ー献辞 前書き
ー献辞
Shinozaki Rukaさんに
ー前書き
「夕焼けの街」と云う歌が好きで。商店街とギター女子の物語を書こうと思いました。新宿にしようか、札幌にしようか、地元岐阜の問屋町にしようか。色々迷った末に、高崎駅前にしました。鍛冶屋町と下横町の間に、上横町商店街を作って舞台とします。高崎城の出城の跡で岡になっており、商店街の終わりに夕陽が沈む設定です。では、さっそく高崎駅に向かうとしましょう。
ープロローグ
高崎駅の西口を降りて、バスターミナルを抜け、シンフォニーロードを美術館の北を抜ける。鍛冶屋町を南下して、上横町に入る。
シャッターの閉まった商店街の「広瀬シューズ」の看板の所に「ライブハウス デンタルミュージック」の入口が有る。
香澄はギターのソフトケースを背負い直す。
元々が靴屋で、歯医者の篠崎が買い取った。
地下に靴屋の店主が作ったカラオケルームが有り、診療が終わるとライブハウスになる。
歯医者の待合室を抜け、診療室を抜け、地下への階段を降りる。
10人程度が座れるソファーとカラオケDAM機材とステージが有る。天井から汚れたミラーボールが下がっている。
「香澄ちゃん早いね?まだ2時だよ?」
「講義無くなって、する事ないし。お金無いし、ギター弾かせてもらおうかなって」
篠崎はマイクセッティングをしながら言う。
「いいよ。何か弾いて。音合わせしよう。ちょっと早いけど」
香澄は丸椅子を自分で持って、ブームスタンドの所に置いた。
篠崎は16チャンネルミキサーに座る。
父親から貰ったモーリスをソフトケースから出して、チューニングする。
「ミノワ肉屋さん閉まってて、コロッケ買えなかった」
「箕輪さんコロナで、隔離入院」
「え~うそ。ひどいの?」
「呼吸困難らしい。面会できないから奥さんも様子は判らないって」
「大丈夫だよね。運が良い人だから」
「あの人は死なないよ」
「だよね」




