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キボウ  作者: ゼラニウム
1/1

プロローグのプロローグ


西暦2600年、27世紀

細かい紆余曲折を抜きにすれば今の時代を示す言葉はこれだ


日本の元号は共幸、共幸45年だ


「はい、と言う事で日本での暦は元号として定められます、皆さん知る通り今は共幸ですね」


カッカッ、と小気味よい音で黒板を走るチョーク


「歴史とか、役に立つのかよ〰」

俺はそんな教師の話をそこそこに黒板をノートに写していく


いや、今時液晶端末やホログラフィで黒板を共有すればいいものを

何を考えてるのかこの学校はレトロ中のレトロな紙、鉛筆なんて物を使っている


「だいたい、にほんの事なんて俺たちには関係ないじゃん」

ぶつくさと小声でぼやく俺に不意討ちのチョーク弾


「アレン君、歴史の授業が無意味に感じるなら…君の好きな体育でもさせてあげようか?グラウンドを5周位してくるかね?」


「あ、や!楽しい!歴史最高!にほんとかちょー興味ありましたから!」

額を押さえつつ涙目でペナルティは回避したい必死の取り繕い




「はぁ、もう…歴史ってのは社会の仕組みの事なんだよ?それは 知ることで視野になり、理解する事で力にもなるものなんだ」


知識と言う力こそ、人間が…知性ある生命が歩んできた道標なのだから



そう言っていた教師の話しが、頭に甦る





身体は動かず、理解は追い付かず、なぜ今そんな事を思い出したかすらわからない



分からないけど、多分



俺はもう死ぬんだろうな



段々感覚が無くなっていく下半身を見る



膝から下が無い


さっきから何度も逃避しては確認し吐きそうになる


感覚が薄くなっていき、冷たいのに熱い


流れた血だまりが恐怖を煽る


怖い


死ぬのか


死ってなんだっけ


飼っていたペットが死んだ時は悲しかったが


いや、今は自分だし


あ、手も寒くなってきた


おいおい、なんで14歳になったばかりで死ななきゃいけないんだ


妹なんて11だぞ…


なんで、なんでこんな事に


勝手に閉じそうになる瞼を開けようと見渡せば

我が家は、故郷は火に包まれていた


他に生きてる人は


いないだろうなぁ



学校が終わって、友達と遊んで

ご飯食べて


そして、死にかけている


\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\


「おい、おい!」

呼びかけと頬を叩く感触に意識が戻る


「よし、生きてるな」

目の前には男の人


「生存者一名確認、脚部損傷出血多量だ…ああ、応急でディレイ掛けてるから直ぐに搬送だ」

男は誰かと喋りながら俺の体になんかしてた


「スグ医者が来るから安心しな」


‐安心ってなんだ?

「ん?お前は助かるって事だ、まぁ今は考えず寝とけ」


首辺りに何かが貼ってある

眠く   なって         き

ちゃ          た






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