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第30話 高鳴る鼓動

これは想定外の状況だ。


俺は今、山岸さんの部屋にいる。


「悠真、何で正座なの?w足崩しなよ!」


「あ、う、うん!」


駄目だ。緊張し過ぎて無意識に背筋まで伸びてしまう。


「あ、あの、ぬいぐるみ。飾ってくれてるんだね!」


俺はわらびっとのぬいぐるみを指差して言った。


「うん☆毎日、抱っこして寝てるー!」


「そ、そうなんだ。」


なかなか会話が続かない。


「悠真さ、なんか緊張してない?」


「え、あ、そそ、そうかな?」


明らかに動揺しているのが伝わってしまった。


「ほらw喋り方とか変だし!w」


「ごめん。女子の部屋とか初めて過ぎて、緊張しちゃって…」


変に隠すよりも正直に伝えた方が良いと思い俺は自白した。


「何それwそんな緊張する中でもないじゃん☆」


少しの沈黙が流れる…


「まぁ、いいや☆」


そう言うと、山岸さんは俺に顔を近づけて来た。

なんとなく、いつもより真剣な顔に見えた。


「悠真……しない?」


え!今、何て言った?俺の聞き間違いか?

いや、たった三文字。聞き間違えようがない。


「え?…や、山岸さん、今、、何て言ったの?」


「ごめんね、悠真…でも、私…」


山岸さんの不安そうな表情が胸に突き刺さる。

ここは俺も覚悟を決めないと。


「あ、えっと…俺も山岸さんとしたいというか、そこまで真剣に思ってくれてるって知らなくて。」


「う、うん…」


山岸さんは少し照れくさそうに下を向いた。


「山岸さんに言わせちゃってごめん。」


「違うの!本当はもっと早く、伝えたいって思ってたの。今日の打ち上げも本当に楽しくて…でも、ふとした時に不安になるっていうか…」


ここまで俺のこと思ってくれてたなんて…

何で俺はもっと早く気が付かなかったんだ。


「今日、逃したらもう言えないと思って。私のわがままなのに本当ごめん。でも、私、悠真としたい!」


これは確定だ。きっと一緒に行動してるうちに俺のことを好きに…いや、俺なんかがそんな対象に見られる訳がない。でも、この状況で誘われてるんだぞ?これで脈なしとか逆にありえない…と、俺の中で肯定派と否定派が暴れ出した。


「俺も…俺も山岸さんとしたい!!」


肯定派の勝利!

その瞬間、山岸さんの表情が一気に晴れた。


「悠真ありがとう!じゃあ、準備しよっか…」


やっぱり、そういうことだよな。

俺も覚悟決めないと…

これ以上、ダサいところは見せられない。


山岸さんは立ち上がり、手際良く準備を始めた。

ってか、準備って何すれば良いんだ?


「ちょっと暑いよね?エアコン入れよっか☆」


普通の会話なのに山岸さんが艶っぽく見えた。


「あ、うん。ありがとう。」


俺は結局、どうすればいいのか分からず動けずにいた。


「あれ?悠真は準備しないの?」


「あ、ああ、今するよ!」


山岸さんは部屋のカーテンを閉めた後、髪の毛をヘアゴムで一つに束ねた。


「悠真、お待たせ!それじゃあ、よろしくね☆」


「へ…?」


俺は目の前の光景を見て、大きな勘違いしていた事に気が付いた。


机の上には、教科書やノート、筆記用具が並べられていた。


「悠真が居てくれて本当に良かったよ!前に悠真、教えてくれたじゃん?試験終わったら自己採点した方が良いよって!でも、私、そもそも正解が分からないから自分で採点とかできなくてさーwだから、悠真と一緒にやれたらなーって思ってたんだ☆今日の打ち上げもめっちゃ楽しかったけど、ちょいちょい不安で、今日やらないと絶対寝れないと思ってたんだよねーw」


否定派の逆転勝利!

俺は浅はかな自分の考えと限りな0に近い可能性に期待したことを心の底から恥じた。


「あ、あーそうだよね。自己採点、うん。すごい大事だよねー。俺の言ってたこと思てたんだね。偉いじゃーん。」


言葉に感情が入らないぐらい放心状態になっている。

その後もしばらく、その状況は続いたが山岸さんが真剣に取り組んでる姿を見て、段々と冷静さを取り戻した。


自己採点は1時間程度で終わった。


「あー!終わったー☆」


「お疲れ様!この感じなら赤点大丈夫そうだね!」


「うん☆ありがとう!」


山岸さんは手をパーにして高く上げた。

何だこれ?俺はぼーっと見てた。


「ねえ!ハイタッチでしょ!w」


「あー、そういうことか!」


俺たちはぎこちないハイタッチをした。

正直、この短期間でここまで伸びるとは思ってなかった。


多少の赤点は覚悟していたけど、採点が間違ってなければ全教科、赤点は回避できていると思う。


山岸さん、俺が居ないところでも本当に頑張ってたんだろうな。


もし、赤点がなかったら何かお祝いしてあげたいな。


「俺、そろそろ帰るよ!」


「うん!今日はありがとう☆」


玄関まで見送ってもらい俺は家に帰った。

今日は本当に早まらなくて良かった…

初投稿の作品になります。

社会人をやりながらの投稿なので不定期になりますが、最後まで書き上げられるように頑張ります。


いつかは書籍化やアニメ化なんて夢も見ていますが、素人なので温かいご意見だけでなく、厳しい意見もいただけると嬉しいです!


オリジナル作品ではありますが、その時に見ている漫画やアニメに影響されてしまうこともあると思います。すみません…


これから一生懸命書いていくので、読んでみて少しでも続きが気になったらブックマークや評価をお願いします!

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