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短編、その他

ハロウィンについて、あれこれ

作者: 大野 錦

 何気に自作品の宣伝が入ってます。申し訳ありません。

ハロウィンについて、あれこれ



1:ハロウィンと渋谷


 初めまして、エッセイジャンル初登場の大野錦という者です。

 ちらほらマニアックな作品は書いてますが、基本的には読み専です。


 みなさんご存知の通り、渋谷区長さんが「渋谷はハロウィンイベントの会場でないので、来ないで下さい」と国内外に発表したニュースがありましたね。


 私も数年前(コロナ前)に渋谷のハロウィンを体験したのですが、

 まぁ色々な仮装した人々が多いこと多いこと。

 「こりゃアブね」ってことで、30分ほどで退散しました。



2:そもそもハロウィンって何?


 「そりゃ欧米のお祭りだろ。ん?キリスト教の宗教行事?」

 よし、この私のちょっと弱いおつむでご説明をいたしましょう。


 皆さまは「ケルト人」って知ってますか?

 昔、ヨーロッパ大陸でブイブイやらかしてた民族ですね。(古代ローマ時代のガリア人とほぼ同義)

 彼らの信奉していたのは、当然ケルト神話です。

 で、ケルト人は10月終わりから、11月1日あたりを、年の変わり目としていました。

 ちょうど、この頃から本格的に寒くなるので、年の変わり目としていたのでしょう。


 実は同じく「ゲルマン人」も年の変わり目とはしていませんでしたが、「これ以上もう暖かい日が来ない日」として、10月終わりから、11月1日あたりを神聖視していました。


 年の変わり目なので、ケルト人はこの日を特別視して、火祭りなどしていたそうです。

 これがぶっちゃけ「ハロウィン」の起源です。


 結論:ハロウィンはケルト人の新年のお祭りだった。



3:じゃあ、どうやって広まったの?


 結論から言いますと、広まってません。縮小されました。

 皆さまは「万聖節(諸聖人の日)」って知ってますか?

 11月1日に行われる、キリスト教の聖人(聖女)を祝う日です。


 さて、聖人・聖女って何?神聖魔法を使えるパーティには一人欲しいメンバー?

 国を祈り護る人たち?


 違いますっ!キリスト教で、殉教者だったり、生前の行いが素晴らしかったので、後に聖人として認定された人たちの事です。

 彼らにはそれぞれ記念日があります。

 有名なところでは、2月14日の「聖ヴァレンタインの日」ですね。


 9月17日は「聖ヒルデガルトの日」です。

 えっ、ヒルデガルトって何?

 そう思った方は、当エッセイを読み終わったら、トップページの小説検索より「教会博士、ビンゲンのヒルデガルト」へGO!


 さて、こんなに聖人の記念日があったら、ほぼ毎日お祝いのために休まなくちゃならないですか!

 そこで考え出されたのが「万聖節」。

 この日に全聖人を一緒にしてお祝いしましょーね、と教会が決めたんです。

 この「万聖節」。何と4世紀から始まったのですが、時代が下り8世紀ごろに11月1日に固定されました。


 何故この日に固定したのか?

 勘の良い方は分かったと思いますが、年が変わる火祭りを祝うケルト人や、11月1日を神聖視するゲルマン人を教化するためですね。

 いやー、何ともずるがしこい…。失礼、頭いいなー、キリスト教。



4:ところが細々とハロウィンやってたぜ


 と、すっかり「万聖節」で骨抜きにされたハロウィン(新年の火祭り)ですが、アイルランド人は細々とこのケルトの行事をやっていたのです。

 「万聖節」の前の日の10月31日にですね。


 さて、こういったお祭りは本邦もそうですが、独特の自然崇拝に結びついています。

 年の変わり目は、不安定な時期として特別視していました。

 こういった時の境目は、異次元の存在や先祖の霊が、この世界に現れる魔の時とされていたのです。

 彼らは静かに各家庭でご先祖様へのお祈りをしていたのでしょうね。

 

 そりゃハロウィンなくならねーわ。



5:移住するアイルランド人とハロウィン爆誕


 まぁ、色々歴史を調べればわかりますが、アイルランド人はイギリスに渡ったり、何より大規模にアメリカに移住して行きました。

 なので、ハロウィンはイギリスやアメリカに渡ったアイルランド系移民で行われ、いつしかイギリス人もアメリカ人も祝うようになり、一般行事として定着して行きます。


 アメリカではマスメディアの仕掛けにより、ケルト的な特色が薄れた、人種・宗教に関係なく楽しめる商業的なハロウィンへと変化して行きます。

 つまり、私たちが一般にイメージするハロウィンが、ここで初めて誕生します。

 (この辺りは「クリスマス」とも似てますね)



6:世界へ広まるハロウィン


 そんなアメリカンパワーが直撃したのは、日本と(西)ドイツです。

 理由は明確。日本と(西)ドイツは、駐留アメリカ軍が多いので、当然彼らが家族と祝うハロウィンを目撃して、次第に自分たちも「おもしろそーだな」と受け入れて行きます。


 ジャーマンメタルのバンドでハロウィンなんてありますからね。(綴りは「Helloween」ですが)


 他の国々では、英語圏が当然早くから、このアメリカ式のハロウィンを受け入れていましたが、

 そうでない国々は、当然受け入れ時期が異なりますし、何より「ハロウィン禁止」とアメリカ文化否定の立場から、ハロウィンパーティをしない国も多いのです。



7:実は世界的には新しいお祭りだった


 カトリック圏では先に上げた「万聖節」が公的な休日でかつ重要なので、カトリックが主流の国々では、もうほとんど今世紀に入ってから、「仮装してどんちゃん騒ぎをするパーティ」と若者たちを中心に受け入れて行ったようです。


 宗教色が薄い、または宗教が俗化した地域や社会では、こういったアメリカ文化があっさり受け入れられちゃうんです。


 なので、世界中の若者たちは、渋谷がハロウィンの大会場なのだと、思い込んでいるのです。

 新しいゆえのお祭りなので、渋谷の10月の終わり頃は、今世紀に入ってからああなったのでしょう。



8:最後に


 数年前は車が横転させられたり、2021年の死傷事件も記憶に新しいところです。

 特に2022年の韓国ソウルの繁華街である梨泰院での、あの痛ましい大惨事は、渋谷区長さんが「禁止」にした一因になったと思います。


 お祭りや街が飾られるのは、楽しいですが、安全にハロウィンが祝われることを願って、本エッセイの終了といたします。



ハロウィンについて、あれこれ 了

 ひょっとしたら、色々私の勘違いや誤解があるかも知れないので、

 感想でご指摘・補足等をお願い致します。


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