女神、目指してもいいですか?
仏教の六波羅蜜と無財の七施をみて、とても素敵な考え方だったので分かりやすく書いてみたいなーと思って書いてみました!
ディオさんと旅を続けて1週間が経った。
ディオさんは私のために魔力を惜しげもなく使って、洋服や寝床、食事を用意してくれた。
「ディオさんって本当に優しいですよね。こんなに親切にしてもらったのって初めてです。」
いまもディオさんが空間魔法で取り出した新鮮なりんごで作ったアップルパイを食べている最中だ。
シナモンが入ったミルクティーもいれてくれた。
火魔法を使いこなしてるのもすごいが、魔力を他人のために使えるディオさんは親切すぎると思う。
洗い物も水魔法ですぐにおわるし、洗濯だって風魔法で一瞬で乾く上に畳んでしまうのだ。
すごすぎる。
「だってランランかわいすぎるんだもん!でも、まぁ修行の旅だからっていうのもあるけどね。」
「修行?」
修行っていうと滝に打たれたりするやつかな?でも、私といるときには水浴びがてら泉に入ったときくらいしか水に入ってなかったと思うけど・・・。
不思議に思っているとディオさんが続ける。
「そう。私の故郷ではね、女神信仰があるの。」
「女神信仰?初めて聞きました。」
にっこり笑うディオさんは、まさに女神のようでそういう信仰もあるんだなと納得できた。
「私の故郷の女性はね、女神様になれるように自分を磨くの。」
「磨く?」
「そう。6つの蜜と7つの果実を手に入れたら女神になれるんだよ。」
「わー!すごい!美味しそうですね!!」
それでパイを焼いたらほっぺが落ちちゃいそう。
あれ?でもそれが修行になるのかな?
「ふふっ、食べ物じゃないんだよ~?」
「そうなんですか?」
おかしそうに笑うディオさん。
「うん。6つの蜜はね、親切にすること、ルールを守ること、つらいことがあっても負けないこと、努力すること、心を落ち着かせること、自分を磨き続けること!」
「わー!ディオさんに全部あてはまります!」
私なんかにも親切だし、いつも穏やかに笑ってるし!
でも、私には何もあてはまらないな・・・。
「7つの果実はやさしい眼差しでいること、やさしい微笑みを向けること、思いやりを持った言葉をかけること、身を持って思いやること、心を込めて思いやること、人に場所や席を快く譲ること、人に宿泊や休憩の場所を快く提供することだよ!」
6つの蜜は自分に、7つの果実は他人に与えることが大切なんだよと笑う。
親切にすることの具体的な内容が7つの果実のことらしい。
「それって・・・最初に会ったときのディオさんですね!」
「そうかな?」
「そうです!行くところがなくて困ってた私に優しい笑顔で声をかけてくれて。帰る場所がないって言ったらテントに連れて行ってくれて。ご飯を食べてないっていったら温かいパンとスープも出してくれて。全部覚えてます!」
「そういえば、そうだったね。」
「だからもうディオさんは女神様ですね!!優しくて綺麗でなんでこんなに素敵な人が私なんかと一緒にいてくれるのかなって不思議だったんですけど、女神様だったなら納得です!」
「私が女神さまに近づけたなら、ランランっていう天使がいてくれるからだね!」
「え?!」
わ、私が天使さまなんて恐れ多いし、罰があたる!
「これからはランランも一緒に女神さまになるための自分磨きを頑張ろうね!」
「わ、私なんてそんな・・・。」
「大丈夫!ランランは天使みたいに可愛いから!」
「か、可愛くなんて・・・。」
「6つの蜜と7つの果実。ばっちり手にいれて、女神さまに近づこうね!」
「ディオさんがそういうなら・・・。が、がんばります!」
「じゃぁ、6つの蜜と7つの果実言ってみて。」
「ディオさんみたいになることです!」
「あはは!ランラン可愛いけど全然違うよ~」
教えてあげるからゆっくり覚えていこうね、そういってディオさんが私の手をぎゅっと握りしめてくれた。
「が、がんばります・・・。」
ディオさんの手は柔らかくて温かくて私はそれだけで幸せな気持ちになる。
ディオさんは十分女神なのでもう修行はしなくていいんじゃないかな、と思ったけど修行が終わったら旅も終わってお別れになってしまうかもしれないので私は黙って手を握り返すのだった。
目指すは美人なお姉さんと可愛い少女の禅問答ファンタジー!
また何か思いついたら二人の旅の続きを書きたいですが予定は未定\(^^)/
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