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【小話】リンゴのコンポート

 食器類を全て片付けて、鬼神様が仕事で出て行った頃、鍋、包丁、まな板を取り出す。紅玉を洗いまな板の上に置く。

 リンゴの料理と言えば、ジャム、アップルパイ、焼きリンゴ……様々あるけれど、ジャムはパンがないし、アップルパイは材料がない。そこで焼きリンゴを作ろうかと思ったけれど、違うものにしようと決めた。

まず、紅玉を縦八等分に切る。それを二個分する。皮と芯を落として鍋に入れる。水と砂糖を加えて弱火で煮込んでいく。二十分ほど経ち、透明感ができたところで火を消す。リンゴのコンポートのできあがり。後は冷やすだけ。ここ最近一日一食の生活が続いている。これが幽世のスタンダードなのか不明だけれど、もしそうなら結構しんどい。お腹が空いたときに手軽に摘まめる物が欲しい。そこで、保存がきくコンポートを作ってみたのである。

気がつくと、周りに五色鬼達が集まっていた。何を作っているか気になっている様子である。

「リンゴのコンポートです。ちょっと温かいですけど、食べてみますか?」

私は皿にリンゴのコンポートを五個盛って、居間に運ぶ。五色鬼達は爪楊枝を持って来てそれを刺して口に運ぶ。すると、顔を見合わせて、にんまりと笑った。

「鬼神様には内緒ですからね? また作りますから」

 私は口の前に人指し指を立てて、「シー」とやった。五色鬼も同じように人差し指を立てる。

 私は甕にリンゴのコンポートを詰めて氷室に向かった。

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