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第一話 - 腕立て伏せ -
私の名前は、町田 鍛造、趣味で筋トレをしているものだ。
これから800年ぶりに腕立て伏せに取り組もうと考えている。
「懐かしいな……」
感傷に浸りつつも地に手をついたその時、突然奇妙な浮遊感と共に大気が震え、体がすっぽりと包まれるほどの紫色の扉のような物が開いた。
「ヌゥッ!?」
このままでは落ちてしまう、それは避けなければならない。
なぜなら
「私は腕立て伏せをしなければならない!」
筋トレの宿命、10回3セット
一度構えを取った者は、皆その呪縛に囚われる。
掟を破る者は死罪である。
ならば、やる事は一つだ。
「イィィィチ!」
超速で突き出した両掌が空気中の塵を掴み、衝撃波を生みながらその体を持ち上げる。
そして体が落下する前に、指をまっすぐに伸ばす事で空気抵抗を下げ、胸元まで引き上げる。
「ニィィィ!!」
そうして三十回の腕立て伏せを済ませた時
扉は閉じていた。
「よし、次はスクワットだ」
彼の筋トレは終わらない。
Twitterに更新報告とかしてますので良かったらお待ちしております。
評価とか貰えたら町田の大胸筋がピクピクします。