところかと、ヒカルは付け足した。


 ……驚いた。こうもすんなり理解してくれるとは。


 天界から観察していた分には、彼がここまで理解力に長けた人間だとは思っていなかった。

 先の説明は本当のことを言えば正確ではない。

 たとえば、天使が寿命を作るのではなく、天使や天界に満ちる「無」と呼ばれる、概念に近しいエネルギーを原料として回収した工場が、それを人間用の寿命へと変換しているという過程が正しい。

 だが、そんなことは重箱の隅をほじくり返すような些細な指摘でしかない。工場に関する講義を開いているギデオンが聞けば額のただでさえ深いシワが更に深くなることだろうが、人間という別種族に実際に説明するのは工場の管理者ではなく、人間界へ降りた天使の仕事だ。これくらいの大雑把な解説くらい、寛大な心で見逃してもらいたい。


「あなたの口に繋がっていた管の元栓が閉じられたのです」

「そして寿命をこれ以上貰えなくなった」

「あなたの寿命はこれから増えることはなく、減る一方になります」

「なるほど。つまり……」

 死ぬんだな、とヒカルが呟いた。

 声の調子に変化はなく、震えてもいなかった。私が予想していた通りの反応だった。

「全ての人間は天使に見守られています。一人に一天使ではなく、複数人を見る天使がほとんどですけど」

 私が三番目に見守ることになった人間がヒカルだということを告げた。

「私が初めて見守ることになった人間はアカリという元気な女の子でした。二人目はミクというちょっと病弱な女の子でした」

 アカリは一年間見守った後、交通事故に巻き込まれて救急搬送中に寿命が尽きた。

 ミクは三年間見守った後、手術中の不手際が原因で術台の上で寿命が尽きた。

 天使には見守っている人間の最期を見届ける義務がある。

 彼女たちの担当になり、寿命がなくなるその瞬間までを、私は見てきた。

 二人とも、寿命が尽きる最期の刻まで、生きる希望というものを捨てなかった。

「……ですが、あなたは何にもやる気を示さず、何事にも興味を持たず、心から欲する人が大勢いる寿命をただ受け取って無為に消費し続けていました。そうして、生きる目的を何ひとつ持つことも、持とうともしないまま生きて……」

 そうして一週間前、酒で泥酔した深夜の自室でこう呟いたのだ。

 死にたい、と。

 これが、ヒカルの寿命供給ライン停止の稟議書を提出した理由だ。

「……それが、天使の仕事なんだな」

「……死神だと思ってもいいですよ」

 そうだ。大鎌を振るって首を掻き切りはしないが、天使は寿命の供給を意図的に止めることができる。そうして、寿命を使う気がないような人間への供給を停止し、心から欲する人間へと配られる量をほんの少しでも増やす。寿命を貰えることが当然だと考える者の目には、そういう仕事熱心な天使の姿は、きっと……死神に映ることだろう。


 まさかと、ヒカルが返した。

 なんとなく目を合わせることができずに地面へと向けていた顔を思わず上げると、どこか憑きものが落ちたかのような、そんな真っ直ぐな瞳が私をじっと見つめていた。

「それを伝えに来てくれたんだな」

 私の予想していた反応ではなかった。

 寿命の供給ラインを停止した場合、稟議書を提出した天使かあるいは代理の天使が対象者へ直接その旨を説明しなければならない。それが寿命を消費し続ける一方にされる人間に対しての、せめてもの誠意だからだ。

 そのために人間界へと出張に行った天使は決まって同じ光景を見ることになるらしい。

 事実を知らされ、受け止め、そしてそれを伝えた天使を無気力に追い返す人間だと。

 天使に稟議書を提出されて実際にそれが可決されるような人間は、そもそも明日を生きる気力も目的もなく、自らの寿命をただ空費しているものだと捉えているケースがほとんどだと、とある上級天使の講義で聞いたことがある。だから寿命が減る一方になると聞いたところで大して狼狽はしない。

 ただ、そんなことをわざわざ伝えにきたのかと、天使を拒絶すると話していた。

 誰だっていつかは必ず死ぬ。

 当然のことをわざわざ教えにくるなと、そういう理屈だという。

 だから、「伝えに『来てくれた』」なんていう感謝混じりの言葉が返ってくるとは考えてもいなかった。

 だからこそ、言い出しにくかったもうひとつの目的を切り出すことができた。


「……天使には担当している人間の最期を見届ける義務があります」

「さっきの、アカリとミクの話みたいにか」

「普通は天界で見届けます。供給ラインを閉じた人間の場合も、その旨を伝えることが目的で降りてくるので、その後は天界に戻ります」

 出張の目的は二つ。

 ひとつは既に達成した。

 もうひとつは、「人間界で」その人間を最期まで見守り、そこから学びを得ること。 

「……すぐ隣で観察するってことか」

「あなたが迷惑なら天界に戻ります。こっちの目的は天使の義務ではないので……」

 ヒカルはぽりぽりと頭をかき、構わないとあっさり了承した。

 あまりに悩まない彼の即断に、むしろ私の方が躊躇いに近い心配を覚えた。


 ……これほど簡単に事が進むなんて。

 ……話し忘れたことはなかっただろうか。

 ……先に伝えておくべきことも、何かなかったか。


 本日二度目となる出所不詳のもやもやが喉元に絡まった。

 伝えておかなければならないことは幾つもある。

 特に「禁忌」に関しては共有し損ねていたなどでは済まされない。

 それ以外についても考え出すとキリがないが……


「ほら、これ」

 思案中に声を掛けられたことで、正攻法ではないにしても私の心の霧は一時的に払拭された。

「……? なんです、これ?」

「それ着てついてきてくれ。冷静になったら見る場所に困ってきた」

 差し出された裾の長い茶色のコートを手に取ると、ヒカルは裏路地の先へさっさと歩いて行ってしまった。


 ……人間は服を着て外を出歩くということは充分に理解しているが、天使にまでは強制しないだろうと思っていた。

 そもそも別種族を相手に気にかけることもないだろうと、それくらいの感覚だった。飼い猫や飼い犬に服を着せる人間はいるようだが、それは彼らに対する幾ばくかの健康上の憂いと自己満足といった話でしかない。

 まさか、見る場所に困ると正面切って言われるとは……


 また三日前のことを思い返してしまった。

 途端に耳の先が熱くなったような気がして慌ててコートを羽織り、足元に点在する水たまりを避けながら、裏路地の出口で待っている40cmほど背丈の高い影を追いかけた。

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