第20話 告白(後編)
目を覚ましたのは19時前だった。
最近、疲れているせいか、すぐに寝落ちしてしまう。
俺は芹沢さんの告白について、池田に相談した。
「もしもし、今大丈夫?」
「おう、どうした?山岸さんとのデート自慢か?」
「いや、そうじゃなくて…」
「バーカ!わかってるよ!wで、どうした?」
俺は山岸さんと一緒に出掛けてた時に、芹沢さんと鉢合わせたこと、そして告白されたことを伝えた。
「なあ、思ってた以上に話が重すぎんだが…デート話の方がまだマシだったわ。」
「だよな、ごめん。」
「まあ、お前の気持ちを一番に優先すべきなんじゃね?好きじゃない子と付き合えないって思うなら、それが答えだろ。」
俺は自分の考えが間違ってないんだと自信が持てた。明日、付き合えないとはっきり伝えよう。
「ありがとう。助かったよ。」
「おう、頑張れよー!」
電話を切るとLINEが来ていた。相手は山岸さんだった。
「おつー☆返信遅くなってごめんね!期末試験マジで無理なんだけど(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)」
「大丈夫だよ!勉強大変だけど頑張ろう。ほら、小林さん頭良いし教えてもらったら?」
本当は俺が教えてあげられれば良かった。ただ、残念ながら俺もそこまで頭が良いわけではない。
「それが、楓はバイトが忙しくて、一緒に勉強できないっぽいんだよねー。詰んだ.°(ಗдಗ。)°.」
「あー、そういうことか。あの、もし良かったら俺が教えようか?そんなに勉強できるわけじゃないけど、人並には教えられると思う。」
断られたらどうしよう。そんな不安を抱きつつ俺は返信を待った。
数分後、わらびっとのスタンプが連投された。その後、メッセージが来た。
「お願いします(⁎⁍̴̆Ɛ⁍̴̆⁎)」
「うん、一緒に頑張ろうね!」
俺は山岸さんにも芹沢さんの件を伝えるべきか迷った末、伝えることにした。
「俺からも良いかな?」
「うん!どーしたの?」
「実は今日、学校の帰りに、芹沢さんに告白されたんだ。」
既読は付いたが返信が来なかったので、そのまま続けた。
「でも返事は要らないって。気持ちだけ伝えたかったからって言われたんだ。」
「そっか。で、悠真はどうするの?」
俺はそのままの気持ちを送った。
「やっぱり気持ちがない子と付き合うのは、違うかなって思う。だから、明日返事をしようと思う。要らないって言われたけど、そこはちゃんと伝えないと駄目かなって。」
「そっか!悠真は優しいね☆きっと、芹沢さんも、そういうところに惹かれたんだろうなーって思うよ!」
なんだろう、山岸さんの言葉がすごく身に沁みる。
「そんなことないよ。でも、ありがとう!」
「いいえーΣ੧(❛□❛✿)大変だと思うけど頑張って!」
「ありがとう、落ち着いたら勉強会しよう!」
言い出したのは俺だけど、正直、俺なんかが山岸さんに勉強教えられるのか心配だ。