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番外:ガイアの夜明け的なゴリアテ島魔改造計画

「この島を魔改造しよう」


 突然そんなことを言ってきた魔王に、幹部たちは顔を見合わせた。


「ま、魔改造?」

「どういうこと?」


 困惑する幹部たちを代表してルシファーが尋ねる。


「魔王様、魔改造とはどういう意味ですか?」


 魔王は「うむ」と頷いて得意げに答えた。


「この島をリゾート地にして裕福な金持ちの楽園にしようと思う」


 誰もが「は?」と首を傾げる。


「考えてもみろ。この島は断崖絶壁の孤島。外界から遮断された特別な土地。つまりは現実世界から最も遠い場所にある島だ。ということは、リアルで疲れ切った人々が現実を忘れてのんびりできる場所になり得るのではないか?」


 ルシファーでさえも「は?」と首を傾げた。


「要はあれだ。この島を東京ディズニー〇ンド的なアレにしたいのだ」

「東京ディズ〇ーランド的なアレ?」

「そう。夢の国。昼間はパレードでにぎわい、夜は大々的に花火をあげる。そして島中のいたるところに隠れ魔王イラストも配置しようと思う」


 幹部たちは心の中で「アホだろ、こいつ」とつぶやいた。


「魔王様。そのお考えはけっこうですが、運営は誰が?」

「はい! やってくれる人!」


 魔王はまさにクラスの学級委員長を決めるノリで声をかけた。

 しかし当然ながら誰も手をあげない。


「ほらほら、どうしたどうした。遠慮せずにどんどん手をあげてくれたまえ。やりがいのある仕事だぞ?」


 身も心も疲弊しそうである。


「魔王様」

「なんだルシファー」

「さすがにこの島をリゾート地にするにはハードルが高すぎます。第一、断崖絶壁の孤島なのにどうやって侵入するのです?」

「運送便は入ってきてるじゃん」

「あの人たちは特別です。きっと特殊な訓練を受けてるのでしょう。今回の相手はパンピーですよ? どう考えても入って来れません」


 もっともな意見に魔王は腕を組んだ。


「ふうむ。じゃあ暗黒龍を定期便で出すか」

「魔界最強の破壊王をシャトルバスのように言わないでください」


 困った魔王はポンと手を叩いた。


「よし、わかった! こうしよう! 断崖絶壁をなくして島の周囲をビーチにしよう!」


 もはやなんでもありである。

 幹部たちはため息をついた。


(なあ、こんなヤツが魔王やってていいのか?)

(人間界に就職していった四天王の気持ちわかるわあ)

(オレも転職しようかな……)


「んでもって、サキュバスやリリスに水着を着せて観光客を出迎えるというのはどうだ?」


 魔王の言葉に、再就職を考えていた幹部たちの動きが止まった。


(サ、サキュバス様……?)

(リリス様……?)

(ちょっと待て、魔界最高級の美女悪魔の水着……だと?)


「エキドナやラミアでもいいな。エキドナならノリノリでやってくれそうだし」


(エキドナ様……!?)

(ラミア様……!?)

(うぼうっふ……!!)


 魔界の美女四天王と言われる彼女たちの水着姿を想像して、幹部たちの鼻から鼻血が飛び出る。


「ゴリアテ島リゾート計画、誰もやりたがらないなら余が一人で……」

「「「魔王様、その計画、我らにお任せください」」」



 幹部たちは声をそろえて立ち上がった。


「ぜひとも最高級のリゾート地にしましょうぞ!」

「東京ディズニーラ〇ドに負けぬくらいの夢の国にして差し上げます!」

「おお、やってくれるか!」


 幹部たちの立候補に、魔王は満足そうに頷いた。


「ありがたい。予算は気にせず、どんどん島を開発していって欲しい。金が足りなくなったら金融機関で借りて来るから」

「はは!」

「魔王様、一生ついていきます!」

「必ずやこの事業、成功させましょう!」




 こうしてゴリアテ島は断崖絶壁の孤島から夢の国のリゾート地へと変貌を遂げる計画がスタートしたのであった。たぶん。




ガイアの夜明け おわり(ウソ)

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