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レベル5 やっほいゴリアテ島上陸

 ゴリアテ島。

 それは断崖絶壁の孤島。

 上陸することはほとんど出来ず、たとえ上陸できたとしても凶悪なモンスターがはびこる悪魔の島である。

 かつてこの島に上陸するため人類が何度も挑戦し、その都度あきらめたと言われている。



 しかし今、オレたちはそんなゴリアテ島に上陸していた。



 …………っていうか、バカンスしていた。




「そーれ、ジェームズ! トスをあげましたわ!」

「ナイスですぞ、アリスお嬢様! せい!」


 ジェームズの掛け声とともに放たれるスパイク。

 そしてボールは砂浜に吸い込まれるように落ちていく。


「きゃああ! やりましたわ、ジェームズ!」

「やりましたぞ、アリスお嬢様!」

「さすがジェームズ。足がもつれる砂浜でこんなに身軽に動けるなんて驚きですわ」

「ふ。このジェームズ、かつてはビーチバレー界の撮影マニアと呼ばれてましたからな」

「って、それ全然関係ない上に褒められてないから!」



「くそう! アレルがきちんとボールをキャッチしていれば!」

「無理だよ! オレ、スポーツ苦手だもん!」

「それだからおぬしはモヤシ小僧の白ネギヤロウと呼ばれるのだ!」

「呼ばれたことないよ! ってかアキレウス、おま、オレをそんな目で見てたのかよ!」


 わいのわいのと叫ぶ中、ビーチベッドでサングラスをかけながら日光浴を浴びているミカエルさんがつぶやいた。


「平和ですねぇ」




──────………




 なぜオレたちがこんなに優雅にくつろいでいるかと言うと。

 事の発端は数時間前。


 いよいよゴリアテ島が見えて来るという段階になって、どこからともなく人魚の大群が押し寄せてきた。


 またもやモンスターかと身構えたオレたちだったが、人魚たちは攻撃することなくオレたちをゴリアテ島まで導いてくれた。

 そこで思わず目を疑ってしまった。


 人類未踏のゴリアテ島。

 そこにはでかでかと『WELCOME!』と書かれた巨大なアーチが立っていたのだ。



 しかも。

 しかもである。



 4人の絶世の美女たち(頭に角が生えているのでおそらくは悪魔であろう)が水着姿で出迎えてくれた。

 アキレウスはじめ、ジェームズさんやギョタロウはおおはしゃぎ。


 罠かも、などという疑惑は一切抱かぬまま船を降ろされ、綺麗なビーチに案内された。


「どうぞ、ここで満足するまでおくつろぎください」


 美女たちが帰ると、することもないのでみんなでビーチバレーを始めたというわけだ。





「にしてもすごいですなあ、ゴリアテ島は」

「まさかこんな夢のような島だったとは」

「まさにパラダイスだぜ!」


 アキレウスとジェームズさん、ギョタロウはすっかり意気投合している。

 この3人はもう一生この島から出ないんじゃないか?


「ふああああ、なんだか遊び疲れて眠くなってきましたわ」

「姉さん、さすがにこんな場所で寝るのは……」

「ZZZ…………」

「寝るなあああぁぁぁーーーー!!!!」


 マイペースなお姉さんもいつものマイペースぶりを発揮しているし。

 本当にこの島に魔王がいるのだろうか。



 と、その時。



 眩い光に包まれながら謎の3人組が海の中から飛び出してきた。


「どわあああああああ!!!!」

「あーーーーーれーーーーー」

「おっかさーーーーん!」


 謎の3人組は天高く舞い上がり、そのまま砂浜に落ちていった。


「ぶはっ! ペッペッ!」


 そのうちの一人。

 白いアーマーに身を包んだ青年がすぐに起き上がった。

 その青年の近くにいたメイド服姿の女の子も立ち上がる。


「アルスおうず、無事っすか!?」

「お、おう。大丈夫だ。メリルは?」

「あっしも問題ねっす!」

「バドロスは!?」

「きゅう……」


 最後の一人、髭面の大男が目を回して倒れ込んでいる。


「バドロス、無事か!?」

「目が……目が回っておりますぞ……いや、大地が回っているのか……天動説が当たり前のこの世の中でも地動説信者は数多く、今も語り継がれているとかいないとか……」

「よかった、大丈夫そうだな」


 突如現れた3人組に目を丸くする。

 なんだこいつら。


 アルスおうずと呼ばれていた青年はぐるりと辺りを見渡し、アキレウスに目を止めるといきなり剣を抜き放った。


「で、で、で、出たな! お前が魔王か! このイタリアーナ王国の王子アルスが成敗してやる!」

「アルスおうず、加勢するっす! たああー!」

「え、なんで!?」


 ……だいぶ失礼な人たちだった。




つづく

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