第23話 勉強会(後編)
2024年1月16日 14:45に
第二十二話 勉強会での出来事(前編)の内容を
一部変更しました。
上記時間より前に「第二十二話」を読まれた方は、遡ってから「第二十三話」をお楽しみください。
よろしくお願いします!
今日の夜ごはんはカレーライスとシーザーサラダ、それからコンソメスープ。
「いただきます!」
山岸さんはスプーン山盛りのカレーを頬張り、幸せそうな顔をしていた。
「んー!美味しいです!」
「そんなに喜んでもらえると嬉しいわ!」
山岸さんの反応に母親も上機嫌だった。
「美羽ちゃん、今日の勉強会はどうだった?」
「まだまだ、苦手なところはありますが悠真君に教えてもらったので頑張ろうと思います!」
自然と山岸さんと視線が合いなんだか照れくさかった。
「ご馳走様でした!とても美味しかったです!」
食事の後、俺たちは一度部屋に戻った。
もう、外はすっかり暗くなっていた。
「遅くなっちゃったし送るよ。」
「え!そんな悪いよ!家、近いし大丈夫☆」
一人で帰すのも心配だったが、もう少しだけ一緒に居たいと思った。
「でも、危ないから…」
「じゃあ、お言葉に甘えさせてもらおうかな☆」
帰り支度を終えて玄関に向かった。
「今日はお邪魔しました。」
「いいのよ!また、いつでも来てね!」
帰る間際、山岸さんは母親と歩く会話をし俺たちは家を出た。
暗い夜道、いつもより会話が弾んだ気がした。
「今日はありがとね!そう言えば、池田君たち結局来なかったね。」
「あ、ああ、そうだね!後でもう一度、連絡来してみるよ!」
「まあ、全然気にしてないけどさ!きっと事情があるんだと思うし、私も悠真と二人だったから集中して勉強できたなって☆」
山岸さんの言葉に、俺は嬉しさを感じながら少し恥ずかしくなった。
途中、赤信号で足が止まった。
「悠真、これからもよろしくね!」
山岸さんが優しく微笑んで言った瞬間、胸が高鳴った。
「もちろん!一緒に頑張ろうね。」
信号が青に変わり、止まった足が再び動き出す。
しばらくして天宮駅に到着した。
「今日はありがとう!もう近くだからここで大丈夫!」
「わかった。気を付けてね。」
別れを告げ山岸さんが駅の反対側に向かって歩き始めた。
少し離れたところで山岸さんが振り返り手を振った。
その瞬間、俺は心地よい疲労感と幸福感に包まれたような感覚になった。
山岸さんの後ろ姿を見送ったあと、俺は池田にLINEした。
「今、別れたよ。裏切者!」
既読はすぐに付いた。
「おいおい、恩人の間違いだろ!wにしても、遅くまでやってたんだな。」
俺は池田に山岸さんがうちで晩ごはんを食べていったことや駅まで送り届けたことを話した。
「それは想定外だなw何はともあれ無事に勉強会も終わって良かった!」
確かに冷静になれば、二人じゃなかったらこうはならなかったのかもしれない。
そう思うと、さっきの山岸さんの言葉を思い出した。
「私も悠真と二人だったから集中して勉強できたなって☆」
俺は思い出すだけで、ドキッとしてしまった。
「池田、サンキュー。」
家に着き、部屋に戻るといつもより静かな気がした。
さっきまでここに山岸さんが居たんだよな。
俺しか居ないはずの部屋に少しだけ山岸さんの香りがした。
ピロリン(通知音)
「悠真!今日は勉強教えてくれてありがとう☆」
山岸さんだった。
「うん、次回は英語だね!もう家に着いたの?」
「着いたよー!英語は嫌い(*´▽`*)あ!おかあさんにもご馳走様でしたって伝えておいて!」
さっきお礼言ってたのに礼儀正しいんだな。
あとは池田のこと伝えないとな。
「わかった。あと、さっき池田から連絡があって、今日彼女が体調崩したみたいで、それで連絡が遅くなったみたい。」
「そうだったんだー。それは大変だったね。でも、連絡付いて一安心だね☆」
山岸さんは池田たちが来なかった理由より、連絡が付いたことに安心していた。
山岸さん、嘘付いてごめん。
「今日は結構、詰め込んだから無理しないで休んで!」
「うん☆ありがと!じゃ、お風呂入ってくるねーΣ੧(❛□❛✿)」
「うん、またね!」
LINEが終わった後、俺は山岸さんと一緒に居た部屋をもう一度見渡して、お風呂場に向かった。
初投稿の作品になります。
社会人をやりながらの投稿なので不定期になりますが、最後まで書き上げられるように頑張ります。
いつかは書籍化やアニメ化なんて夢も見ていますが、素人なので温かいご意見だけでなく、厳しい意見もいただけると嬉しいです!
オリジナル作品ではありますが、その時に見ている漫画やアニメに影響されてしまうこともあると思います。すみません…
これから一生懸命書いていくので、読んでみて少しでも続きが気になったらブックマークや評価をお願いします!