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地球は狙われて……

作者: 駒沢

異星人の大船団が発見されたのは2週間前のこと。地球からの観測の結果、冥王星軌道の外側から太陽系中心部へ向かっていることが確認された。


彼らがどこから来たのか、どのような姿をしているかはわからない。しかし地球を目指しているのは明らかだし、船団の規模からみて単なる調査ではないことも容易に想像できた。


地球への植民が目的なら、当然武力による侵略……いや「浄化」が行われるだろう。H.G.ウェルズの『宇宙戦争』さながら、異星人による虐殺が行われるのは確実だ。人類は虫ケラのように駆除されてしまうかもしれない。


各国の首脳が連日会議を続けたが、よい案は出ない。そうこうしている間にも異星人の船団は木星圏を通過し、火星軌道に迫りつつあった。


地球は修羅場と化した。ある者は「審判の日が訪れた!」と泣きわめき、ある者は「彼らこそ愚かな人類を導く救世主なのだ」と狂ったように祈り続けた。


「たとえ敵わずとも、ありったけの核兵器を放って侵略者どもに一矢報いるべし」という強硬派もいれば、「使節団を送って和平交渉に持ち込もう」という穏健派もいた。


疎開する者、シェルターにこもる者。買いだめに走る者、ここぞとばかりに略奪を始める者。結局、地球人たちはなにひとつまとまった行動をすることなく、ただ混乱したまま異星人の接近を許した。


そして、異星人の船団が地球にやってきた。


……が、そのまま何事もなかったかのように素通りし、金星に向かった。


そう。彼らの目的地は、地球ではなかったのだ。

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駒沢的怪異譚
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