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02・面倒臭いことになった


『emotion control』という恋愛シュミレーションゲーム、いわゆる乙女ゲームがある。感情をテーマにしたゲームで、主人公はその場その場で様々な感情を選択して話を進めていく。


また、主人公と攻略対象にはそれぞれ能力がある。

主人公は『人の感情の色が見える能力』。怒っている人は赤色のもやもやがでるし、泣いている人には青色のもやもやが見えるといった感じだ。


他にも様々な能力があるが、1番めんどくさいのは『人の感情がわかる能力』だ。

何もしなくても人の感情、心の声が聞こえる能力。1番攻略難易度が高かった。それは能力自体が厄介なのもあるが、その能力によって起こった過去の事件が重すぎるからだ。


さて、その能力の持ち主であるが……今、目の前にいるんだよね。


「……信じらんねぇな。」


「はぁ。」


家庭科室で椅子を蹴っていたイケメンこそが攻略対象の1人である吉井千秋(よしいちあき)だ。

私が思い出したのは乙女ゲームの記憶だった。キャラ一人一人はもちろん、ストーリーもすべて思い出した。

そしてその記憶を思い出した時、私の目の前にいた『人の感情がわかる能力』を持つ彼にも私の記憶が流れ込んだらしい。

そして今に至るというわけだ。


「……もしこれが本当ならば、俺にはやらなければならないことがある。」


それは私にも、ある。


私がやらなければならないことは、大切な友人である雪を守ることだ。


私はゲーム内にまったく出てこなかったモブキャラだ。だけど、雪は違う。雪は主人公のライバルキャラだったのだ。

主人公がどの攻略対象のルートを選んでも雪はライバルキャラとなり、主人公と同じ人を好きになる。そして、主人公に悪質ないじめや、攻略対象にさまざまなアタックをする。ルートの最後には悪いことをした報いで病院送りになったり、退学したりと末路は様々だがどれもひどい。


雪はいじめをするような子じゃないことはわかっているが、変なことに巻き込ませたくないというのが私の考えだ。


「俺にも守らなければならない奴がいる。」


ああ、お母さんか。たしか重度のマザコンだったはず。


「うわ、当てんなよ気持ち悪い。」


「いや、勝手に私の考え読まないでよ。ゲーム内での吉井くんを知っているだけだから、知りたくもないのに。」


「ああ?勝手に読んでいるわけじゃねーし。てか『くん』付けて呼ぶな気持ち悪い。」


「……千秋ちゃん?」


「きも。」


少し考えてから真面目に答えたのだけど……。だって吉井くん女顔じゃないか。

そろそろ話が進まないので反論したい言葉を飲み込んで話を進める。


「で、吉井ちゃんこれからどうする?」


「……俺はお前も知ってると思うが生徒会だ。」


吉井くんは私がちゃん付けしたことに少し苛立ちながらも話を続ける。

この学校の生徒会は特殊で、入学当初から学校側が勝手に役員を決める。生徒会に選ばれるのは頭がいいからではなく、能力を持っているかどうかだ。

なので吉井くんは必然的に生徒会メンバーだ。2年生から転校してきた主人公も能力を持っているので生徒会メンバーとなる。

まぁ、能力持っている人達だけでは仕事が多いからサポートっていうのもあるんだけど……それはまたおいおい説明しよう。


「俺はお前に生徒会でのあの女の情報を教える。だからお前は藤堂雪の情報を俺に教えろ。週3で。」


「私的にはそれはありがたいけど……雪は何もしないよ?」


たしかに私の目が届かない生徒会内の時の主人公ちゃんの情報を得られるのはありがたい。彼女が誰を選ぶのかもわかるし、その攻略対象のルートにおいての対策は打ちやすい。

けど、雪は本当にいい子なのだ。


「わからないだろ。お前の乙女ゲームの記憶とやらが正しければ母さんを陥れるのは藤堂雪だ。」


これには何も言えない。……私も知っているから。


「……わかった。情報交換ね。」


「月、水、金の放課後に家庭科室に来い。いいな?」


「いいけど……吉井くん1年生だよね?」


「それがどうした。」


「私、2年生。敬語使え!」


最初から偉そうな口調や態度が気になっていたのだ。


「知ってるけど嫌。ああ、それと、この部屋を出たら俺達は他人だから。この事はいっさい口外するなよ。」


私の返事を聞かずに吉井くんは出ていく。あのクソガキめ……!!!





こうして私と吉井くんの奇妙な関係が始まった。




今回は説明多くて読みずらかったと思います。

難しい……。

読んでくださりありがとうございます(*^^*)

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