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第22話 勉強会(前編)

俺は今、自分の部屋にいる。


テーブルを挟んで、正面には山岸さんが座っている。


……なんだ、この状況は。


数日前のこと

「山岸さん!」


「どうしたの、悠真?」


山岸さんは今日も変わらず可愛い。少し緊張しながら、俺は話を切り出した。


「勉強会なんだけど、池田も一緒で大丈夫かな?」


「全然いいよ!むしろ教えてもらう立場だし、私。」


山岸さんははにかみながら笑った。了承を得た俺は、早速池田のもとへ相談に向かった。


「池田、頼みがある!」


「急にどうした?」


池田は俺の必死な様子を見て、少し笑いながら言った。俺は全部を打ち明けた。


「要するに、お前は山岸さんが好きになって、二人で勉強会するのが緊張するから、俺にも来てほしいってことだな?」


「……そう、だな。」


池田は少し考えた後、条件を出してきた。


「わかった。ただし、条件が二つ。一つ目は咲も呼ぶこと。二つ目は、目立たない場所でやることだ。」


「廣井さん?なんで?」


俺は条件の意図がわからずに聞き返した。


「俺だって山岸さんとはそんなに交流ないし、同性がいた方が気まずくないだろ。それに、芹沢さんへの配慮だよ。前にちょっとあっただろ?」


池田の言葉を聞いて、俺は心底感謝した。同時に、自分が狭い視野でしか考えていなかったことが恥ずかしくなった。


「ありがとう、池田。俺、そういうこと全然考えてなかった。」


「別にいいよ。困ったときはお互い様だろ。咲には俺が連絡しておくから、お前は部屋を片付けとけよ。見られたらまずいものとか、あるだろ?」


「……へ?」


意味がわからずに、変な声が出た。


「へ?…じゃねえよ。目立たない場所って言ったら、お前の家が一番だろ!」


「ちょ、ちょっと待て!それは――」


池田はじっと俺を見つめ、意気地なしと言わんばかりの圧力をかけてきた。


「……わかったよ。」


俺が折れると、池田は満足げに去っていった。


家に帰った俺は、山岸さんにLINEを送った。


「勉強会なんだけど、池田と池田の彼女も来ることになったけど、平気?」


すぐに既読はついたが、10分経っても返信がない。こういうときって、妙に時間が長く感じるんだよな。


さらに10分が経ち、ようやく返信が来た。


「むしろ助かる!池田君、彼女いたんだね、知らなかった!」


山岸さんが快く承諾してくれたので、ほっとした。


「あと、勉強会の場所、うちでもいいかな?」


既読はすぐについたが、また返信が来ない。


すると、15分後に返事が来た。


「えー!楽しみ!男の子の部屋で勉強会とか青春っぽい!」


嫌がられてなかったようで、安心した。俺は大きく深呼吸して返信した。


「じゃあ、明後日の放課後、うちで。」


「りょ!でも、変なことしないでよ~(笑)」


その文を見て、俺は顔が赤くなった。どう返事したらいいのかわからない。


というわけで、今に至る。


だが、なぜか池田も廣井さんも来ていない。LINEを送っても既読がつかない。


そのとき、母さんが部屋に入ってきた。


「いらっしゃい。」


「お邪魔してます!黒瀬君と同じクラスの山岸美羽です。」


「まあ、そんなにかしこまらなくていいのよ。ゆっくりしていってね。」


そう言って、母さんは麦茶を置いて出ていった。


「池田たち、連絡来ないし、先に始めようか。」


「はい!よろしくお願いします!」


山岸さんは深々とお辞儀をした。


「じゃあ、まずは苦手なところを確認していこうか。」


それから一時間、山岸さんの苦手な教科を確認した。正面にいる山岸さんは本当に可愛くて、いい香りがする。


一時間ほど経った頃、池田から返信が来た。


「二人でごゆっくり!」


俺は慌ててLINEを閉じた。こんなこと、山岸さんには言えない。


「あの……ほぼ全部、苦手ってことでいいのかな?」


「はは……そう、みたいです。」


山岸さんは少し恥ずかしそうに、俺を見上げてきた。


「正直、残り数日で全教科をどうにかするのは厳しいと思う……」


「えーん、悠真、見捨てないで!」


山岸さんはテーブルに頭をつけて、嘆いた。


「でも、出題範囲を絞れば、いけるかもしれない。」


「本当!?頑張ります!」


俺はテスト範囲を伝えて、暗記科目は一人でやってもらうことにした。問題は英語と数学だ。特に数学は壊滅的だった。


「今日は数学を集中的にやろう。暗記科目は一人でできるから、少しでも点数を取れるように。」


「うん!頑張る☆」


その後も勉強は18時過ぎまで続いた。山岸さんの努力もあって、なんとか赤点を回避できそうな手応えはあった。


そろそろ終わりかな、と思っていたところ、母さんがまた部屋に入ってきた。


「美羽ちゃん、もし時間が平気だったら、晩ごはん食べていかない?」


「えっ!そんな、悪いです!」


すると、山岸さんのお腹が「ぐーっ」と鳴った。


「食べていったら?」


「……はい、いただきます。家に連絡だけしてもいいですか?」


こうして、山岸さんがうちで晩ごはんを食べていくことになった。

初投稿の作品になります。

社会人をやりながらの投稿なので不定期になりますが、最後まで書き上げられるように頑張ります。


いつかは書籍化やアニメ化なんて夢も見ていますが、素人なので温かいご意見だけでなく、厳しい意見もいただけると嬉しいです!


オリジナル作品ではありますが、その時に見ている漫画やアニメに影響されてしまうこともあると思います。すみません…


これから一生懸命書いていくので、読んでみて少しでも続きが気になったらブックマークや評価をお願いします!

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