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レベル2 我が名はアキレウス(アキレウス視点)

 かつて神は人にいくつもの試練を与えた。

 人はそのたびに試練を乗り越え、成長を続けていった。

 そして現在、神はさらなる試練を人に与えようとしている。


 “魔王”という強大な敵を作ることで。



「きたか、ついにこの時が」



 我が名はアキレウス。

 アーメリカ王国に住む勇者である。


「ねえねえ聞いたかい、アキレウス!」


 けたたましい音とともに寝室のドアを開けて中に入ってきたのは、我が友アレルだった。


「おお、誰かと思えば我が友アレルではないか」


 アレルは我に比べてヒョロヒョロな身体で軟弱な男だ。

 その昔、名のある魔物に襲われているところを助けてやったのが縁で、友人となった。


 今では兄弟のように仲が良い。


「いや、むしろ兄弟だな!!」

「なにが!?」


 ふふふ、照れるな、兄弟よ。


「と、ところでさ、アキレウス。聞いた? どうやらアーメリカ城で魔王討伐の勇者を募集しているみたいだよ」


 ああ、もちろん知っている。

 毎日、欠かさずアーメリカ城のミモたん……あ、いやいや、ミモザ姫のホームページをチェックしているからな。

 勇者たる者、情報はしっかりおさえておきたいところだ。


「知っているぞ、アレルよ。勇者になった者には、ミモたん特製オリジナルストラップがつくという話だな」

「うん、そうそう。このチャンスを逃す手はないよね。さっそく行こうじゃない」

「ああ、このチャンスを逃す手はないな」


 …………


 勘違いしないでいただきたいのだが。

 我は決してミモたん特製オリジナルストラップが欲しくて参加するわけではないぞ。

 勇者たる者、魔王を倒すことは使命なのだ。

 宿命といってもいいだろう。


 ミモたん特製オリジナルストラップは、


 た ま た ま (←強調)


 ついてくるだけだ。


 そこのところを理解していただきたい。



「はあ、楽しみだなぁ、ミモたん特製ストラップ……。なあ、アキレウス」

「このたわけが! この我がストラップ目当てで行くわけないだろう!」

「え? アキレウスはストラップいらないの? じゃあ、代わりにもらっていい?」




「い い わ け な い だ ろ う !!」




 なに寝ぼけたことを言っておるのだ。まったく。


「で、でかい声出さなくても、わかってるから。冗談だよ、ジョーダン」


 冗談にも程があるぞ。


「でもさ、確かあれ、先着100名だったよね。急がないと他の勇者にとられちゃうよ」

「な、なに?」

「なんでも限定品とかで、たくさん作れなかったんだって」

「それを早く言わんか!!」


 先着100名?

 こんなところでグズグズしている場合ではない。


「よし、我が友アレルよ。行こう。もう行こう。さっさと行こう」

「急かさないでよ、仮にも魔王討伐の旅なんだから、準備万全にしないといけないでしょ?」

「そ、そうか。そうだな」



 …………



 あ、確認のためにもう一度言っておくが、別にストラップが目当てとか、そういうのではないからな。

 誤解しないでいただきたい。




つづく



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