再会
「ガシャンッ」
突然、とびらが開いて、光が差し込んできました。
光の向こうにぼんやりと浮かぶ人影が見えました。
目の前に、彼女が立っていたのです。
4年ぶりの再会、彼女はもう中学3年生でした。
あの頃より背が伸びて、顔つきもすっかり大人になっていました。
「うわ、ここなんかくさいよ」
彼女は顔を背けながら、2本の指でぼくをつまみ上げて、
すぐにダンボール箱に投げ入れました。
箱の中には、彼女が着ていた服がたくさん入っていました。
このまま捨てられてしまうんだ、ぼくにはわかりました。
でも、ぼくは嬉しかったのです、彼女にまた会えたことが。
おもちゃ屋の隅においてあったぼくを、彼女のお父さんが見つけてくれました。
「はい、誕生日プレゼントだよ」
お父さんは家に帰ると、大きな箱を彼女に手渡しました。
彼女は手を伸ばして、ぼくを箱から出してくれました。
彼女はまだ5歳、とても小さくて、少し重そうにぼくを持ち上げました。
「やったぁ、みーのワンちゃんだっ」
彼女は笑い顔でそう言うと、嬉しそうにぼくを抱きしめてくれました。
それから、ご飯のときも寝るときも、ぼくは彼女の腕の中にいました。
いつも、彼女と一緒に過ごしました。
いつも、彼女の温もりを感じました。
彼女のそばにいて、毎日がとても幸せでした。