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第8話 留守番(前編)

「ただいまー」


って、まだ誰も帰ってきてないか。


俺は家の鍵をかけ、リビングに鞄を置き、そのまま風呂場に向かった。


誰も居ないせいか、シャワーの音がいつもより大きく響いた気がした。


俺を見ていた女って、誰だ…

俺は池田の彼女の話を思い出し、再びゾッとしながらも心当たりがないか考えた。


高校に入学して3ヶ月ちょっと、基本的に合同授業や行事以外で他クラスと絡むことはなかったから、可能性として考えられるのは同じクラスなんだよな…


黒髪セミロングの女子…駄目だ、全然思い浮かばない。

ここに来て、人への関心のなさが痛手となる。


それでも、俺は考えた。


黒髪、セミロング、眼鏡…

あっ!もしかして!!


同じクラスの女子の顔が思い浮かんだ。

確か名前は芹沢茜(せりざわあかね)


クラスではあまり目立たない女子だ。


いつも教室の端の方で学校生活を送っている印象だが、だとしても何で芹沢さんが?


いや、まだ芹沢さんと決まったわけじゃないけど…


ってか、俺、芹沢さんと話したことないし、恨まれるようなこともしてないよな。

いきなり、本人に聞くのも万が一違ったら失礼というかキモいよな。


「昨日?ファミレスで俺のこと見てた?」


うん、キモすぎる。やめよう。


ひとまず確証が得られるまでは変に詮索しない方がいいか。


今のところ実害はないし、何かあったらすぐに動けるようにだけしておくか。


シャワーを浴び終えた俺は、自分の部屋に向かった。


ピロリン(通知音)


1通のLINEが来た。相手は池田だった。


「お疲れー!咲から聞いたけど、お前大丈夫か?」


心配してわざわざ連絡くれるなんて、池田は本当にいいやつだ。


「あー、うん。相手が誰か分からないけど、とりあえず今のところは大丈夫そう。」


「ならいいけどさ、もし困ったらいつでも言えよ!」


「ありがとう!頼りにしてるよ!」


池田、彼女できて変わったな。なんていうか頼もしい男になった。

俺も彼女ができたら少しは変わるのかな…


そんなことを考えながら俺はベッドに寝そべった。


ピロリン(通知音)


静かな部屋にLINEの通知音が響いた…


俺は池田だと思って携帯を開いたが油断していた…

や、山岸さん!!


「おつー!何してるー(๑˃̵ᴗ˂̵)?」


ダメだ、やっぱり山岸さんからLINEが来るだけで緊張して、体に力が入ってしまう。


「お疲れ様。今、友達と夜ご飯食べて帰ってきてお風呂出たところだよ!」


「えー!いいなー(ㆀ˘・з・˘)私も行きたかった!」


(わらびっとスタンプ)


「いや、ご飯食べただけだし、山岸さん来ても楽しくなかったと思うよ。」


実際、山岸さんが来ることはないだろうけど、もし来たとしても山岸さん退屈しちゃうよな。でも、もし居てくれたら俺は楽しいというか嬉しいかもしれない…って、何考えてるんだ俺は。


「えーそうかなー(๑•ૅㅁ•๑)まあいいや!私は悠真と服買いに行く約束してるしね☆」


「あー、そうだね。ってか、本当にいいの?」


俺はずっと引っ掛かっていた。

山岸さんみたいな学年中で人気な人が俺と一緒に買い物なんてして、誰かに見られたら嫌じゃないのか、変な噂が立ったら困らせてしまうんじゃないかと。


「いいの?って何が(⁎⁍̴̆Ɛ⁍̴̆⁎)?」


「いや、ほら俺と歩いてるところ見られたら変な噂とか立つだろうし迷惑じゃないのかなって…」


俺は自己肯定感低すぎるから、すぐに卑下してしまう。良くないって分かっているけど、どうにもこうにも上手くいかない。


「別に噂したいならさせておけば良くない(OvO)どんだけ言われようが私達が否定してれば、それが事実な訳だし、別に私は悠真と噂されても大丈夫だよ☆」


山岸さんは強いな。確かに当事者が否定すれば、それが事実になるもんな。それにしても、俺と噂されても大丈夫っていうのはどう解釈するのが正解なんだ…


「そっか、ありがとう!山岸さんの気持ちが聞けて安心したよ。」


「なんか、悠真さ昨日よりもLINEの文章が柔らかくなった気がする!話しやすくていい感じ(๑˃̵ᴗ˂̵)」


なんだよ急に。俺は照れ臭くなってしまった。


「ありがとう。ちょっと頑張ってる!あ、そう言えば足の怪我はもう大丈夫?」


「何ー!心配してくれるの(//∇//)嬉しい!もう大丈夫だよ☆ただ、私も気が付かなかったんだけど、あの時、保健室のベッドで体調崩して、芹沢さんが寝てたみたいなんだよねー。」


芹沢さん…俺は嫌な予感がした。


「私たちあの時、結構話してたけど、変な話はしてないよね?」


「大丈夫。話した内容、覚えてるけど、別に誰かに聞かれて困るような話はしてなかったはずだよ!」


俺は必死に話した内容を思い返した。

うん、大丈夫だ。変な話は間違いなくしていない。ただ、保健室に芹沢さんが寝ていたことや、ファミレスで誰かに見られていたことが引っかかって、俺の中で、芹沢さんだという確信に近づいていった。


ただ、そうだとしても理由が分からなかった。

初投稿の作品になります。

社会人をやりながらの投稿なので不定期になりますが、最後まで書き上げられるように頑張ります。


いつかは書籍化やアニメ化なんて夢も見ていますが、素人なので温かいご意見だけでなく、厳しい意見もいただけると嬉しいです!


オリジナル作品ではありますが、その時に見ている漫画やアニメに影響されてしまうこともあると思います。すみません…


これから一生懸命書いていくので、読んでみて少しでも続きが気になったらブックマークや評価をお願いします!

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