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紡ぐ物語 -FUTURE-  作者: 稀世
02:中立チェルシアン学園
31/47

8-2






「うわぁぁぁ!!大丈夫だったアッ君!!」

「そうそうキチガイに絡まれてたけど!?」


一年と合流すれば真っ先に双子が声をかけてくるのに対しアルスは「制服のボタンが取れた」と呟けば双子もアーと言葉を漏らす。


「今日は、試合無いだろうし後ろの裾鬱陶しいだろうけど僕の制服来てなよ」

「え?」


いそいそと脱ぎ出しアルスへと自身の制服を渡す。


「嫌、俺、これでも大丈夫だし…」

「僕が心配なの」


その言葉の意味を違う意味に捉えた双子は「あら、聞きました奥様?夫が他の女性に行かないように防衛線を」「あらあら、これはこれは」とへんな事を言う双子に対し一つ睨みを返しアルスの制服を奪うような形で着る。


「襟元止めてたら前しまるから」

「うん」


なれない制服に袖口をパサパサしていれば「ほら、話が終わったなら退場するわよ」というレレスの言葉にようやく審判者が早く退場しろと言う視線を送っている事に気がついた。

Dクラスのメンバーはそそくさと入場と同じ場所から退場を始める。

そうすればもうすでに次のクラスがおり、そのクラスはしげしげとDクラスを物色するように視線を向ける。

その視線から逃げるように早足で出れば、第一グラウンドの外にはもうすでに先輩達が立っており、テトは心配そうな視線を向け、ニーアもまた先ほどの事に対してかテト同様に心配しておりアルマはいつも通りの表情だが、その眉間に皺がよっていない事に一年の勝利を喜んでいるように見えた。


「テェートォー先輩」

「無事勝利したよぉ!!」


双子による報告に先ほどの心配の眼差しはなりを潜め、代わりに満面の笑みがその表情を染める。


「皆おめでとう!!」


たかだか一回戦目の勝利にこの様に喜ぶのは、はたから見ればおかしいだろうが、何せこの勝利はDクラスが出来て初めての勝利であるのだ、嬉しがる名と言うのが無理な話であった。





それからは順調に、一年の二回戦である一年Bクラス対一年CクラスはBクラスが勝利し、次の学年である二年生の試合が開始される。

一回戦目は二年Aクラス対二年Cクラスに対し勝利したのは二年Aクラスであった。それは一年Aクラスでの屈辱、汚名を二年で挽回するような試合結果であった。

そして二回戦目である二年Bクラス対二年Dクラスはそれなりの苦戦を強いられた。


二年チームに最初に入ったのはテーゼとレレスであった。

当初はグーテが「何で僕じゃないの!?」とヴァールに質問するも「君は二日目にテーゼと一緒に出てもらうから今回は女性組で行かせたいんだよ」という答えに、二日目に一緒に出られると納得しつつもやはりブツブツ言いうのにテーゼは「いい加減妹離れしてよグーテ!!」と背中を叩かれていた。


そして迎えた試合では、出ないメンバーは観客席での応援をするのだがやはり隣にテーゼがいない事が気になるのか体を左右に揺らせるグーテをクレアが注意しつつもやはり体を揺らし始める為に呆れつつも視線をグラウンドへと向ける。


五対五の試合。後衛二、前衛三という形でフォーメーションを取っている事に対し今回はレレスが前衛と言う形であった。

攻撃魔法を使用できないが武器である蹴り技や身の軽さに前衛でもやっていけそうな動きであった。

レレス以外の前衛はアルマを中心に右をテーゼ、左をレレス。

そして後衛にニーアそして二年Dクラスのリーダーであるテトであった。

テトはもうすでに表情を青ざめさせ、今にも逃げ出しそうになっているのを必死に踏ん張って今の場所を立っているが立っているのだけでも限界そうに見えた。



そしてようやく始まった二回戦。

やはり相手は二年だけあって、一年であるレレスとテーゼが押され打撃による攻撃を受けるもそれを避けたり防いだりとするも相手は男性によって力負けをするも、アルマやテトが召喚した灰被り姫の加勢や魔法攻撃をニーアの防御魔法で防ぐ事によってジリジリと相手側の陣営へと近づき、アルマが自身の武器である両剣に炎をまとわせ斬撃を放ち一気に活路を開いた事によって勝利を収めたがそれでも今回の戦いはギリギリであるように感じさせた。



二年の分が終了した事によって午前の部は終了。

午後から三年の試合が始まる為に観客席は先ほどまで繰り広げた試合以上を見せてくれる事を期待するように弁当を食べながら話をしていた。

試合を終えた一年と二年は三年の試合を見る者以外は解散し寮へと戻ったり町へと出る者に分かれる。



そしてDクラスもまた寮へと戻り昼食をとっていた。


「一回戦、二回戦突破おめでとう諸君!!」


食堂には珍しくヴァールもその姿を見せており現在食事と共にヴァールの話にも耳を傾けていた。


「これで晴れて二日目に出場で決勝まであと二歩だ!!」

「うぇーい!!」

「明日も絶対勝つぜ」


右手にスプーンを掲げるテーゼと左手にフォークを掲げるグーテに対し目の前に座るレレスが「汚いのでやめてくださるかしら二人とも」と注意をいなせば、


「汚くないよ、未使用な奴だもん」

「そうそう。だから何かが飛ぶ心配は無いのだ」


「これでも没落貴族の子供だからね」あっははははと笑う双子に、その双子の身分に対し少しは驚愕しながらも「それならば少しはテーブルマナーを守りましょうか」とレレスが言うと同時にテーブル下で何かしらの音が聞こえたと同時に、双子は痛みに耐えるように悶えていた。


「ま、まぁ、話は戻って一年はまた一回戦目から、二年生の準決勝はその二回戦目になる。今回は一年と二年の試合を交互に交えているから間違えないように。まぁ、皆も知っている通り一年の初回はBクラスとで、二年はAクラスで助っ人は双子、決勝は全員出るからそのつもりで頑張れ!!」

「あ、あぁぁぁ、そうだぁ、明日はAクラスとだァァァ」

「はぁっ!?せっかく安定していた精神が崩壊したです!!」


ヴァールの言葉によって思い出し嘆き出すテトに食堂中、食堂の奥で作業していた寮母まで「あらまぁ、またいつもの発作かい?」と苦笑を漏らしつつ出てきてしまう始末。

というまぁ、もう一年も一緒に暮らしているのだからテトの発作に慣れているような感じであり確認が終われば再び寮母は奥へと戻っていく。


「二日目からは肝を占めていった方がいいぞ、特に二年はな。一回戦であれだけの恥を一年が出してしまったからな二年がその恥を晴らしてくるだろう」

「ひゃぁぁぁぁ、駄目、無理…」

「あぁ、テトの顔色が青を通り越して白くなったです!!」


テトの顔色を実況するニーアに対し、「いい加減実況するのはやめてやれ、余計白くなった」というアルマからの助言でニーアは自分の実況もまたテトに追い討ちをかけていた事に気がつき慌てて口を塞ぐ。

だがもう遅いのではとヴァールは変ったお面の右頬当を掻きつつ言葉を続ける。


「だから、あちらさんの危険プレーが出てくるだろう。もし、命の危機を感じれば降参してくれ、だが命の危機も無く自分の臆病さで棄権したら許さないからな」


「命の危険を感じたら降参してくれ」と言う言葉に一瞬でも顔をパッと輝かすテトだったが最後の言葉を聞き、再び顔を白くさせ机に突っ伏せるように倒れこむ。

テトの前にはまだ少し残っている食器が置いてあったがそれをアルマが引き抜き、ニーアもまたスプーンやフォークをアルマ同様引き抜く感じから相当慣れている事を察する。


「だからといって一年もそう優しいだろうと言うわけではない、お互いちゃんと気を引き締めて明日に望んでもらう、話は以上だ」


「んじゃぁ、俺もご飯行くな」とそう残し食堂から出て行くヴァールを見送り二年組は今だ気絶しているテトを気にし、一年組は明日の為の話をする。



「明日は、私達後衛も攻撃に参加は使用と思うけれども、今日の所を見れば前衛でもいけそうな気がするのよね」

「まぁ、そうだろうね。前衛もまあ本気は出してないし」

「そうそう、あんなの準備体操だよ」

「次も僕らに任したっていいんだよ」


ノリノリの双子に対しレレスは呆れつつも「そうね、一回戦目はAクラス同様で行きましょう、正し危険だと思えばクレアも前衛に行かせるわ」と言う回答に


「何でクーちゃん!?」

「そうよ、クーちゃん後衛でしょう!?」

「まぁ、長期戦とかだったら後衛の方が楽だけど、実質短期戦なら前衛で多少は動けれる」


「嫌だったらリーダーであるレレスと一緒に前衛に行こうか?」問い回答に双子はグググッと唸る。


「嫌だったら、俺達三人で終わらせれば良い」

「はっ!?」

「そうだった!!」


黙っていたアルスがそう一言言えば、その手があったかというように顔をパッと輝かせる。


「何それ、僕が前衛に出たら困るわけ?」

「嫌ね」

「授業のクーちゃん見てるとこう、不安に」


双子の言葉に思いあたる部分があるせいでそれ以上は言い返せなくなってしまう。


「体力は無いけどクレアは、速度と筋力はあるよ?」


「二人でやりあう時、よく弓の先端とか凶器にしてくる」という言葉に


「あれ?弓って遠距離武器じゃ?」

「あれあれ?前衛用の武器だったかな」


とあほな回答に「何言っているんだ?遠距離武器に決まっているじゃないか」と真顔での回答のクレアに対し、誰のせいで混乱したと思っているのだよと言うかのように双子からのジト目を受ける事になる。





+*+*+*+*+*





始まった二日目。

一年と二年の準決勝、決勝戦を行う為にやはり一日目よりも多くの観客が集まっており、一日目にはいなかっただろう応援団が二日目には現れる。


「おぉマーレ!!お前さん所のクレア坊ちゃんとアルス坊ちゃんずいぶん大きくなったなぁ」

「てかもう、もう!!一団と成長しちゃってお姉さん嬉しいわ!!」

「二人とも静かに!!」

「アハハハ、Dクラスの皆さん頑張ってください」


一部の場所から聞こえてくる熱烈な声に、観客、グラウンドで構えていたBクラスまたDクラスもそちらへと視線を向ける。


「ねぇねぇ!!あの金髪の人、歓迎会の時に来てたクレア達のお兄さんの人だよね!?」

「何々!?あの隣の右隣の人達、めっちゃ目立ってるね!!」


双子による止めに「言わなくていいのに…」と後衛にいるクレアは頭を抱え、前方にいるアルスもまた苦笑を浮かべていた。


「ほら!?二人とも恥ずかしがっているじゃないですか、エーデルさん、カメーリエさん!!」

「えー、そんな事無いわよね」

「そうそう、嬉しがっていんだよ」


茶髪の短髪である女性、カメーリエとその右隣に座る黒髪の褐色の明らかに剣士であると言うかのような体格出るエーデルが笑いながら、金髪の青年に反論する。


「マーレさんも何か言ってあげてください!!」

「あ、そうだねぇ、ヴァルト君の言葉も一理あるけど、まぁ楽しんだもんがちだよね」

「え」


精神的ダメージは範囲外と思い、二人の応援の仕方に反論することなく普段どおりに対応し、Dクラスへと視線を落とす。

その態度に金髪の青年、ヴァルトは言葉を発することなく止まっていたが、試合開始音によってようやく腰を落とし試合へと視線を向ける。


「お、前衛の子が動き出したなって、後衛の子達はやるきねぇな」

「まぁ、一日目と同じやり方みたいよ」


一日目同様に前衛であるグーテ君、テーゼちゃん、アルスが勝負を決める為に敵地へと乗り込み、やはりAクラスでの試合内容を見ただけあり対策も取られていた。

女性であるテーゼちゃんの方である左方面に二人が置かれ、アルス、グーテ君がそちらに行かないようにBクラス内の物理攻撃に特化した生徒を配置、リーダーらしき人物は一歩後方に下がり各場所に魔法支援を行っていた。

その為、二人を相手しているテーゼちゃんの下に前衛であるグーテと君アルスがいくことができずにいた。


「わぁわぁ、あの嬢ちゃんやばいじゃないか!!」

「ちょっと落ち着きなさいよ!!」


二対一、棍棒と魔術にテーゼちゃんは自身が使える詠唱によって構築されていく魔術回路を破壊させる魔法を使用し、魔法を防ぐもそれも最初のみであった。

現在は詠唱中に棍棒が飛んでくる為にそれを避けながらの詠唱はきつく、下級魔法である火弾を数度発動を許してしまっている。


「え、え、大丈夫なんですよね」


ヴァルトだけではなく他の者達もテーゼちゃんへと視線が釘付けになっており、「嬢ちゃん頑張れ!!」や「誰か助けてやれよ!!」というテーゼちゃんへの応援がちらほら聞こえてきていた。


「後衛の子が動いたぞ!!」


その言葉通りに後衛で様子を見ていたクレアとレレスさんが動き出したのであった。だが、二人は今だ武器を発動させる事は無く手ぶらでの突撃だったが、レレスさんはテーゼちゃんの下にクレアはリーダーらしき人物の魔法の中断、及び迎撃はうまくおこない、二人の後衛が参加しただけでBクラスは合えなく敗北に終わったのであった。


「うわぁ、なんだろうなこの気持ち」

「エーデルが何を言いたいことは分かるわ、私も同じ気分よ」


二日目の一回戦目から、観客の心に疑問をやるせない気持ちを残したまま、次の試合である二回戦目である二年Aクラス対二年Dクラスが始まるのだけど、クラス登場で既に両者とも言いようの無い空気をまとっての登場であった。


「な、何なんだこの試合は!?」

「うぅ、本当に学生ですか!?殺気だけでも魔物と対峙している感じですよ…」


本物の魔物を討伐させているヴァルト達を頷かせるその殺気。

Aクラスは確か一年が酷い負け方をしたためにその屈辱を晴らすため、目の前の敵を還付無き叩きのめす為に、片やDクラス全員が殺気だっているわけではなく前を歩く一回戦目で出場していたグーテ君が主な原因であった。

その後ろにはアルスが立っており、二回戦連続なのかと思った。





+*+*+*+*+*





「何で!?何で、テーゼじゃないの!?」


「テーゼと一緒に出場するって聞いていたのに」と怒りを露にしているグーテに対しテトは苦笑を、少しの怯えを示しつつも


「しょ、しょうがないよ。次が決勝だから少しでも体力と魔力を回復させないといけないから」

「分かっているよ!!これが僕個人の八つ当たりだって」

「自覚してるんだな」

「うるさい!」


空気を読まないアルスにムキーと怒りを悶々と燃やすグーテに対しニーアとアルマは今回の試合は大丈夫なのかと思わせていたが、



「雑魚はさっさと沈め!!」


怒りを表すようにテーゼから受け取り、双剣としてその力を発揮させ向かってくる敵を魔法攻撃を沈め、同様にアルスもまた一回戦では根気勝負であり無意識に募っていたストレスを消化するかの如く剣を振るい続け、今回の試合は誰しもが記憶に残るような試合結果を叩き出したのであった。


二年Aクラスをたった二人の、ましてや一年の手によって敗北させられたのであった。





+*+*+*+*+*





「うわぁ、アルマ坊ちゃん、二回戦連続だってのに全く疲れてないなぁ」

「というよりもあの魔族のハーフかしら?その男の子私と同じ双剣なのね」


試合の感想を言い合う二人に対し、先ほどカメーリエが口にだした言葉に答えるように


「多分、精霊族とのハーフでしょうね…光属性を多少ながら使っていましたから」


魔法攻撃を防ぐ為に結界を張る光景を思い出しながら答える。結界は光属性のみの魔法でありこれに似たほか属性の魔法は水属性と風属性にある上級から使用可能である魔法防壁であった。

水属性は下級からも一応は魔法防壁がはれるもそれは結界みたいに自身を包むまでは行かず目の前にしか展開させる事ができない。

中級、上級へと上がっていきようやく結界のように八方を塞ぐ事が可能になるのであった。



話は戻り、ヴァルトの言葉に「本当なの!?」と驚愕を示すカメーリエに対し何か複雑な感情があるかのように渋々、頷くヴァルトに対し「ハーフが嫌なのかな」と尋ねる。


それに対し、


「いえ、ハーフは珍しくないのですが、その、対であるはずの魔族と子をなしていた同族がいると思うと…」

「汚らわしいとかおもっちゃうのかな?」

「え?」


普段はあまりしない他種族の話。


「…まぁ、しょうがないよね。今の時代はそう言う風に教えられちゃっているしね」


「とりあえず、私は少し席を外すね」添う言葉を残し、席を立てば、ヴァルトが何かしら訪ねたそうにしていたがそれに気が付かないふりをしその場を後にする。





「そんなに感情を露にしてどうした」

「何も」


先ほどまでいた場所から離れた場所に歩みを進めればそこに目的の人物は立っていた。


「まぁ、そう言う事にしておこうか。で、どうだ?自分の甥達の活躍は?」

「そうだね、まだクレアは分からないけれども、アルスはこの二ヶ月でダイブ成長していたね」


「でもまだ、剣先に感情が乗ってる」と答えれば、ヴァールはニヤニヤしたような声音で


「まぁ、まだ若いからねぇ。まだまだ成長の余地はあるって事だ」

「で、この試合には何か縛りでもあるのかな?」

「あるよ。でもその時張りの一つが決勝戦、次の試合から解除されるけどな」



決勝戦での特別ルール。

準決勝までは、武器に付属しているスキル、特性の使用の禁止が、決勝からはそのルールが解除される事になっていた。



「そういえば、後衛陣の二人が前衛に行けると意気揚々としていたね」

「まぁ、あの子が後ろで黙ってみて入れるような子じゃないからね」


一回戦でリーダーを倒した時に明らかに上がっていた口角に私は気づく。


「さすが血縁者だよな。お前の若いときと似ているな」

「…?それはどう言う事だ」

「そのままの意味さ。笑顔で敵対者を殲滅させる狂戦士って呼ばれていたじゃないか」


ヴァールの言葉にようやく思い出したかのように、眉間に濃い皺が刻まれる。





「ようやく帰ってきたか、マーレ」

「あらあら、何か良い事でも合ったのかしら?」


ニコニコしながら帰ってきた私が気になったのか、カメーリエが尋ねてきたので「昔の知り合いにあっただけですよ」と答える。


「そうね、昔の知り合いにあったら何故か嬉しい人とそうじゃない人がいる者ね」

「んん?昔の旧知にあって嬉しくない者などいないだろう?」

「それは貴方だけよ」


旧知に合った時の話をし始める二人に対し、


「マーレさん…」

「ん?」


席に座ろうと腰を下ろそうとした時、ヴァルトの言葉によってその行動を中断する。


「…何か怪我でもしました?」

「?してないよ」

「そうですか…」


その言葉に、先程ヴァールを殴った時に手についた血の匂いが残っていたかと反省していれば次の試合の合図が会場に響き渡る。






2019.09.16:本編修正・追加

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