序章 勇者に転生
皆さんおはようございます、こんにちは、こんばんは
私は今回初めて小説を投稿しました。
なので駄目なところとか色々あると思うので言ってくださるとありがたいです!
楽しんでいただけましたら幸いです!
何の変哲もないごく一般的な人生だったと思う。あの日までは…
僕は五十嵐。この春に中学3年生になる。部活には入っていない。なにかしたら?と両親からは言われるが、特にしたいこともないのでこれでいいと思っている。
成績は普通の中の普通。良くもなければ悪くもないオール3である。彼女はいない。いや、別にほしくないとは思ってないよ?だけどさ、中学から付き合っても高校まで続くかわたんないじゃん?だからそういうことだよ。
趣味は現実逃避。やっぱさ、現実って辛いじゃん?だから自分が良いように想像するのを趣味にしてる。まぁ、時には現実も見るけどね。
そういう誰にするでもない自己紹介を想像しながら、五十嵐少年は夜道を帰宅中である。
全く、先輩も人が悪い。部活入ってないからって僕に委員会の雑務を押し付けてきて… 僕の大事な時間を返せー! まぁ、特にすることもないけどね
「はぁ…」
五十嵐少年の口から溜息がこぼれる。
なんかこう、面白いこと起こんないかな… 死んだ後って人はどうなるんだろうな… もし、異世界に転生したら何しよっかな〜? やっぱ魔法使いたいな。あー、後あれもしたいな…
と、いつもの調子で想像をふくらませる五十嵐少年。
「キャー! 誰か! そいつを捕まえて!」
そんな、よくあるドラマに出てきそうな言葉が聞こえた。
おっ、ここらへんで撮影でもやってんのかな? ちょっと見に行きますか。
五十嵐少年は、道の角を曲がり、悲鳴の聞こえた方に行ってみる。すると、前の方から怪しめな黒ずくめの男が走ってくるのが見えた。
あれ? これ、マジのやつだったんじゃね? あいつの持ってるのって、包丁? と、取り敢えず逃げないと不味くない? だけど、あいつは悪いやつだから捕まえないと!
普段はあまりない正義感がここに来て出てしまい、五十嵐少年は男を捕まえると決めたのだった。
「邪魔だぁ!」
男が包丁を突き出しながら走ってくる。
まずは、あの包丁をどうにかしないと… ん?
ドスッ、という鈍い音とともに激しい痛みが背中から押し寄せてくる。
「グッ… まじか、二人は聞いてねぇって…」
そのまま膝から崩れ落ちる。
ま、まあ、包丁は奪えたし… 後はあいつを、どうにか、する、だ、け…
そこで、思考が途切れてしまって、その後のことは思い出せない。だけど、これだけはわかる。僕は死んだ。でもなんで僕は今考えることができているんだ?
《はーい、お待たせしましたー! 五十嵐様、転生の準備が整いましたので、なにか要望がございましたらお申し付けください!》
可愛らしい声が脳内?に響く。
おー、転生かー… じゃないっ! おいおい、まじかー! 死んだ後ってこうなってるんか! よっしゃ! とりあえず、魔法が使える世界に転生したいでーす! あと、できれば僕にあったチートスキルをくださ〜い!
《かしこまりましたー! 要望はこれくらいでよろしいでしょうか?》
はい! あっ、記憶は残したいんですけどできますか?
《あー、それがですね、記憶の有無は確率なんですよー。だから、こちらからは何ともできないんですよー》
分かりました! じゃあ、これくらいで大丈夫です!
《かしこまりましたー! では、よい旅を〜!》
そこでまた、意識が途切れる。目を覚ますと、そこは雲の上だった。
お? 転成功したのかな? 体が赤ちゃんだから間違いない。あと、記憶もちゃんとあるから大成功だ! だけど、何で雲の上なんだ? それに、親とかいないのか? 捨て子?
そんな疑問を抱いていると、上から声がした。
「目が覚めたようですね、勇者様。私はこの世界の女神です。」
え? 勇者? よっしゃ! もうこれ勝ち組だ! 転生勝ち組だわ! はっはっはー! はい、茶番はここまでー。女神様から情報を集めないと。
「あなたに名前とこの世界の知識を与えます。ではまず、あなたの新しい名前はクロム、クロム=エスポワールです」
女神様がそう言うと、僕の心というか、生命の大事なところにクロム=エスポワールという名が、刻まれたような気がした。
クロムか… なんかかっこいいな!
「次に、この世界の知識と、なぜあなたが勇者に転生したのかを説明します」
女神様のながーい、説明がこの先から続くので、大事な部分をまとめてみたよー
この世界は昔、魔王によって支配されていた。その魔王は、“魔神王”、いわゆる神になろうと人間の魂を集めて進軍中であった。
そんな魔王を倒したのが僕の前の勇者で、今は、僕がその体を使ってるんだそう。前の勇者は、魔王を倒したが、殺すことはできず、封印をしたのだけれど、今、その封印が新生魔王軍によって解かれそうになっているらしい。新生魔王軍というのは、魔王が封印される間際に、寿命の半分を使って蘇らせた、旧魔王軍らプラス、新しく入ってきた者で構成されている軍だ。
まぁ、そいうことで、今結構やばい状態らしい。
世界構成は、元々、
魔界(下にあると言われている)が闇の世界(全ての魔物の根源。魔物しかいない世界。以上のことしか神様たちにも分かっていない未知の世界)、
地上が人の世界(人が住んでる世界。魔王襲来により、人口が激減)
光の世界(光の世界にはオーブを集めたものしか行けない。天使、神々しかいない神聖な世界で人の世界の上にある)
だったのだが、魔王と勇者の戦いが激しいあまりに、神様たちが作った次元が壊れ、世界を7つに分断してしまった。分かれたのはちょうど400年前だそうだ。
火の世界、火山が多くありとても暑い、
水の世界、すべての世界へと流れる川と海の水源がある、
氷の世界、雪が年中降り続けている極寒の地、
雷の世界、年がら年中、雷が落ちる危険な場所、
砂漠の世界、砂漠が広がっている、昼と夜の寒暖差が激しい世界、
森の世界、多くの植物に囲まれている広大なジャングルである、
風の世界、7世界の中で唯一四季があり、過ごしやすい世界、の7つに分けてしまった。
繋がりはランダムだという。
世界を隔てる異次元空間には多くの魔物や瘴気でいっぱいのため、ほぼ、各世界との連絡手段が無くなってしまったが、今では専用のワープポータルが開発され、徐々に連絡が取れるようになってきている。
スキルについては、脳に刻まれるらしく、覚える必要はないみたいだ。
新しく覚えるためには、それ相応の修業が必要らしい。
ちなみにこの世界の天使はスキルをみんな(魔物も)に与えてくれる非常に大事な存在。
天使に認められた者のみが、新たなスキルを手にすることができる仕組み。
まぁ、僕はそんな事しなくても、前勇者が覚えてくれた能力全部使えるからいいんだけどね。
「……というわけなのです。クロム、あなたにはこれから、7つの世界を巡って新生魔王軍を倒してもらいたいのですが、よろしいでしょうか?」
断る理由がないし、これを断ったら他にすることがないから、もちろん受ける。
「はい! 喜んで!」
「ありがとうございます。転送先は今魔王軍の目撃情報の多い風の世界にしますね。他の世界に行きたいときは、専用の能力があるのでそちらを使用してください。
あっ、言い忘れるところでしたが、あなたの右の手の甲にある痣は、勇者の紋章です。その紋章の力を開放することで、絶大な力を得られるでしょう。では、こちらの剣を差し上げます」
そう言うと、女神様は一本の剣を取り出した。
おー、かっこいい。この高そうな剣をくれるのか… 大事に使おう。
「この剣は“聖魔雷光神”という聖剣です。この剣は空間に収納可能ですので、いつでもどこでも出したり消したりすることができます」
「分かりました! ありがとうございます!」
「それと、風の世界に転送したら体が成長するように術式を施しておきましたので心配無用です。では、健闘を祈っています」
またまたここで意識が途切れ、目を覚ますとそこは丘の上だった。
さぁ~て、頑張っていきますか!
かくして、勇者クロムの果てしない冒険が今ここに幕を開けたのだった。
いかがだったでしょうか。
駄目なところや直した方がいいという箇所がありましたらお気軽にコメントしてくださるとありがたいです!
次回も読んでくれると嬉しいです!